ふとした瞬間に感じる頭皮のモワっとした臭い。
周囲の人に臭く思われていないか、不安に感じる方もいるでしょう。
さまざまな要因が合わさることで、頭皮に嫌な臭いが発生してしまいます。
そこで今回は頭皮の臭いの原因や、今日から始められる対策をご紹介します。
シャンプーに配合されるおすすめの成分や、正しいシャンプーの仕方についてもご紹介していますので、ぜひ実践して清潔感のある頭皮を目指しましょう。
美容師ライター/美容師免許所持。
向井智美
美容室、総合毛髪企業を経て、美容師ライターとして活動中。 今まで1万人以上のお客様へ施術やアドバイスを行った経験をもとに、髪の毛や頭皮に関する正しい知識や魅力をお伝えします。
頭皮のいやぁな臭いはどこから来るの?原因を解説!
「毎日ちゃんとシャンプーをしているのに、なんで頭皮から臭いがするんだろう?」と疑問に感じる方が多いと思います。
ここでは、頭皮の嫌な臭いの原因について解説します。
原因1|汗や皮脂を落としきれていない
頭皮から出る汗や皮脂、付着するホコリなどの汚れをシャンプーで完全に落としきれていないと、嫌な臭いの原因になります。
通常、汗は体温調整、皮脂は頭皮や髪を守るために分泌されています。
しかし分泌量が増え過ぎてしまい、きちんと洗浄できずに清潔な状態ではなくなると、皮脂をエサとして雑菌が繁殖し、嫌な臭いになるのです。
特に、男性の皮脂量は女性の2~3倍と多く、臭いやすいと言われています。
たとえ皮脂が多く分泌されていても、毎日のシャンプーできちんと落とせていればひどく臭うことはありません。
しかし、落とせていない皮脂が日に日に積み重なることで、悪臭になるのです。
引用:頭皮が臭い、その原因と対策|リアップヘアケアコンテンツ|大正製薬 (taisho.co.jp)
男性の肌あれ原因とは?スキンケア時のポイントについて|スキンケア基礎知識|持田ヘルスケア株式会社 (mochida.co.jp)
原因2|髪が濡れた状態でいる
入浴後に髪を乾かさず、濡れたままの状態でいると、臭いの原因となります。
頭皮は多くの髪の毛で覆われているため、濡れた状態だと湿度が高くなり、マラセチア菌などの菌が発生しやすくなるのです。
このマラセチア菌は、皮脂を分解すると嫌な臭いが発生します。
入浴後以外にも、汗をかいたり、帽子を被ったりしても蒸れやすくなるので注意が必要です。
参考:濡れた髪は頭皮にダメージを与えるの? | h&s (hscare.jp)
原因3|脂質や糖質が多い食事をしている
脂質や糖質が多い食事を摂っていると、頭皮の臭いに繋がることがあります。
体は食べた物で構成されているので、汗や皮脂から悪臭が発生することがあるのです。
以下に、脂質と糖質の多い食べ物をまとめました。
これらを過剰に摂取していないか確認しましょう。
原因4|頭皮の病気
頭皮に炎症が起こったり、できものができたりすると嫌な臭いが出ることがあります。
頭皮は髪の毛に覆われており、自分では直接見えにくいため、症状に気が付かない場合があります。
以下に、頭皮に起こりやすい病気をまとめました。
思い当たる症状がないか確認しましょう。
- 脂漏性皮膚炎
皮脂の分泌が多い場所にできる皮膚炎。
脂っぽいフケが出て、かゆみを伴う。
皮脂が酸化した独特な匂いがする。
- アトピー性皮膚炎
頭皮に炎症を起こし、かゆみを伴う。
かくと、傷からじゅくじゅくした液が出る。
傷口に雑菌が増えて、臭いが出ることがある。
- 粉瘤(ふんりゅう)
排出されるべき皮脂や角質が、皮膚内部に袋を作り溜まる。
老廃物が外に出ると、悪臭がする。
この臭いすぐ消したい!頭皮の臭いの対策!
