「スカルプトリートメントと普通のトリートメントの違いは?」
「頭皮のフケやかゆみをなんとかしたい…」
「ハリのある髪に近づけたい」
と感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、スカルプトリートメントの効果や選び方について紹介します。
また、現役美容師が厳選したおすすめのスカルプトリートメントも最後にお伝えします。
この記事に登場する専門家
美容師 / ライター
メガネ
美容師免許取得後、美容室を勤務して8年。現在は親が経営する美容室で事務をやりつつ、Webの知識も併用してWebライターとして活躍中。 美容師勤務中の手荒れの経験から、体の内側から髪をきれいにする術を研究している。ヘアケアからヘルスケアなどの、幅広い知識で記事を執筆中。 「薄毛に特化したヘッドスパ」が得意で、美容師時代もお客様から指名をよく受けていた。
スカルプトリートメントとは?
スカルプトリートメントは、一般的なトリートメントと大きな違いがあります。
それは名前のとおり、頭皮のために使うトリートメントであるという点です。
頭皮用というだけあり、肌に付けても問題ない成分が配合されています。
髪用のトリートメントの場合は、シリコンなどのコーティング剤が入っています。
そのため、即効性があり、保湿されたのをすぐに実感できるでしょう。
しかし頭皮にトリートメントをつけてコーティングをしてしまうと、毛穴に詰まってしまい様々なデメリットが発生してしまいます。
そのため、頭皮用と髪用が分かれて販売されています。
それ以外の部分については一般的なトリートメントの特徴と違いはありません。
保湿力が高く、乾燥している頭皮を保湿することでフケなども抑えられます。
また、スカルプトリートメントによっては、炎症を抑える成分が配合されており、頭皮環境を整えるのに特化しているのもポイントです。
スカルプトリートメントをおすすめできる方の特徴
スカルプトリートメントは、頭皮のためのトリートメントです。
しかし、その必要性についてイメージがわかない方も多いと思います。
そこで、スカルプトリートメントと相性がいい人の特徴についてまとめてみました。
1.フケが出る
まずフケが出て困っているという時には、スカルプトリートメントの出番です。
スカルプトリートメントは、保湿が得意分野です。
最も効果が実感できるので、フケで困っているのであれば試してみましょう。
フケというのは、頭皮が極端に乾燥している状態で発生します。
頭皮も肌と同様にターンオーバーが起こるのですが、その角質が細かくなって落ちてくるのがフケです。
スカルプトリートメントでしっかりと地肌を保湿することでフケが出なくなります。
出典リンク:ふけ・頭のかゆみの症状・原因|くすりと健康の情報局
2.頭皮に炎症がある
上記のフケは細かい粉のような形状ですが、大きなフケが出た場合は、原因が少し違うので注意しましょう。
特にかゆみを感じる場合は、脂漏性皮膚炎の可能性もあります。
脂漏性皮膚炎はありふれた病気で、皮脂腺の働きが活発化する思春期以降に発症します。頭、顔、耳、腋の下、胸や背中の正中部などの、皮脂腺が多く存在する脂漏部位に湿疹が生じ、通常痒みを伴います。
出典リンク:埼玉県皮膚科医会より
炎症が起こっているフケなので、抗炎症効果のあるスカルプトリートメントの方がおすすめです。
フケの状態をよく見て、スカルプトリートメントを使い分けてみましょう。
3.髪の毛のボリュームが気になる
頭頂部がペタンコになりがちで、髪の毛のハリ・コシが気になる人もスカルプトリートメントを使いましょう。
髪の毛のハリがない原因は様々ですが、頭皮の血流があまりよくないのも原因の1つです。
そこで、血流がよくなる成分が入ったスカルプトリートメントを試しに使ってみてください。
頭皮に直接付けられるので、頭皮マッサージも気軽にできます。
髪や頭皮の摩擦も最小限に抑えられるので、一石二鳥の効果が実感できるでしょう。
スカルプトリートメントの効果
頭皮の状態を整えるに特化しているのが、スカルプトリートメントの特徴です。
