美容ライター/元美容部員・日本化粧品検定1級所持
岡 チヅ
国内化粧品メーカーの美容部員を経て、美容ライターとして活動中。1,000人以上のお客様の肌に触れた経験と知識を活かし、きれいになれる情報をわかりやすくお届けします。
あぶらとり紙が肌に悪いのは本当?
「肌を痛める」「余計に皮脂が出るようになる」など、あぶらとり紙は肌によくないという意見を見ると、使っても大丈夫なのか迷ってしまいますよね。
「あぶらとり紙=悪」なのではなく、実は間違った使い方が原因のパターンが多くあります。
ここでは、本当にあぶらとり紙が肌に悪いのかについて解説します。
あぶらとり紙が肌に悪いと言われる理由
- 理由1 あぶら取り紙を使うと、さらに皮脂が出るようになる
あぶらとり紙を使っているのに過剰に皮脂が出てしまうのは、皮脂を取りすぎてしまっているのが原因です。
肌に必要な皮脂まで取ってしまうと、肌はうるおいを守ろうとし、さらに皮脂を出すようになります。
1日に何回もあぶらとり紙を使うと、テカリをおさえるつもりが、より脂っぽくなるという悪循環に!
正しい使い方や適切な回数を守れば、過剰に皮脂が出てしまう心配はありません。
- 理由2 あぶらとり紙を使うと、紙の刺激で肌を痛める
これは、ゴシゴシこするなど間違った使い方が原因です。
あぶらとり紙は肌当たりのやさしい紙で作られているので、正しく使えば肌を痛めることはありません。
あぶらとり紙は使わない方が良い?
適度な使用回数を守れば、あぶら取り紙が肌に悪影響を与えることはありません。
皮脂は時間がたつと酸化し、ニキビ・赤ら顔・くすみなど肌トラブルの原因になります。
皮脂トラブルを防ぐために、あぶら取り紙を使って不要な皮脂は除去するほうが良いでしょう。
また、余分な皮脂を取ることで見た目の清潔感も保てます。
日中のメイク直しもキレイに仕上がるので、皮脂に悩む人はあぶらとり紙でのケアを取り入れるのがおすすめです。
参考文献:JーSTAGE
引用:メークアップ化粧料における皮脂コントロールの重要性とその対策|オレオサイエンス
そもそも何で顔が脂っぽくなるの?
顔が脂っぽくなる理由はシンプルで、過剰に皮脂が分泌するからです。
必要以上に皮脂が分泌される原因は、主に5つあります。
皮脂の出やすい肌質
もともと皮脂が出やすいオイリー肌の人は、季節を問わず顔が脂っぽくなる傾向にあります。
また、男性の方が脂っぽい肌に悩む割合が多いのは、女性に比べて皮脂の分泌量が多いためです。
肌のうるおい不足
意外に思われるかもしれませんが、うるおい不足も肌が脂っぽくなる原因の1つです。
肌は、乾燥に傾くと、うるおいを補おうとして皮脂を分泌する仕組みになっています。
テカリやすいからと言って、さっぱりしたスキンケアで済ませるのはNGです。
季節によるもの
気温と湿度が上がる夏は、皮脂分泌が活発になるため脂っぽさがピークになります。
乾燥肌の人でも、Tゾーンや鼻の周りなど部分的にテカリやすくなる時期です。
ホルモンバランスの関係
女性は月経のサイクルによって、ホルモンバランスが変わります。
皮脂分泌を活発にする「黄体ホルモン」が増えるため、月経前の2週間は肌が脂っぽくなりやすいので注意が必要です。
また、男性ホルモンも皮脂分泌を活発にします。
肌のベタつきに悩む男性の方が多いのも、ホルモンの影響が大きく関わっています。
生活習慣の乱れ
食生活の乱れも皮脂分泌を過剰にさせる原因の1つです。揚げ物やジャンクフードなど、油分の多い食事が多い人は気を付けましょう。
睡眠不足やストレスも皮脂分泌を活発にさせるので、軽く運動をしてからぐっすり眠るなど、生活を整えることが大切です。
元々の皮脂分泌を根本からおさえるのは難しいですが、肌表面の脂っぽさをコントロールすることはできます。
あぶらとり紙やスキンケアを上手く活用し、スッキリした肌を目指しましょう。
あぶらとり紙のメリットデメリットを解説!