原因に合わせた対策をすることで、頭皮の嫌な臭いが軽減できます。
臭いの対策方法を4つご紹介します。
対策1|丁寧にシャンプーする
汗や皮脂を綺麗に落とすには、シャンプーがとても重要です。
「毎日ちゃんとシャンプーしている」という方がほとんどだと思いますが、完全に汗や皮脂を落とせていないと臭いは消えません。
正しいシャンプーの仕方については後述しますが、お湯の濡らし方、シャンプーの泡立て方、洗い方などを気を付けるだけで臭い対策ができます。
また指だけ洗うのではなく、シャンプーブラシを使用して洗うのも方法のひとつです。
忙しい毎日でシャンプーが適当になっている方は、週に1度のスペシャルケアとして自宅で炭酸シャンプーを使用したり、月に一度美容室へ通い、ヘッドスパをしてもらうことも良いです。
対策2|ドライヤーで完全に髪を乾かす
洗髪後は、必ずドライヤーを使って髪を乾かしましょう。
髪が濡れている状態だと、湿度が高くなって菌が発生しやすくなり、嫌な臭いの原因になります。
自然乾燥では頭皮が乾きにくく、髪も傷みやすいので、必ずドライヤーを使いましょう。
よくタオルドライし、髪の根元を中心に乾かしましょう。
特に襟足や耳上は乾きにくい部分なので、念入りに乾かします。
また乾かすのに時間がかかるからと、頭にタオルを巻く方もいますが、蒸れやすくなるので避けた方が良いでしょう。
対策3|食生活の改善
頭皮の匂いが気になるときは、食生活を改善しましょう。
忙しい現代人は、コンビニの食事や外食が多く、バランスが乱れがちです。
脂質、糖質の多い食事を控え、バランスの整った食事を心掛けましょう。
特に頭皮には、緑黄色野菜や海藻、果物を取り入れると良いです。
対策4|皮膚科を受診する
頭皮の臭いが気になり、フケやかゆみ、炎症、湿疹などの症状が伴う場合は、皮膚科を受診するのも方法のひとつです。
頭皮の病気による臭いの場合は、根本的に治療しなければ改善できません。
頭皮の状態は自分ではなかなか見えにくく、判断しにくいので、かゆみや炎症などの症状が続く場合は皮膚科を受診しましょう。
これが入ってるシャンプーを探せ!頭皮の臭い対策におすすめの成分とシャンプー!
頭皮の臭い対策のために、どのシャンプーを選べばいいかわからない方もいると思います。
そこで頭皮の臭いに効果的な成分とシャンプーをご紹介します。
ぜひ、自分好みのシャンプーを見つけてくださいね。
消臭効果|カキタンニン
頭皮の臭いに効果的な成分が「カキタンニン」です。
柿の果実に含まれるポリフェノールの一種で、消臭・殺菌・抗菌作用が期待できます。
また毛穴を引き締めて、頭皮環境を整えることもできます。
カキタンニン配合:フィヨーレ ファシナートシャンプーAB 250ml ¥1,980(税込み)
フィヨーレ ファシナートシャンプーABは、加齢による悩みを抱えている方向けに作られたエイジングケアシャンプーです。
カキタンニン、ヘマチンが配合されることで、気になる頭皮の臭いをカバーします。
ハリコシを与える成分も含まれるので、つぶれがちなトップにふんわりとしたボリューム感を出せます。
ノンシリコンシャンプーですが、きしまず洗うことができるので、ロングヘアの方にもおすすめのシャンプーです。
皮脂の臭いを防ぐ|グロブル
グロブルは、ユーカリ油に含まれる消臭成分です。
天然由来の成分で、頭皮の嫌な臭いを防ぐことができます。
グロブル配合シャンプー:サンコール ミントベル マリンブルーシャンプー 550ml¥3,300(税込み)
サンコール ミントベル マリンブルーシャンプーは、天然清涼成分のメントールが配合されています。
シャンプー中はス―っとした爽快感があり、しっかりと洗えている感覚があります。
皮脂の臭いを防ぐ成分のグロブルだけではなく、保湿成分も配合されているので、さらっとした髪に仕上がります。
殺菌作用|ピロクトン オラミン
ピロクトン オラミンは、マラセチア菌などの細菌を殺菌する作用があります。
皮脂の過酸化やフケ、かゆみを防ぐことができます。
ピロクトン オラミン配合シャンプー:COTA コタセラ スパシャンプー 300ml ¥2,750(税込み)
COTA コタセラ スパシャンプーは、有効成分が配合されている医薬部外品のシャンプーです。
ピロクトン オラミン配合で、菌の繁殖やフケ・かゆみを防ぎます。
頭皮の油分を取り過ぎず、マイルドに洗えるのも魅力のひとつ。