さらに具体的にいうと、以下の3つの効果が実感できるように作られています。
これらを見て興味があるのなら、スカルプトリートメントを試す価値があるでしょう。
1.保湿しやすい
スカルプトリートメントは名前のとおり、保湿力が強みです。
ただの保湿するだけと思うかもしれませんが、保湿は頭皮の状態を整えるのに非常に重要なポイントです。
・刺激から守ってくれる
・頭皮を柔らかくさせる
・かゆみを抑えられる など
このようにたくさんのメリットがあります。
頭皮用の保湿アイテムは、あまり種類が多くないためスカルプトリートメントは重宝できるアイテムです。
また、液体ではなくクリーム状になっているため、付けやすいという点もおすすめポイントです。
2.頭皮からの臭いを予防できる
スカルプトリートメントは、保湿だけでなく、臭い防止のために使えるのもメリットです。
臭いが出やすくなる状態は様々ですが、スカルプトリートメントの選び方ひとつで、どのタイプの臭いにも対応できるでしょう。
・皮脂を抑えるタイプ
・炎症を抑えるタイプ
・フレグランスタイプ など
皮脂をコントロールしやすいのが、スカルプトリートメントのポイントです。
乾燥しすぎると皮脂が多く出て、臭いの原因にもなります。
スカルプトリートメントだと、保湿によって皮脂の過剰分泌も抑えられるでしょう。
抗炎症効果が高い成分が配合されていると、雑菌によって出る臭いも対応可能です。
そもそもスカルプトリートメントの香りそのもので、臭い予防も期待できるでしょう。
3.血行促進も期待できる
スカルプトリートメントを付けた状態だと、摩擦が起きにくくなります。
これを利用して、頭皮マッサージ用として使うのもおすすめです。
そもそも頭皮マッサージは、血行促進効果が期待できるので、薄毛対策としても活用できるでしょう。
頭皮あるいは前腕に対して、マッサージ基本手技で刺激し、血流量の変化を計測比較した。その結果、頭皮に対しては、圧迫法が有効な血行促進方法であることが明らかになった。揉捏法や強擦法を織り交ぜて地肌マッサージ方法を考案し、血行促進作用と地肌の柔軟化作用」を確認した。
出典リンク:地肌マッサージの頭皮への作用より
もちろん血行促進効果が期待できる成分が入っているのなら、付けるだけでもスカルプケアとしての役割も担えます。
美容師だけが知っているスカルプトリートメントの選び方
スカルプトリートメントといっても、現在はたくさんの種類があります。
お悩みによって選び方が違うので、ご自身に合ったスカルプトリートメントの選び方について確認してみましょう。
1.ふんわりさせたい人はノンシリコンタイプ
スカルプトリートメントには、配合されている成分の中に、シリコンが含まれていることがあります。
あまり頭皮にシリコンはよくないと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、全てのシリコンが、頭皮によくないというわけないのであまり敏感になる必要はありません。
しかし、シリコン入りのスカルプトリートメントを使うと、根元からシリコンが吸着して、頭頂部が潰れてしまいます。
特に髪が細い人や少ない人の場合は、避けた方が良いでしょう。
その場合はノンシリコンのスカルプトリートメントを選んだほうが無難です。
シリコンが入っていなくても、保湿力は他の成分で補えているので、問題なくスカルプトリートメントの効果を実感できるでしょう。
2.敏感肌の方は植物性のオイル成分が多いタイプだと安心
化学物質に弱い敏感肌でスカルプトリートメントに興味のある方もいらっしゃると思います。
そんな人ほど、植物オイルがたくさん入ったスカルプトリートメントを選びましょう。
植物オイルは保湿力が高いだけでなく、抗炎症作用や香りによるリラックス効果が期待できます。
使い方次第で、様々な効果が実感できるでしょう。
スカルプトリートメントを使うなら、植物オイル成分がたくさん入っているかどうか、成分表を見て確認してみてください。
出典リンク:アロマセラピ ーによる医療
スカルプトリートメントは頭皮につけて大丈夫?
