美容師 / webライター
メガネ
美容師免許取得後、美容室を勤務して8年。現在は親が経営する美容室で事務をやりつつ、Webの知識も併用してWebライターとして活躍中。 美容師勤務中の手荒れの経験から、体の内側から髪をきれいにする術を研究している。ヘアケアからヘルスケアなどの、幅広い知識で記事を執筆中。 「薄毛に特化したヘッドスパ」が得意で、美容師時代もお客様から指名をよく受けていた。
ブリーチとは?
ブリーチは、おしゃれを楽しむ上で欠かせない存在です。
しかし、髪にブリーチを使うと大きな落とし穴があります。
それは髪の毛のダメージがひどくなってしまうことです。
髪の毛内部にある色素を抜いて、髪の毛を明るくするために使うのがブリーチの役割になります。
抜け感を出すためによく使われるブリーチですが、しっかりケアをしてあげないと、髪にブリーチを使ってもおしゃれな髪型にはなりません。
おしゃれな髪型にするためにブリーチを使いたい人は、よりブリーチについて知っておきましょう。
髪にブリーチをしたがる人が多い理由
おしゃれな髪型にしたい人の中には、髪にブリーチを活用している人がいます。
それは、ブリーチが髪の毛内部にある色素を抜き取って、髪の毛の色を明るくできるからです。
ただ髪を明るくするだけなら、ブリーチを使わなくても、一般的なヘアカラー剤でもできるでしょう。
しかし髪にブリーチを使うと、金髪のような明るさに染めることができます。
さらにその中に新たなヘアカラー剤を使って色素を入れると、発色のいい髪色に仕上がります。
一般的にはダブルカラーといいますが、選べる髪色のバリエーションが広がるため、ブリーチをしたがる人が多くいるわけです。
ブリーチすると髪が傷む理由
ブリーチを使えば、誰でも髪の毛を明るくすることはできますが、その代わりに髪のダメージが深刻になります。
これには、髪の毛内部にあるメラニンを抜き取ってしまう仕組みが、特に関係しているので注意しましょう。
まずブリーチ剤そのものが、強いアルカリ性という特性を持っているところがポイントです。
もともと髪の毛は肌と同じ弱酸性ですが、アルカリ性に傾かせることで、キューティクルが開きます。
ただ開くだけならいいのですが、アルカリが髪の毛に残留してしまわないようにしましょう。
アルカリが髪の毛についているだけで、キューティクルが開いたままになってしまうからです。
ブリーチ剤の主要な成分は、過酸化水素とアンモニア(アルカリ性物質)です。
アンモニアは、毛髪表面のキューティクルに作用し、毛髪を膨潤・軟化させます。
この膨潤・軟化した毛髪の内部に過酸化水素が浸透し、過酸化水素がメラニンと化学反応します。
すなわち、過酸化水素は、毛髪の中で活性酸素を発生させます。
この活性酸素がメラニンに付加し、メラニンの化学構造を変化させ、黒いユウメラニンの色をフェオメラニンのような色に変えています。
※引用:山野美容芸術短期大学より
さらに、髪内部の色素を減らすために、活性酸素を発生させるところにも注意しましょう。
活性酸素は髪に大きな負担をかけるので、ブリーチ後は仕上がりがパサパサになってしまうことも少なくありません。
・アルカリに傾くこと
・活性酸素で髪がパサパサ
髪の毛だけでなく、どちらも頭皮に対してもよくありません。
ブリーチで髪を明るくさせた後は、髪の毛も頭皮もケアを怠らないようにしましょう。
髪にブリーチを使うメリットとデメリット
ブリーチはおしゃれな髪型を作るうえで、大事なアイテムのひとつです。
しかし魅力的な効果がある反面、デメリットもあることは覚えておきましょう。
このデメリットを知ってしまったら、しっかりケアしてデメリットを抑える努力をしたほうがいいと思うようになります。
メリット
ブリーチを髪の毛に使うメリットは、とにかくおしゃれな髪型に仕上がることです。
選べる髪色のバリエーションが増えるので、おしゃれが楽しくなるでしょう。
・ハイトーンカラーに染めたい
・発色のいい髪色に染めたい
・デザインカラーに興味がある
トレンドを取り入れた髪色に挑戦したい人は、ブリーチに挑戦してみる価値はあります。
特に発色のいい髪色に染めたいと考えている人には、ブリーチを使わないと満足できなくなるでしょう。