アロマティックブーケの香りで、まるでスパに来たかのようにリラックスすることができるシャンプーです。
皮脂を吸着|カオリン
カオリンは、鉱物を含む粘土のことです。
ミネラル成分を含むため、吸着力があり、毛穴の汚れを取ることができます。
カオリン配合シャンプー:ロート製薬 デオコ スカルプケアシャンプー 350ml¥1,540(税込み)
デオコ スカルプケアシャンプーは、加齢による臭いケアにフォーカスしたシャンプーです。
臭いの原因となる皮脂を吸着剤であるカオリンがしっかりと掴み、洗い落とします。
ラクトン香料が配合されており、年齢と共に少なくなる甘い香りを加えることで、臭いケアができます。
アミノ酸系洗浄成分|ココイルメチルタウリンNa
ココイルメチルタウリンNaは、頭皮や髪の油分を落としすぎず、マイルドに洗うことができる洗浄成分です。
洗浄力の強いシャンプーで皮脂を落とし過ぎると、肌を潤わせるためさらに油分が出てしまい、臭いの原因となることがあります。
そのため、低刺激でやさしい洗浄成分のココイルメチルタウリンNaがおすすめです。
ココイルメチルタウリンNa配合シャンプー:Lebel イオ クレンジングシャンプー 200ml¥2,200(税込み)
イオ クレンジングシャンプーは、アミノ酸系洗浄成分でやさしく洗うことのできるシャンプーです。
濃厚な泡で頭皮を包み込み、余分な皮脂や汚れを落とすことができます。
グリチルリチン酸2Kが配合されており、フケやかゆみを防いで、頭皮環境を整えることができます。
くせ毛が気になる方にも使用していただきたいシャンプーです。
シャンプーの仕方で臭いを解決?!正しいシャンプーの仕方!
頭皮の臭いを予防するには、正しい方法で丁寧にシャンプーすることが大切です。
ここでは、シャンプーの仕方を解説します。
STEP1|乾いた状態で髪をとかす
まずは、髪を濡らす前にブラシを使用して、髪を毛先からとかしましょう。
ブラッシングをすると、頭皮や髪に付いたホコリをあらかじめ落とすことができます。
さらに髪の絡まりをほどくことで、シャンプー時の泡立ちも良くなります。
また髪をとかすときは、クシではなくクッションブラシがおすすめです。
ブラシの土台がクッションのようにやわらかい素材でできているため、頭皮や髪に負担をかけることなく、ブラッシングできます。
STEP2|頭皮と髪をお湯で満遍なく濡らす
頭皮と髪をお湯でしっかりと濡らしましょう。
乾いている部分がないように満遍なく濡らすことで、シャンプー前にホコリなどを落とし、泡立ちが良くなります。
特に、耳周りや襟足は濡らしにくい部分なので、手の平でお湯を溜めるように濡らすのがコツです。
STEP3|シャンプーをよく泡立てる
シャンプーはよく泡立てて使用しましょう。
泡が立っていない状態で洗うと、髪同士が擦れてしまいダメージの原因になることや、頭皮の汚れが落としにくいことがあります。
シャンプーを付けた後は、お湯と空気を含ませながらふんわりと泡立てます。
生え際や耳まわり、襟足などにも泡を足しましょう。
STEP4|指の腹で頭皮を洗う
指の腹を使って、頭皮を満遍なく洗いましょう。
毛先は泡が落ちて自然に洗えるので、頭皮をメインで洗います。
指先で洗うより指の腹の方が頭皮に接する面積が広く、しっかりと力を入れることができます。
爪を立てた状態で洗うと頭皮を傷つけ、炎症を起こすことがあるので避けましょう。
STEP5|すすぎ残しがないよう入念にすすぐ
シャンプーが終わったらすすぎ残しがないよう、たっぷりのお湯で流しましょう。
シャンプーが頭皮に残った状態だと、雑菌のエサとなり、臭いの原因に繋がることがあります。
特に襟足や耳まわりは、シャンプーが落としにくいので、頭を下向きにして念入りにすすぎましょう。
参考:頭皮の臭いやベタつきを解消!シャンプー5つのポイント【髪のプロ監修】│花王 MyKao (kao-kirei.com)
さいごに
今回は頭皮の臭いの原因や、対策についてご紹介しました。
嫌な臭いがする原因の多くは、シャンプーで皮脂が落としきれていないことや、髪が濡れたままの状態でいることです。
正しいシャンプー方法で丁寧に洗い、きちんとドライヤーで乾かすことで臭いを防ぐことができます。
さらに、臭い対策に適した成分が含まれるシャンプーを使用することもおすすめです。
ぜひこの記事を参考に、自分に合った頭皮の臭い対策をして、心地よく過ごしてください。