スカルプトリートメントは、頭皮に付けていいとはいえ、トリートメントを頭皮に付けていいものか不安になる人も多いでしょう。
しかし、結論から言ってしまうと、スカルプトリートメント用に作ったものであれば全く問題はありません。
しかし髪用のトリートメントをスカルプトリートメントと思い込んで使っていた場合は、逆に危険です。
髪用のトリートメントはしっかりと保湿ができるように、シリコンなどの吸着力の強いものが使われている場合もあります。
それを頭皮に付けてしまうと、毛穴を詰まらせてしまうかもしれません。
頭皮を保湿したいからといって、髪用を頭皮に使用するのは避けるようにしましょう。
頭皮に付けていいトリートメントとの見分け方
最も見分けるのが簡単なのが、パッケージを確認するという方法です。
・頭皮用
・スカルプ
・マッサージ など
このように頭皮に付けて問題ない表現が明記されているトリートメントであれば問題なく使えるでしょう。
しかし上記のような表現が見当たらない場合は、髪用だと思ってください。
頭皮用のスカルプトリートメントは、まだまだ一般的ではないからです。
「トリートメント」としか書かれていないパッケージは、ほぼ髪用なので、頭皮に付けずに髪だけに付けるようにしましょう。
また、成分表を見ることも重要です。
成分表の最初のほうに、「ジメチコン」などのシリコンが書かれている場合、頭皮にたくさんのコーティング剤が残ります。
髪なら問題ありませんが、頭皮にたくさんのシリコンが付くと、毛穴の詰まりになる可能性もゼロではないでしょう。
そのような配合をしている場合は、基本的に髪用と考えましょう。
そのようなトリートメントだった場合は、頭皮に使わず、髪に付けるようにしましょう。
スカルプトリートメントに関する注意点
頭皮用や髪用など、選び方について紹介してきましたが、選び方に関しても注意したほうがいいでしょう。
・敏感肌
・乾燥肌
・脂性肌 など
一般的にこのような頭皮の状態に分けられますが、それぞれに適した成分があります。
例えば頭皮が乾燥している人は、保湿力が高いスカルプトリートメントを選ぶのが一般的です。
一方で、乾燥肌用を脂性肌の人が使うと、頭皮がべた付く可能性もあります。
仕上がりも満足できないかもしれないので、ご自身の肌のタイプに合ったものを使いましょう。
またスカルプトリートメントの中には、使用感をサッパリさせるために、メントールやエタノールなどの刺激物を配合させたものもあります。
敏感肌の人だと、炎症になる可能性もあります。
これも成分表を確認して使いましょう。
美容師が選んだ!スカルプトリートメントおすすめ10選
※このランキングは美容師(毛髪診断士、ORGANIQUE MAGAZINE編集部員)個人の主観に基づいて作成されています。
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スカルプトリートメントは、頭皮に直接付けるケアアイテムですが、ご自身に合ったものを選ばないと逆効果になる可能性もあります。
そこで使い心地がいいものを厳選してみました。
特に頭皮や髪のタイプごとに選び方があるので、それも参考にしてみてください。
1.ボタニスト ボタニカルトリートメントスカルプクレンズ 490g ¥1,540(税込)
ボタニストはシャンプーから人気が出たブランドだけに、その知名度からも人気の高いスカルプトリートメントのひとつです。
もちろん成分を見るだけでも、かなり質が高いのがわかります。
グリチルリチン酸2Kが入っており、頭皮の炎症を抑えられるでしょう。
さらにボタニストらしく、植物性の成分がたっぷりで敏感肌の人で安心です。
価格も抑えられていて、日常遣いしやすいスカルプトリートメントでしょう。
幅広い人が使えるようになっているので、スカルプトリートメントを使いたいけど、どれを使えばいいのかわからない人はまずはこの商品を試してみてください。
2.ナンバースリー ミュリアム 薬用スカルプトリートメントR 200g ¥3,300(税込)
髪が乾燥してかゆみが出ている人には、ミュリアムの薬用スカルプトリートメントRがおすすめです。
グリチルリチン酸2Kが、比較的多めに入っていて炎症を抑えることができます。
炎症を抑えてくれる上に、サラサラに仕上げることができます。
髪が細くて悩んでいる人はふんわりとした仕上がりになります。
もちろん植物性のオイル成分も多く、敏感肌の女性でも安心です。
質の高いスカルプトリートメントなので、保湿をしたい人は試す価値があるでしょう。
3.資生堂 フェンテフォルテトリートメント(デリケートスカルプ)250g ¥2,750(税込)
フェンテフォルテトリートメントは、これ単品でも髪がまとまりやすくなっています。
シリコンが配合されていますが、頭皮用というだけあり、この製品では特に毛穴が詰まるという心配は不要です。
オウゴンエキスなどの植物性の成分で、炎症を抑えられるのも大きいでしょう。