余分な皮脂を吸収するあぶらとり紙は、清潔感のある肌にリセットできる便利アイテムです。
しかし「肌を痛める」「余計に皮脂が出る」など、肌によくないのでは?という意見もちらほら聞かれます。
ここでは、あぶらとり紙にはどのようなメリット・デメリットがあるのか解説します。
メリット | デメリット |
・余計な皮脂をオフできる ・ベタつきをおさえられる ・テカリをリセットする ・メイク直しがきれいに決まる ・皮脂による肌トラブルを防ぐ | ・使いすぎると余計に皮脂が出る ・1度に何枚も使うと皮脂を取りすぎる ・ゴシゴシこすると肌を痛める ・皮脂を取りすぎることで乾燥が進む |
メリットは余分な皮脂をおさえ、清潔感のある肌をキープできる点です。
メイク崩れや、皮脂によっておこる肌トラブルも防げます。
デメリットは、間違えた使い方が原因で起きるトラブルがほとんどです。
あぶらとり紙の良さを発揮するには、肌質に合うものを選び適切に使うことがポイントになります。
次の章で正しい使い方を紹介するので、ぜひチェックしてみてください。
参考文献:JーSTAGE
引用:メークアップ化粧料における皮脂コントロールの重要性とその対策|オレオサイエンス
あぶらとり紙の正しい使い方
あぶらとり紙の効果を発揮するためには、自分の肌に合うタイプを選び適切な使い方をすることが重要です。
ここでは、あぶらとり紙の種類と特徴・正しい使い方について解説します。
肌タイプに合うあぶらとり紙を選ぶ
- 和紙タイプ
和紙タイプの良い点は、肌当たりが柔らかいところです。
肌への刺激が少ないので、敏感肌の方にも向いています。
また、適度に皮脂を取るので、乾燥しやすい肌質や脱脂力が強いあぶらとり紙ではカサつく人に向いています。
- フィルムタイプ
フィルムタイプのあぶらとり紙は、皮脂を取る力が強いのが特徴です。
肌にぴったりフィットし、不要な皮脂をしっかり吸収します。
オイリー肌や、皮脂の多いメンズにぴったり。
紙に比べ、破れにくく丈夫な点も魅力です。
- おしろい付きタイプ
おしろい付きのタイプは、粒子の細かいパウダーが表面についているのが特徴です。
皮脂を吸着しつつフェイスパウダーも同時にのせられるので、サラッとした肌に仕上がります。
1枚で肌をキレイに見せてくれるので、メイク直しをする時間がない時にも便利です。
- 汗も吸収できるタイプ
皮脂と同時に汗も吸収できるあぶらとり紙は、運動の後や汗をかきやすい夏場にぴったりです。
汗を吸収するタイプの中には、大判サイズのものも多く出ています。
1枚では顔全体の皮脂を取り切れない方にもおすすめです。
正しい使い方をマスターする
- 裏表があるものは注意する
和紙タイプや粉がついているタイプなど裏表があるものは、使用する面を間違わないようにしましょう。
和紙タイプは、ツルツルした面ではなく、ざらざらしている面を肌にあてます。フィルムタイプは、裏表のないものが主流です。
- 皮脂の気になる部分にのみに使う
顔全体の皮脂を根こそぎ取ると、逆に肌トラブルの原因になる場合があります。
Tゾーン・鼻周り・あごなど、脂っぽくなりやすい部分をメインに使ってください。
頬など乾燥しやすい部分がある人は、特に注意しましょう。
- 軽く押さえるように使う
あぶら取り紙は、軽くおさえるように使うのが正しい方法です。
肌を痛める原因となるので、ゴシゴシとこするのはやめましょう。
- 1度に何枚も使わない
皮脂の取りすぎを防ぐため、1度に何枚も使わないようにしてください。
基本は、1回1枚で十分です。
皮脂分泌が活発になる夏やオイリースキンの人でも、「1回に2枚まで」など、目安を決めて使いましょう。
- 使う頻度やタイミングを守る
あぶらとり紙の使いすぎは、余計に皮脂分泌を活発にしてしまいます。
皮脂が気になる時にだけ使うようにしてください。
1日に2回程度、メイク前とメイク直しの時に使うくらいが目安です。
あぶらとり紙以外の顔の脂対策一覧!