デメリット
ただし、ブリーチを使っておしゃれな髪色に染めるためには、いくつかのデメリットを抑える対策が必要になります。
特に髪の毛のダメージが深刻になるので、日ごろのケアは怠らないようにしましょう。
髪の毛にダメージが蓄積されると、せっかく髪を染めたのに、色落ちが激しくなってしまいます。
色落ちも含めてブリーチを使うのは問題ありませんが、それを知らずに挑戦した人は落胆してしまうかもしれません。
ブリーチを使ったダブルカラーの色落ちを抑えるためには、シャンプーなどのケアアイテムの見直しが必要です。
また、髪の毛だけでなく、頭皮のダメージも深刻になるのがブリーチを使ったヘアカラーの特徴となります。
シャンプーの見直しが必須だと何度も紹介しているのは、この頭皮の問題も考えてのことです。
髪にブリーチをする時のおすすめの髪色と注意点
髪にブリーチを使う時には、希望する髪色をしっかり決めて使うことが大事になります。
それはブリーチを使う回数を簡単に決められるからです。
明るい髪色に染めたい人や、できるだけ発色のいい髪色にしたい時は、回数を増やす必要があります。
それに対して、程よく自然に明るく染めたいのなら、ブリーチの回数を極力減らしても問題ありません。
髪や頭皮のダメージを考えれば、ブリーチの回数を減らしましょう。
・髪にブリーチを使う回数が1回:暖色系の髪色におすすめ
・髪にブリーチを使う回数が2回以上:寒色系の髪色におすすめ
髪色の好みによって、ブリーチの回数を制限できます。
もちろん担当美容師の技術力も関係しているので、髪にブリーチを使う時は美容師探しにも力を入れましょう。
寒色系と暖色系カラーの違い
上記では、暖色系と寒色系の髪色について紹介しました。
希望の髪色を決める上で大事なポイントとなるので、それぞれの特徴を知っておきましょう。
・暖色系:赤みが強い髪色のこと
・寒色系:青みが強い髪色のこと
もともと日本人の髪色は赤みが入っており、髪にブリーチを使う時にはこれが重要なポイントとなります。
ブリーチは髪の毛内部の色素を抜くために使うのですが、1回だけだと髪内部の色素は残ってしまうでしょう。
しかし、赤みが残ると暖色系の髪色に仕上げやすくなるといったメリットもあります。
つまりブラウン系のような自然に近い仕上がりになるので、髪を自然に明るくしたい人にはおすすめです。
それに対して寒色系は、赤みとは正反対の色味をしています。
髪内部の意識をしっかり抜かないと、寒色系には仕上がりません。
そのため、ブリーチの回数を多くしないといけないわけです。
髪のダメージを抑えるブリーチの活用方法
髪にブリーチを使う回数を増やせば増やすほど、寒色系の抜け感が出しやすい髪色となるでしょう。
その代わりに髪のダメージが深刻となり、同時に色持ちも悪くなってしまいます。
この色持ちやダメージが気になる人は、ブリーチを使う部分を限定的にしてみてください。
・インナーカラー
・ハイライト
・グラデーション
このように、ブリーチを使う部分を減らすと、全体的にダメージを抑えることができます。
印象が大きく変わるので、ブリーチを使った経験がない人にも安心の方法です。
ブリーチをした髪におすすめのシャンプーのケア成分
髪にブリーチを使うと、どうしてもダメージが深刻になります。
ダメージが深刻になれば、色持ちだけでなく、髪が広がって印象も悪くなってしまうでしょう。
せっかくおしゃれな髪色に染めても、印象が悪くなったら台無しです。
そこで、できるだけダメージを抑えるための方法を紹介します。
それがシャンプーのケア成分の見直しです。
おすすめの成分が入っていると、それだけで色持ちや髪の補修にも役立ちます。
特にシャンプーは、ブリーチを使った髪に大きな影響を与えるアイテムです。
【引用】
ヘアカラーの色素は、毛髪内部で反応し大きな分子になって発色するので、洗髪時に流れ出にくい。また構造上ヘアカラーやブリーチで脱色されにくいので蓄積します。
しかし、髪の傷みが増大すると、洗髪時に流れ出やすく、色落ちがすすみます。
※引用:花王より
一般的にヘアカラーで浸透した色素は、48時間で定着するといわれています。