パワーとしてもほんのり保湿できる程度でちょうどよく、日常使いとして使ってみてください。
刺激物も入っていないので、万人受けするタイプのスカルプトリートメントです。
4.資生堂 アデノバイタル スカルプトリートメント 130g ¥2,530(税込)
資生堂のアデノバイタルは、名前のとおり育毛効果が期待できるアデノシンが入っているブランドです。
もちろんこのスカルプトリートメントも、アデノシンが入っています。
付けるだけで髪の毛が生えやすい環境を整えることができます。
その割に価格が抑えられており、髪と頭皮の保湿に優れたスカルプトリートメントです。
コスパもいいですが、髪用としては保湿力が少し物足りないかもしれません。
髪を軽くてふんわり仕上げたいのなら、コスパがいいスカルプトリートメントといえるでしょう。
5.アンファー スカルプDボーテ ナチュラスター スカルプトリートメントパック 350g ¥1,986(税込)
スカルプDボーテは、アンファーの中でも女性の作られたブランドです。
そのためこちらのスカルプトリートメントも、女性が使っても違和感がない作りになっています。
天然成分で作られており、敏感肌の女性でも安心して使うことができます。
しかし、カチオン界面活性剤が入っており、長い間頭皮に付けたままにするのは避けましょう。
幅広い方にお使いいただける質が高いスカルプトリートメントです。
6.DHC MEN スカルプケア トリートメント 200g ¥1,210(税込)
スカルプトリートメントの中では、コスパを求めるのならDHCのスカルプトリートメントがおすすめです。
値段と質を考えると全体としてバランスの良い製品です。
カプリロイルグリシンという成分によって、炎症を抑えられるのが1番の特徴です。
シリコンが入っていますが、重くなりすぎず、男性用ということもあり、髪としては軽く仕上がるように作られています。
メントールなどが入っているのでスッキリ感がありますが、敏感肌の人には要注意です。
7.ナプラ ナピュール スキャルプトリートメント 250g ¥3,080(税込)
ナプラのナピュール スキャルプトリートメントは、植物由来の成分がたくさん使われているのが特徴です。
シリコンはもちろん使われていません。
その代わりに植物オイルを配合して、頭皮を保湿してくれます。
しかし、あくまで頭皮用のトリートメントです。
センブリエキスなどで血行がよくなりますが、髪用としては少し保湿力が足りません。
サラッと髪を軽く仕上げたい人には、ちょうどいいスカルプトリートメントです。
8.ケラスターゼ マスク クロノロジストR 200ml ¥12,100(税込)
スカルプトリートメントの中でも、かなり高級路線で販売されているのが、ケラスターゼのマスク クロノロジストRです。
価格が高いだけに短期間で髪の毛も保湿されたと感じやすく、評判も良い商品です。
どちらかというと、髪の毛が柔らくなったという声も多く、剛毛の人向けのスカルプトリートメントです。
付けた時に香水の香りがほんのりして、リラックスしやすいでしょう。
コスパよりもクオリティーを重視して髪も頭皮も保湿したいのなら、選んでおいて損のないアイテムのひとつです。
9.ルベル ジオ スキャルプトリートメント 240ml ¥1,980(税込)
ルベルのジオシリーズは、男性向けに作られたブランドです。
成分を見てみると、血行促進効果が期待できる黒ショウガエキスなどが入っています。
そこで、薄毛で悩んでいる方におすすめです。
もちろん保湿成分も入っているので、頭皮が乾燥している人も効果を実感しやすいはずです。
男性用というだけあり、頭皮を整えるのに特化しているようです。
髪の毛はサラサラに仕上がりますが、保湿力はそこまで高くはありません。
ショートヘア向けのスカルプトリートメントとして試してみてください。
10.デミ フローディア スキャルプトリートメント 400g ¥6,930(税込)
デミのフローディアは、たくさんの種類がありますが、その中でも頭皮に着目しているのがスキャルプシリーズです。
頭皮が乾燥気味な人だけでなく、炎症を起こしている人にも役立ちます。
有効成分であるグリチルリチン酸ジカリウムで、炎症を抑えることができます。
髪の仕上がりとしてはしっとりというよりもサラサラとした軽い仕上がりになります。
細毛などでボリュームが欲しい方におすすめです。
さいごに
この記事ではスカルプトリートメントの効果や選び方についてお伝えしました。
また、最後におすすめのスカルプトリートメントもご紹介しました。
まだ、あまり一般的ではないスカルプトリートメントですが、フケや頭皮の炎症にお悩みの方はぜひ一度試してみてください。
参考文献
出典リンク:ふけ・頭のかゆみの症状・原因|くすりと健康の情報局
出典リンク:埼玉県皮膚科医会より
出典リンク:地肌マッサージの頭皮への作用より
出典リンク:アロマセラピ ーによる医療