顔の脂っぽさをコントロールする対策として、あぶらとり紙以外にできることを5つ紹介します。
皮脂対策できる洗顔料を使う
余分な皮脂をしっかり落とすことが大切です。
酵素・スクラブ・クレイなど、皮脂対策できる成分が入った洗顔料を選びましょう。
不要な皮脂や古い角質を落とす効果が高いので、スッキリ洗いあがります。
洗顔は、1日2回で十分です。
肌を乾燥させ、余計に皮脂を分泌させる原因になるので洗いすぎには注意しましょう。
皮脂分泌を整えるスキンケアを使う
化粧水などのスキンケアは、皮脂分泌を整える効果のあるタイプを選んでください。
収れん効果の高い「ハマメリスエキス」が入ったものや、オイルコントロールパウダーが入ったスキンケアがおすすめです。
参考文献:化粧品オンライン
引用:ハマメリス葉エキスとは…成分効果と毒性を解説|化粧品オンライン
脂っぽさをおさえる下地を使う
皮脂をコントロールする効果のある下地やファンデを使うのもおすすめです。
日中のメイク崩れがおさえられます。
ファンデーションはリキッドタイプより、パウダータイプを選んでください。
皮脂を吸着するので、サラサラ肌をキープしやすくなります。
日中もうるおいを補給する
肌のうるおいが低下すると、乾燥を防ごうとして、さらに皮脂が分泌されます。
あぶらとり紙で皮脂を取った後、ミストタイプの化粧水などで保湿しましょう。
メイクの上から使えるタイプのものが便利です。
食生活を整える
顔の脂っぽさは、どんなものを食べているかも大きく影響します。
皮脂分泌を活発にするので、油分の多いジャンクフードや揚げ物は食べすぎないようにしましょう。
さらに、脂質の代謝を高める食品を積極的に取るようにしてください。
ビタミンB2が多く入った納豆・レバー・乳製品や、ビタミンB6が入った鮭・バナナ・サツマイモなどがおすすめです。
おすすめあぶらとり紙3選!
1 よーじや あぶらとり紙 20枚入り ¥400(税込)
京都発のブランド「よーじや」から出ているあぶらとり紙です。
天然素材や低刺激設計を追求した使い心地のやさしさが魅力。
厳選した特殊和紙を使っているので、丈夫で破れにくいのも特徴です。
機械で叩き込んで紙の繊維密度をアップしているので、肌当たりがやわらか。
90㎜×93㎜と、使いやすいサイズ感です。
表面に細かな凹凸があり、肌に必要な「個体の皮脂」はそのままに、「液状の余分な皮脂」だけを取り除く効果があります。
化粧ノリの良い素肌が作れるので、スキンケアの仕上げに組み込むのもおすすめです。
2 ロージーローザ 美濃和紙天然麻100%あぶらとり 120枚入り ¥330(税込)
日本の伝統品である「美濃和紙」を使用したあぶらとり紙です。
厳選された天然麻100%で作られているので、吸収力が抜群!
76㎜×95㎜と小さめサイズなので、細かい部分のあぶらとりに便利です。
熟練のこだわり製法でうっとりするような肌ざわりなので、敏感肌の人でも安心して使えます。
1枚ずつ取り出しやすいポップアップ式と、120枚入りでコスパが良い点も人気の秘密です。
3 資生堂 汗もとれるあぶらとり紙 010 90枚入り ¥418(税込)
余分な皮脂だけではなく、汗も吸収するあぶらとり紙です。
汗っかきさんや、夏の汗ばむ時期のメイク直しにもぴったり!
1枚で汗と皮脂をしっかり取れ、肌をサラッと清潔にします。
100㎜×100㎜のハンカチ4つ折りサイズで大きめなので、1枚でしっかり皮脂を取りたいメンズにもおすすめです。
1枚1枚がスムーズに取り出せるプルポップタイプで使いやすい点も◎。
さわやかなブルー×水玉のパッケージで、見た目も可愛さも魅力の1つです。
顔の脂が気になる人向け洗顔料7選!
