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シャンプーの保湿成分を徹底解説:髪や頭皮の保湿成分が含まれたシャンプー38選

シャンプーの保湿成分を徹底解説:髪や頭皮の保湿成分が含まれたシャンプー38選

はじめに

皆さんは頭皮のかゆみやフケに悩まされたことはあるでしょうか。

近年は清潔意識の向上により一昔前よりもシャンプーを行う回数が多くなりました。

それに伴い、毛髪や頭皮から水分が必要以上に奪われて乾燥し、頭皮のかゆみやフケといったトラブルにつながるといった事例も増えています。

その上、女性の頭皮は皮脂が少ないからか男性の頭皮よりも乾燥しやすく、女性の頭頂部の頭皮の水分量はおでこの肌の水分量の三分の一になっていた、という報告もあります。

今回は、そんな乾燥から頭皮や毛髪を守ってくれる保湿成分について説明していきます。

一口に「保湿成分」といっても、ヒアルロン酸やグリセリン、コラーゲンなど、様々な成分が存在します。

本記事では、成分例とともに実際に販売されている商品の名前もご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

保湿のしくみ

実際に成分の紹介を始める前に、保湿のしくみについて解説します。

 

皮膚のしくみ

皮膚は外側から「表皮」「真皮」「皮下組織」という区分に分けられます。

その中でも最も外側を覆う「表皮」について、

  • 表皮の表面の「皮脂」
  • 表皮に備わっている「バリア機能」という機能

の二つが非常に重要です。

皮脂は文字通り「あぶら」なので、水分をはじくことで頭皮などの皮膚からの蒸発を防いでくれます。

一方バリア機能は

  • 皮膚からの過度な水分の蒸発を防ぐ(保湿バリア)
  • 微生物や細菌などの外敵の侵入を防ぐ(抗菌バリア)
  • 化学物質などの異物を認識し排除する(免疫バリア)

といった重要な役割を一手に担う優れモノで、皮膚の健康を守るのに大変重要な役割を果たしています。

このバリア機能の中でも、今回の主役「保湿バリア」について解説します。

 

保湿バリアのしくみ

保湿バリアを構成する物質は主に三つあり、

  1. 天然保湿因子
  2. 細胞間脂質
  3. コーニファイドエンベロープ

が挙げられ、まるでレンガ造りの壁のような構造を作ります。

具体的には、天然保湿因子がレンガの中身をつくり、それをコーニファイドエンベロープが包んでレンガを形作り、細胞間脂質がそれらをセメントのように繋ぎ合わせることで保湿バリアを形成するのです。

一つ一つの構成物質について、順に解説します。

天然保湿因子

天然保湿因子はレンガの「中身」にあたるものです。

肌に元々存在する保湿成分の総称で自然保湿因子とも呼ばれ、保水をしてくれます。

代表的なものには

  • アミノ酸類
  • 尿素
  • ミネラル類

といったものがあります。

アミノ酸類と、アミノ酸類が皮膚の中で代謝されることで生まれる物質たちが天然保湿因子の大半を占めますので、アミノ酸類を補充することが保湿にとって重要と言えます。

皮膚には天然保湿因子のほかにも

  • ヒアルロン酸
  • グリセリン
  • コラーゲン

といった水分を蓄えてくれる成分が存在しています。

 

コーニファイドエンベロープ

コーニファイドエンベロープとは、表皮の細胞を包むたんぱく質の膜のことで、レンガの外殻にあたります。

表皮の細胞には天然保湿因子が含まれているので、それを覆って保持・保護する役割を果たします。

コーニファイドエンベロープは皮膚のターンオーバーの中で生成されては垢になって剥がれ落ちることを繰り返すため、皮膚のターンオーバーを良好に保つことはコーニファイドエンベロープを良い状態に保つことに直結します

 