その間だけでもこれから紹介する成分が含まれたシャンプーを使えば、ブリーチをした髪の毛にいい影響を与えてくれるでしょう。
おすすめケア成分《1》乳酸
ブリーチをした髪をケアしたいのなら、乳酸が入ったシャンプーを試してみましょう。
ブリーチで髪のダメージが深刻になるのは、アルカリに傾くことだと紹介しました。
このアルカリを中和するために、乳酸がうまく作用してくれます。
▼乳酸
無色でわずかに特異な臭気の液体である。pH2.3で酸性を示し、通常の条件下では安定である。
※引用:米山化学工業株式会社より
このように、乳酸は酸性の性質があり、ブリーチをした髪のアルカリを中和できるでしょう。
さらに保湿効果も期待できるので、パサついた髪にも効果的です。
おすすめケア成分《2》ヒアルロン酸
ブリーチをした髪は、活性酸素によってパサつきやすくなっています。
それを抑えるのに適しているのがヒアルロン酸です。
比較的見つかりやすい成分なので、気軽に試せるところがメリットといえるでしょう。
見つかりやすいですが、保湿力は申し分ありません。
髪が広がって困っている人は、ヒアルロン酸が含まれたシャンプーを試してみてください。
おすすめケア成分《3》ヘマチン
最後にヘマチンです。
ヘマチンとは、血液中にあるヘモグロビンを分解して作られた成分といわれています。
たんぱく質とくっつきやすいという性質があるため、髪の毛に付着すると吸収されやすく、髪の補修に役立つでしょう。
ブリーチをした髪は、活性酸素によってボロボロになっていることも少なくありません。
髪内部にヘマチン浸透してくれれば、ヘアカラーの色素の流出を防ぎやすくなるので、髪にブリーチをした後に使えば効果的ですよ。
ブリーチをした髪におすすめのシャンプー10選
ブリーチをした後の髪は、どうしても状態が悪くなってしまいます。
シャンプー選びが大事になると紹介しましたが、どのシャンプーを選べばいいかわからない人も少なくないでしょう。
そこでブリーチをした髪におすすめのシャンプーを10個まとめてみました。
マナラ化粧品 アルカリクレンズシャンプー 350ml ¥3,600(税込)
アルカリクレンズシャンプーは、ブリーチをした髪にちょうどいいシャンプーに仕上がっています。
それは、残留アルカリを意識した成分を多く含んでいるからです。
簡単に言うと、クエン酸や酢酸などの酸性の成分が含まれており、残留アルカリがあっても中和しやすく作られています。
また、ケラチンなどのたんぱく質成分も多く、髪の毛の補修もしやすいでしょう。
ブリーチをした髪は、どんなシャンプーがいいのかわからない人は、とりあえずアルカリクレンズシャンプーを試してみてください。
ミルボン クロナ シャンプー フォーカラードヘア 360ml ¥3,960(税込)
クロナ シャンプー フォーカラードヘアは、美容業界最大手のミルボンが作ったシャンプーです。
自社で研究室を設けているほど、しっかり考えられて作られているカラーシャンプーになります。
とりあえず安心感が欲しい人には、かなり魅力的なシャンプーといっていいでしょう。
比較的多めに含まれているクエン酸で、アルカリを中和できるうえに、グリチルリチン酸2kといった頭皮の状態を整える成分も含まれています。
髪の毛だけでなく、頭皮の状態まで整えやすく作られているので、ブリーチをした髪にも安心です。
ケラスターゼ カラーケア バンリッシュ クロマプロテクト 250ml ¥3,740(税込)
カラーケア バンリッシュ クロマプロテクトは、比較的成分数が少なくてシンプルなところが特徴です。
成分数が少ないと、1つ1つの成分が多く含まれるため、まさにブリーチをした髪に特化させたシャンプーといえます。
例えば、クエン酸や乳酸は多く含まれていて、アルカリ除去も問題なく使えるでしょう。
ツボクサエキスが配合されており、ブリーチをした後の元気がない頭皮も整えやすくなっています。
色持ちから頭皮の状態まで、ブリーチをした髪に幅広く対応できるので、気になった人は試してみてください。
ネイチャーラボ Bosley クリームシャンプー 500ml ¥2,090(税込)