1 オバジC 酵素洗顔パウダーDP 0.4g×30個 ¥2,420(税込)
毛穴の黒ずみ・角栓・肌のざらつきをしっかり取り除くビタミンC入りの酵素洗顔パウダーです。
ハリとうるおいのある、透明感あふれる肌に導きます。
たんぱく質と皮脂を分解する酵素の効果で、古い角質や過剰な皮脂がすっきり。
洗った瞬間、つるんとした肌触りに感動すること間違いなしです。
朝の洗顔に使用すれば、日中のテカリもおさえられます。
ひきしめ効果のあるユキノシタエキス配合で、毛穴もケア。
テカリ・くすみ・大人毛穴など複数の肌悩みがある方におすすめです。
2 ファンケル ディープクリア洗顔パウダー 30個入り ¥1,980(税込)
酵素・炭・吸着泥のパワーで、余分な皮脂や毛穴の奥の汚れまでオフする酵素パウダーの洗顔料です。
肌のざらつきや毛穴汚れ、Tゾーンのベタつきもスッキリ解消します。
脂っぽさと毛穴、両方の悩みを抱えている方におすすめです。
もっちりした濃密な泡が肌をやさしく包み込んで皮脂をしっかり吸着しますが、洗いあがりのつっぱり感はありません。
毎日使っても乾燥しないので、オイリー肌から乾燥肌まで幅広い肌質で使えます。
3 KANEBO スクラビング マッド ウォッシュ 130g ¥2,750(税込)
溶岩クレイ・スクラブを配合した洗顔料です。
皮脂汚れを吸着し、肌を磨き上げ、研ぎ澄まされたようなクリアな肌に導きます。
独自の使い方(3ステップ)で、皮脂のべたつきや蓄積した汚れを一掃!
- ペーストのまま肌にのばす~クレイが皮脂を吸着
- スクラブを転がすようになじませる~古い角質や肌のざらつきを解消
- 少量の水を含ませ泡立てる~濃密な泡が蓄積した汚れを浮かせて落とす
つっぱり感が一切ないので、乾燥肌の方でも使えます。
日中のテカリをおさえたい方は、特に朝洗顔に使うのがおすすめです。
フルーティフローラルの香りが、お手入れタイムを華やかに彩ります。
4 無印良品 マイルドスクラブ洗顔フォーム 200g ¥690(税込)
角質クリア成分のモモ核スクラブを配合した洗顔フォームです。
余分な皮脂や毛穴の汚れをしっかり取り去り、ツルツルの肌ざわりに!
泡立ち・泡切れが良く、スッキリ洗いあがります。
ひきしめ成分のハマメリスエキス配合で、皮脂によるテカリ防止効果も抜群。
無鉱物油・アルコールフリーで刺激に弱い肌の方でも使えます。
グリセリンの保湿効果で、さっぱりするのにうるおいは保てるので、肌質を問わず使える洗顔料です。
5 花王 キュレル 皮脂トラブルケア 泡洗顔料 150ml ¥1,320(税込)
低刺激で肌にやさしいキュレルシリーズから出ている、皮脂トラブルをケアする洗顔料です。
皮脂溶解成分を配合で、汚れや過剰な皮脂は取り除きテカリを防ぎます。
セラミドでうるおいとバリア機能を守り、つっぱり感のない洗いあがり!
皮脂でベタつくのにカサつく部分もある・刺激に弱いという、乾燥性敏感肌さんにおすすめです。
キメ細やかな泡が出るポンプ式なので、泡立てが苦手な人にも使いやすくなっています。
6 花王 ビオレ ザフェイス オイルコントロール 200ml ¥825(税込)
皮脂や汚れをしっかりオフし、テカリを防ぐ洗顔料です。
オイルコントロール効果で、洗いあがりはさっぱりすべすべに!
オイリー肌や、ニキビの出来やすい人にぴったりです。
手が肌に触れないクッション性の高い泡が肌を包み込み、まさつレスな洗い心地。
オイルコントロールしつつ、うるおいを奪いすぎません。
泡立ていらずのポンプタイプなので、時間のない朝の洗顔にもおすすめです。
スッキリしたオレンジサボンの香りで、毎日の洗顔が楽しみになります。
7 ONE BY KOSE(コーセー) ダブル ブラック ウォッシャー 140g ¥1,980(税込)
直塗りできるペースト状の洗顔で、蓄積したくすみを落としクリアな肌に!
炭と3種のクレイが優れた皮脂吸着効果を発揮し、肌のベタつきや毛穴の汚れをスッキリ取り去ります。
使い方は2ステップ
- ステップ1 手や顔を濡らさず、顔全体にのばす
- ステップ2 その後水を加えて泡立てて、汚れを包み込むように洗う
グリーンフローラルの香りで、洗顔のたびにリラックスできます。
過剰な皮脂や毛穴が目立つ肌におすすめです。
さいごに
今回は、あぶらとり紙は本当に肌に悪いのかについて、メリット・デメリットや正しい使い方も含めて解説しました。
あぶらとり紙は、テカリやベタつきをおさえ、美肌をキープできる優秀なアイテムです。正しい使い方をすれば、肌に悪影響を及ぼすこともありません。
効果的な使い方をマスターして、清潔感のあるさわやかな肌をキープしましょう!