細胞間脂質

文字通り細胞と細胞の間を埋める脂質のことで、レンガ同士を繋げるセメントの役割を果たします。

代表的なものでは「セラミド」や「コラーゲン」という物質が知られています。

細胞同士を繋ぎとめるだけでなく、先程の皮脂と同じく文字通り「あぶら」で水をはじくため、水分の蒸発を抑えてくれます。

優れた保湿バリアを保つためにはこの細胞間脂質の中で

  • セラミド
  • コレステロール
  • 脂肪酸

の三つの物質たちがバランスよく存在することが大変重要とされています。

 

どうやって保湿するのか

さて、ここまで皮膚や保湿バリアのしくみについて書いてきましたが、まとめると保湿の方法は主に三つあり、

  1. 皮脂を補充する
  2. 保湿成分を補充する
  3. 保湿バリアの形成や、皮膚のターンオーバーを促す

といった方法をとります。

後で紹介する様々な成分はこれらの用途に合った成分たちになります。

各々の成分について都度説明しますので、是非最後までご覧ください。

 

毛髪の保湿

さて、ここまで皮膚の保湿について書いてきましたが、毛髪の保湿の仕組みについても軽く触れておきます。

毛髪の保湿をしてくれるのは主に「シリコン」や「油脂」といった成分たちで、これらが毛髪の表面を整えたり、毛髪内部まで浸透することで保湿され、ツヤや滑らかさが保たれます。

毛髪のコンディショニングについて詳しくは シリコンとノンシリコンシャンプーの違い-髪にツヤをだすコンディショニング成分とは? をご覧ください。

 

保湿成分が配合されているシャンプー・トリートメント38選

それでは、保湿のしくみと照らし合わせながら、それぞれの保湿成分とそれを実際に配合しているシャンプー・トリートメントの例をセットで紹介していきます。

実際に商品を選ぶときの参考になると思いますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

皮脂を補充するスクワラン

皮脂を補充する成分はスクワランやワセリンなどがありますが、シャンプー用品に配合されるのはスクワランです。

スクワランは皮膚によくなじみ、浸透しやすいうえに安定な物質なので、シャンプー以外にも様々な化粧品に配合されています。

主な商品例としては以下のようなものがあります。

 

保湿成分を補充するアミノ酸類

アミノ酸類は最も重要な天然保湿因子です。

実際にアミノ酸を配合した液を皮膚に塗って30分後の皮膚の水分量を調べると塗ったところがそうでないところに比べて10%多く水分を持っていたという報告もあり、そとから水分を補充してあげることが重要です。

ただ、一般に「アミノ酸シャンプー」として売られているシャンプーは、このようなアミノ酸を配合している商品、というわけではなく、アミノ酸を基にして作られた界面活性剤(洗浄成分)を使用している商品とであることが多いです。

ですから、商品の裏面や通販サイトの概要欄などにハッキリと「アミノ酸を配合」と書かれているものがポイントです。

アミノ酸は基本的なものだけでも20種類存在し、すべてを紹介することはできないのでここでは一例を、配合されている商品とともに紹介しておきます。

 

ヒアルロン酸

ヒアルロン酸も重要な保湿成分の一つです。

ヒアルロン酸はもともと皮膚に備わってはいるのですが、年齢とともにどうしても減少してしまうため、外から補充してあげることは大変重要と言えます

ヒアルロン酸は実際には「ヒアルロン酸Na」「加水分解ヒアルロン酸」などの形で配合されています。

成分名と商品例としては以下のようなものがあります。

 

グリセリン

グリセリンもヒアルロン酸と並ぶ重要な保湿成分で、幅広くシャンプーやトリートメントなどに配合されています。

商品例としては以下のようなものがありますが、これ以外にも様々な商品に配合されています。

 

植物エキス

植物から絞ったエキスも頭皮や毛髪の保湿性高めてくれます

化粧品に配合される植物エキスの多くは、安全性と効果の兼ね合いを考慮し濃度が1%以下という微量のみ配合されています。

この植物エキスも様々存在し、全て紹介することはできないので主なものを商品例とともに紹介します。

 

