美容師 / webライター
メガネ
美容師免許取得後、美容室を勤務して8年。現在は親が経営する美容室で事務をやりつつ、Webの知識も併用してWebライターとして活躍中。 美容師勤務中の手荒れの経験から、体の内側から髪をきれいにする術を研究している。ヘアケアからヘルスケアなどの、幅広い知識で記事を執筆中。 「薄毛に特化したヘッドスパ」が得意で、美容師時代もお客様から指名をよく受けていた。
夏に起こりやすい髪へのトラブルの特徴
夏というのは、髪や頭皮のトラブルが起こりやすい季節のひとつです。
様々な原因はありますが、次のようなトラブルが目立つ傾向にあります。
・外に出ることが多くて髪がパサつく
・湿気による影響で髪のダメージが大きくなる
・エアコンの風が髪に当たっていて乾燥する
夏独特のものが多いので、原因に合わせて予防できるようになっておくと安心です。
特徴《1》外に出ることが多くて髪がパサつく
夏は外出する機会が増えるかと思いますが、長時間外にいるだけでも髪の毛の負担が大きくなります。
その中でも最も意識するべきものが「紫外線」です。
そもそも紫外線はメラニン色素があることで、ダメージを抑えられるのですが、髪の毛の最も外側にあるキューティクルに関してはメラニン色素がありません。
紫外線からのダメージをカバーしにくい環境にある上に、髪の毛のアミノ酸が紫外線によって酸化し、結合が切れて髪の毛にパサつきが感じられるようになります。
通常、紫外線が毛髪に当たると紫外線は吸収され、毛髪を構成しているアミノ酸(シスチン、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファンなど)が酸化されて別の物質に変化してしまいます。
こうなることで、毛髪を構成しているケラチンタンパクがダメージします。また毛髪のS-S結合が切れ、酸化によってシステイン酸(SO3H)が生成することでも毛髪がダメージします。
プールや海水浴などで髪が濡れた状態で紫外線を浴びるとシステイン酸の生成が加速され、さらにダメージが大きくなります。
※引用:デミ コスメティクスより
つまり紫外線が強くなる夏こそ、髪の毛にも紫外線対策が必要です。
何もしていないのに髪がパサつくと感じるようなら、紫外線スプレーなどを使って髪をいたわりましょう。
特徴《2》湿気による影響で髪のダメージが大きくなる
夏は湿気が多い季節ですが、髪の毛は湿気に関してもデリケートであるため、丁寧にケアしないとパサつきがひどくなってしまいます。
・汗
・プールや海
湿気といっても様々なものがありますが、主に次の2つが問題です。
汗
まず夏は気温が高くなります。
そのため少し外に出るだけでも、汗を大量にかくこととなるでしょう。
汗をかいたまま放置していると頭皮の状態を乱してしまいます。
湿気を含むこともあり、雑菌が汗や皮脂をエサにして増えやすくなるため、夏こそシャンプーを丁寧に扱ってください。
また、洗浄力の弱いシャンプーを使っていれば、汗や皮脂を洗い残してしまうリスクも高まります。
汗や皮脂が多くて、頭皮にべたつきを感じるようなら、アミノ酸系シャンプーの中でも洗浄力の比較的強めのものを選ぶと間違いありません。
プールや海
夏になると、プールや海に入る機会が増える人もいるのではないでしょうか?
どちらもアルカリ性が強いという特徴があり、髪の毛の負担が大きくなる傾向があります。
そもそも頭皮や髪の毛は弱酸性です。
プールや海に入って髪の毛がアルカリ性に傾くと、キューティクルが開いてしまいます。
湿気によってただでさえ悪栄養な環境なのに、アルカリ性に傾きやすいプールや海は、より入念なケアが必要です。
また、キューティクルが開くと、ヘアカラーなどの色素も流出しやすくなるため、色持ちが悪くなるかもしれません。
プールや海に入るのなら、その後にクエン酸などのアルカリ性を中和できる成分が入ったアイテムでケアしましょう。
特徴《3》エアコンの風が髪に当たっていて乾燥する
夏が暑いからといって外に出ないとしても注意が必要です。
特にエアコンがついた部屋で長時間い続けるような人は、髪の毛にパサつきを感じられる人も少なくないでしょう。
エアコンの冷房機能は、風を出しながら部屋の空気を涼しくしてくれます。
その風が髪の毛に直接当たってしまうと、それだけで髪の毛が乾燥しやすくなるので注意しましょう。
エアコンそのものが乾燥しやすい性質を持ち合わせているので、ただの風よりも髪の毛が乾燥しやすくなります。