Bosley クリームシャンプーは、名前のとおり一般的なカラーシャンプーとは違います。
それは洗浄成分が少ないところです。
クレンジングのように汚れを落とすように作られているので、髪がしっとりします。
ブリーチをした後の髪は乾燥しているので、やさしく洗いたい人には満足感が段違いでしょう。
さらに髪の補修成分も含まれているので、毛先がパサつくのなら試して損のないシャンプーです。
ナプラ ケアテクトHB カラーシャンプーS 300ml ¥2,200(税込)
ケアテクトHB カラーシャンプーSは、ヘマチンが多く含まれています。
その他にもヒアルロン酸などの保湿成分もたっぷりで、髪の毛の補修は申し分ないでしょう。
さらに天然のハーブ成分もたっぷり含まれており、敏感になった頭皮にも安心して使えます。
特に際立った成分が含まれているわけではありませんが、ブリーチをした髪には安心の成分ばかりです。
このバランス力が、ケアテクトHB カラーシャンプーSの大きな特徴といえます。
シュワルツコフ BCクア カラーセーブ シャンプー 250ml ¥2,420(税込)
BCクア カラーセーブ シャンプーは、キューティクルの状態を整えやすくしたシャンプーです。
洗浄成分は抑え気味にしていて、洗いあがりの乾燥を抑えています。
乾燥しにくいと、キューティクルの状態が悪くなりにくいので、それだけでもブリーチをした髪には安心です。
さらに残留アルカリを中和させるために、乳酸が比較的多めに含まれています。
キューティクルが引き締まりやすく、髪にツヤが出やすいところも大きなポイントといえるでしょう。
ウカ ペーハーバランス シャンプー 400ml ¥4,125(税込)
香りを重視したシャンプーは少なくありませんが、ウカのペーハーバランス シャンプーはブリーチをした髪にも効果的に作られています。
洗浄力が控えめなのはもちろん、天然成分によってpHの状態を整えられるでしょう。
さらに、グリチルリチン酸2kといった頭皮の状態を整えやすくしているところもポイントです。
ブリーチをした髪や頭皮を整えながら、香りを楽しみたい人に刺さりやすく作られています。
エトヴォス モイストシャンプー 230ml ¥3,080(税込)
エトヴォスは有名な化粧品メーカーです。
その発想で作ったのがモイストシャンプーですが、髪の毛だけでなく、頭皮の状態を整えやすく作られています。
グリチルリチン酸2kなどの成分で炎症を抑えながら、ケラチンなどで髪の補修も可能です。
もちろんブリーチで敏感になった頭皮も、天然のハーブエキスでやさしくケアしてくれます。
洗浄力も控えめなので、洗いあがりも満足しやすいですよ。
ハーバニエンス シャンプー シトラス&ラベンダーの香り 300ml ¥3,190(税込)
ハーバニエンスのシャンプーは、本格派オーガニックシャンプーです。
様々なところで認証されたオーガニック原料ばかりを使っており、ブリーチをして敏感になった肌でも安心して使えます。
フルボ酸などのカラーシャンプーにはあまり見られない成分で、髪や頭皮をケアできるところもポイントです。
本格的なオーガニックシャンプーで、何度もブリーチをした髪をケアしたい人は試してみてください。
ソーシャルテック ビオルチアシャンプー 300ml ¥5,300(税込)
ソーシャルテックのビオルチアシャンプーは、チャップアップといわれる育毛剤メーカーが作ったシャンプーです。
頭皮について詳しいメーカーだからこそ、ブリーチをした頭皮をうまくケアできてしまいます。
エイジングケア成分も多く含まれているので、長く使えば白髪予防にもなるでしょう。
本格的にスカルプケアを始めたい人にも安心のシャンプーです。
さいごに
ブリーチをした髪は、想像以上に髪や頭皮のダメージが深刻です。
しっかり髪や頭皮をケアしないと、色持ちだけでなく、髪の毛が細くなる原因にもなります。
特に今使っているシャンプーに満足できないなら、早めに変えてみてください。
汚れを洗い流すものだからこそ、ブリーチをした髪や頭皮に影響が大きいアイテムです。
洗浄力だけでなく、pHを調整しやすい成分が含まれているか確認してから使ってみてくださいね。