この他に保湿効果のある主な植物エキスとしては

  • コメヌカエキス
  • ハトムギ種子エキス
  • キイチゴ、リンゴ、レモンなどの果実エキス

などがあります。

 

保湿バリアの形成やターンオーバーを促すコラーゲン

コラーゲンは保湿バリアの形成やターンオーバーを促してくれる物質で、皮膚の表皮や真皮に存在して皮膚の細胞の代謝、増殖、分化、移動などのさまざまな活動に影響を与えるとされています。

一昔前は牛由来のコラーゲンが主流でしたが、現在はほとんどが植物由来のコラーゲンが配合されていて、シャンプー用品以外にも幅広く化粧品に配合されています。

コラーゲンは「コラーゲン」「水溶性コラーゲン」「加水分解コラーゲン」などの形で配合されていて、商品例としては以下のようなものがあります。

 

セラミド

セラミドは先述のように、皮膚において「細胞間脂質」としてバリア機能の形成に重要な役割を果たしている物質です。

コラーゲン同様、セラミドも一昔前は牛由来のものが主流でしたが、現在はほとんどが植物由来のものが配合されています。

セラミドを配合している商品としては以下のようなものがあり、実際には「セラミド1

」「セラミド2」といった名前のセラミドが配合されています。

一般にドラッグストア等で広く販売されているシャンプー類にはあまり配合されていないようです。

 

実際の選び方

それでは上記の例を参考に、実際に商品を選んでみましょう。

 

成分の確認のしかた

ほとんどのシャンプー類は法律上「化粧品」と分類されており、化粧品に使われている成分は必ずすべてを商品に記載し、その記載順は配合量の順にせねばならないことが「薬事法」という法律で定められています。

そのため、ドラッグストアなどの店頭で商品を手に取ると、必ず商品の裏側に成分名が配合量順に列挙されています。

Amazonや楽天をはじめとするオンラインショップにおいても、ほとんどの場合成分が概要欄に記載されていますが、オンラインショップにおける記載は義務化されていないため、記載がない場合もあります。

心配な場合は製造メーカーのホームページで確認するか、直接問い合わせると良いでしょう。

 

複数記載がある場合がほとんど

市販の商品は、

  • 「ヒアルロン酸Na」と「コメヌカエキス」
  • 「スクワラン」と「水溶性コラーゲン」

など、上で紹介した保湿成分たちを複数使用しているものがほとんどです。

いくつも成分の名前が記載されていると迷ってしまうかもしれませんが、先述のように配合成分の記載順はそれらの配合量の順になっているため、上のほうに記載されている成分の種類を主な参考に商品を選ぶと良いでしょう。

また、先述のように植物エキス類はごく微量しか配合されていないことがほとんどですので、成分欄を上から読んでいって植物エキスの名前が出てきたら、それ以降の成分はごく微量しか配合されていないということがわかります。

ですから、注目すべきは植物エキス類よりも先に書かれている成分たちの名前ということになります。

 

まとめ

以上でシャンプー類に含まれている保湿成分についての説明は終わりになります。

一口に保湿成分といっても用途によって様々な成分が存在し、

  1. 皮脂を補充する
  2. 保湿成分を補充する
  3. 保湿バリアの形成や、皮膚のターンオーバーを促す

この三つが大切になります。

女性の肌は皮脂が少なく、男性の肌より乾燥しやすいです。

フケやかゆみに悩まされたときはぜひ本記事を参考に商品を選んでみて下さいね。

 

参考文献

化粧品・医薬部外品等ホームページ : 厚生労働省

皮膚バリア機能とその制御 : 北島康夫, 2007, 国立研究開発法人科学技術振興機構 より

セラミドとその代謝産物の皮膚における役割 : 公益社団法人日本生化学会, 2017

化粧品用語集 | ライブラリー : 日本化粧品技術者会アミノ酸補給による肌の保湿力向上に新知見 – 味の素株式会社広報部, 2005

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