髪の毛が乾燥すれば、ちょっとした摩擦でもキューティクルが剥がれやすくなり、より乾燥しやすくなるでしょう。
髪の毛のためを思ったら、エアコンの風が直接当たらない場所を見つけるようにしてください。
夏に起こる髪のトラブルに対してやってはいけない対策
夏は髪のトラブルが増える時期なので、間違えた対策をしないようにしましょう。
・髪の乾かし方に問題がある
・酸化していると気付かず古いヘアオイルを使う
・1日に2回以上シャンプーを使う
よくある間違えた対策をまとめてみました。
いつものケアと当てはまることをしていたと思った人は、意識して習慣を変えてみてください。
NG対策《1》髪の乾かし方に問題がある
髪の毛に湿気が残っていると、それだけで敏感な状態になってしまいます。
キューティクルが開いてダメージが深刻になりやすいので、できるだけ髪の乾かし方に注意しましょう。
髪の乾かし方と聞けば、誰でもドライヤーの使い方を意識するかと思います。
ところがその前のタオルの扱い方にも注意が必要です。
濡れている髪の毛は敏感な状態のため、ゴシゴシ擦ってタオルで湿気をふき取ることだけはやめてください。
やさしくタオルドライができるようになるだけでも、夏の髪のトラブルを回避しやすくなります。
髪をしっかりタオルでふき取ってからは、アウトバストリートメントを使って保湿をしてからドライヤーを使ってください。
その時に高温に設定してドライヤーを髪の近くで乾かすと、パサつきの原因になってしまいます。
15cmほど距離を離して、冷風も使いながら髪を乾かすと、乾燥しにくくて髪の毛の負担をおさえられるでしょう。
NG対策《2》酸化していると気付かず古いヘアオイルを使う
ヘアケアに意識が高い人なら、夏こそ髪を入念にケアができていると思います。
しかし、古いヘアオイルで髪をケアしている人は、そのヘアオイルは使わないほうがいいでしょう。
古いヘアオイルは酸化が始まっていて、髪の毛に付けると酸化によって逆に髪の毛がダメージを受けてしまいます。
特に酸化したヘアオイルを付けたまま紫外線に当たると、油焼けを起こしてパサつきやごわつきがひどくなるかもしれません。
また、買ってすぐのヘアオイルなら大丈夫と思っている人も要注意です。
太陽の光が当たる窓際にヘアオイルを置いていると、酸化が進行しやすくなり、古いヘアオイルと同じような状態になってしまいます。
油脂は光,なかでも特に紫外線)に よって酸化が促進 されるが,可視光領域においても450~550nmの光 によって特に劣化しやすいことが認められている2).
※引用:油脂の光酸化における加熱の影響とGL-AEフ ィルムの酸化防止効果|日本家政学会誌より
ヘアオイルを使う場合は、開封したらなるべく早く使いきるようにしましょう。
そして、紫外線が当たらない保存場所を見つけておくと、さらに夏の髪のトラブルを回避しやすくなります。
NG対策《3》1日に2回以上シャンプーを使う
夏になると、汗や皮脂で頭皮や髪がべたつくと感じる人は少なくないと思います。
だからといって、1日に2回以上シャンプーをしているのなら、そのやり方もトラブルを増やす原因となっているかもしれません。
余程の汚れがない限りは、シャンプーの頻度を1日に1回と決めておくようにしてください。
特に紫外線の影響を受けやすい夏こそ、1日に1回を守るようにしましょう。
また、シャンプーの選び方にも注意が必要です。
髪や頭皮にいいとされるアミノ酸シャンプーを使っている人こそ注意してください。
1日に1回だからといって、シャンプーをしても汗や皮脂が残った状態にならないようにしましょう。
2シャンといって1回分のシャンプー剤を2回分にわければ、頭皮に残った汗や皮脂をきれいに洗い流せます。
夏に悩む髪にちょうどいいヘアケアアイテム
夏こそ、ヘアケアアイテムの見直しをするのにピッタリのタイミングです。
・アウトバストリートメント
・紫外線スプレー
・シャンプー
この3つのアイテムを使うようにして、自分に合ったものを付けるようにしましょう。
夏にちょうどいい選び方をまとめてあります。
アイテム《1》アウトバストリートメント
アウトバストリートメントは、夏の髪のトラブル対策として優秀なアイテムのひとつです。
名前のとおり、お風呂から出た時に使うもので、洗い流さないトリートメントという名前を聞くとわかりやすいかと思います。
現在では、UVケア成分が含まれたアウトバストリートメントもあります。
外出する機会が多い人は、次の成分が含まれたアウトバストリートメントを見つけてみましょう。
また、紫外線から髪の毛の乾燥を守ってくれるので、補修成分が含まれているものを使うのもおすすめです。
ただし、アウトバストリートメントを付けすぎてしまうと、べたつきがひどくて髪に対してもよくありません。
適量を守って使うようにしましょう。
アイテム《2》紫外線スプレー
紫外線対策アイテムはたくさんありますが、その中でもスプレータイプのものを選ぶようにしましょう。
それは、気軽に髪の毛にサッと付けられるからです。
そして肌に付ける紫外線スプレーと同様に、SPFのPAの数値が高いものだと、髪の毛に関しても安心できます。
中には、アウトバストリートメントと同様に、髪のケア成分が含まれたものもあります。
髪のダメージが気になるのに外出しなければいけない時は、ヒアルロン酸やホホバオイルなどのヘアケア成分が配合された紫外線スプレーを使ってみてください。
アイテム《3》シャンプー
シャンプーに関しても、夏の髪に対するトラブルを予防する大事なアイテムのひとつです。
このように、正しくシャンプーを選べるようになると、メリットを感じるようになるでしょう。
ただし正しく選べるようになっておかないと、シャンプーの恩義を感じられません。
まず洗浄成分は、タウリン系洗浄成分がおすすめです。
ココイルメチルタウリンNaなどの、タウリンと書かれた洗浄成分が含まれているか確認しましょう。
アミノ酸系洗浄成分よりは少し洗浄力が強めですが、高級アルコール系シャンプーよりは弱めです。
程よい洗浄力で、頭皮に残った汗や皮脂をきれいに洗い流すために使います。
また、暑い時期こそスッキリした洗いあがりが好きだという人は、メントールが入ったシャンプーを選びましょう。
ただし敏感肌の人の中には、メントールが入っているだけで頭皮の状態が乱れるリスクもあるので、選ぶ時には確認しておいてください。
最後に汗や皮脂が酸化して、悪臭が出てしまう人は、カキタンニンなどの防臭効果のある成分が含まれたシャンプーを選ぶと安心です。
夏の髪トラブルにおすすめのアウトバストリートメント3選
夏に起こる髪のトラブルは、乾燥と紫外線がキーワードです。
それをカバーするためにアウトバストリートメントを使いましょう。
アウトバストリートメントは、お風呂に出た後に付けるケアアイテムです。
これらの成分が含まれているアウトバストリートメントを付けるだけで、夏に起こる髪トラブルをケアしやすくなります。
アウトバストリートメントは髪の毛に成分が残りやすく、扱いやすいものが多いので、髪をきれいに保ちたい人は試してみましょう。
ZACC ピュアオイル 80ml ¥3,300(税込)
ZACCのピュアオイルは、天然オイルばかりで作られたアウトバストリートメントです。
オリーブオイルなどの天然オイルは、紫外線対策としても使えるとも言われており、ZACCのピュアオイルを付けるだけでも夏の髪トラブル予防として役立つでしょう。
さらに、シリコンフリーなどの敏感肌にうれしい特徴も持ち合わせています。
紫外線などによって頭皮が敏感になっていても、問題なく使えるところもポイントですね。
無香料で誰が使っても使いやすいので、うまく活用していきましょう。
ラ・カスタ アロマエステ プロテクト&リペア ヘアクリーム 105g ¥2,420(税込)
ラ・カスタのヘアクリームは、クリームタイプというところがポイントです。
髪の毛に馴染みやすいため、外出中であっても気軽に髪の毛に付けられます。
さらに、チャ葉エキスやセージ葉エキスなどの天然成分が多く含まれているため、紫外線によって敏感になった肌についても安心です。
付けすぎるとべたつきが気になる人は、少量ずつ髪の毛に付け足していくと、程よく髪がしっとりできて満足感も得やすいでしょう。
ミルボン ディーセス エルジューダ サンプロテクト バーム 40g ¥3,080(税込)
ミルボンのディーセス エルジューダシリーズで、夏の紫外線トラブル予防のためにシリーズが出ました。
それが、サンプロテクトシリーズです。
その中でもバームタイプは、ミネラルオイルやミツロウなどが豊富で、髪を保湿しやすくなっています。
夏で乾燥しやすくなった髪でも、紫外線からのダメージをおさえながら保湿できておすすめです。
夏の髪トラブルにおすすめの紫外線スプレー4選
夏に起こる髪トラブルの多くは、紫外線による髪のダメージではないでしょうか?
ただ外に出るだけで髪にダメージを感じやすくなるので、多くの人は紫外線スプレーを付けるだけでも効果を実感しやすいでしょう。
ちなみに紫外線対策アイテムは、スプレー以外でも多くの種類のアイテムがあります。
その中でもスプレータイプをおすすめしている理由は、持ち運びがしやすくて、広範囲に髪の毛に付けられるからです。
べた付きも少ないので、髪を夏のトラブルから守りたい人は、これから紹介する紫外線スプレーを試してみてください。
ナプラ ミーファ フレグランスUVスプレー 80g ¥1,320(税込)
ナプラのミーファ フレグランスUVスプレーは、名前のとおり香りを楽しみながら紫外線対策ができるアイテムです。
特に好みの香りを選びやすくなっているところがポイント。
7つの香りが用意されているので、紫外線対策をしながら香りを楽しめるでしょう。
また一部の種類によりますが、花粉やPM2.5といった紫外線以外の対策もしやすくなっています。
夏以外にも使える紫外線スプレーなので、外出が多い人こそ試してみてください。
ミューノアージュ サンノットUVカットスプレー 50g ¥2,200(税込)
ミューノアージュ サンノットUVカットスプレー のポイントは、気軽に使えるところです。
細くてコンパクトなので、持ち運んでも苦になりません。
また、石鹸だけでも落ちやすく作られているので、不安なく使えますよ。
グリチルリチン酸2kも含まれているので、夏の紫外線で荒れた頭皮にも使えるでしょう。
コーセー サンカットR プロテクトUV スプレー 60g ¥768(税込)
サンカットR プロテクトUV スプレーは、コスパを求める人におすすめのアイテムです。
800円もしない価格で手に入るので、初めて髪のために紫外線スプレーを購入する人でも気軽に試せます。
もちろん紫外線スプレーの中身に関しても心配する必要はありません。
SPF50+でPA++++なのはもちろん、ベタ付きも感じにくく作られています。
エタノールが含まれているので、敏感肌の人は要注意ですが、肌に自信がある人はコスパのいいアイテムといえるでしょう。
ピアセラボ エデュール セントフェアリー 80g ¥1,320(税込)
ピアセラボのエデュール セントフェアリーは、上記の紫外線スプレーと違います。
それはメインがヘアフレグランスだということ。
紫外線対策のあるフレグランススプレーだと思っておきましょう。
甘いタイプの香りから、オリエンタル系の香りまで幅広く用意されています。
もちろん、紫外線吸収剤が入っているので、紫外線による髪のツヤ防止やヘアカラーの褐色を予防することは可能ですよ。
夏の髪トラブルにおすすめのシャンプー3選
夏に起こる髪のトラブルは、紫外線だけではありません。
暑い季節特有の汗や皮脂によるトラブルも起きやすいので、シャンプーの選び方にも注意しましょう。
汗や皮脂が頭皮に残りにくくするために、程よい洗浄力のタウリン系洗浄成分が入ったシャンプーがおすすめです。
さらに髪や頭皮が乾燥しやすい人は、保湿成分が多く含まれているので安心できるでしょう。
汗や皮脂で臭いがきつくなる人は、カキタンニンなどの臭い対策成分が含まれているものを試してみてください。
サンコール R-21 シャンプー 500ml ¥3,520(税込)
サンコール R-21 シャンプーは、タウリン系洗浄成分がメインとなっています。
程よく強い洗浄力のおかげで、汗や皮脂が多く出てしまう夏でもきれいに洗い流せて安心です。
紫外線によって頭皮が荒れている人でも、21種類の天然植物エキスによって頭皮の状態を整えてくれます。
頭皮だけでなく、毛先に関してもケア成分が豊富。
ヘマチンや加水分解ケラチンなどの補修成分が豊富で、パサつきをおさえられるでしょう。
Offbeat ruban スムースシャンプー 410ml ¥2,420(税込)
ruban スムースシャンプーは、セラミドがポイントです。
紫外線で髪や頭皮が乾燥していても、3種類のセラミドで保湿ができます。
グリチルリチン酸2kも入っているので、頭皮の炎症をおさえられるでしょう。
クエン酸も含まれており、プールや海のアルカリを中和しやすくし、ダメージを軽減できるところも魅力のひとつです。
まさに夏のトラブルをケアしやすいシャンプーなので、1つ持っておいて損はありません。
アリミノ ント スパークリングシャンプー クール 180g ¥2,750(税込)
アリミノミント スパークリングシャンプーは、名前のとおり炭酸シャンプーです。
頭皮の残った汗や皮脂を浮かせて、きれいに洗い流してくれます。
さらに、メントールが含まれているので、暑い夏でもスッキリ感があって使い心地がいいでしょう。
カキタンニンまで含まれているので、汗や皮脂の臭いが気になる人は試してみてください。
アルコールが含まれているので、頭皮が敏感な人は注意が必要ですが、それ以外の大半の人におすすめできるシャンプーです。
さいごに
夏というのは、髪や頭皮のトラブルが増える季節です。
海やプールなどの外出する機会が多くなり、紫外線やアルカリによるダメージなど、髪が乾燥しやすくなります。
だからこそ、今まで通り使っていたヘアケアアイテムを見直す良いキッカケです。
保湿成分が多く含まれたものや、紫外線対策が施されたアイテムを見つけてみましょう。
夏は服装がシンプルになりやすい季節だからこそ、髪をきれいにしておくと、第一印象もよく見えるようになりますよ。