

美容師 / webライター
メガネ
美容師免許取得後、美容室を勤務して8年。現在は親が経営する美容室で事務をやりつつ、Webの知識も併用してWebライターとして活躍中。 美容師勤務中の手荒れの経験から、体の内側から髪をきれいにする術を研究している。ヘアケアからヘルスケアなどの、幅広い知識で記事を執筆中。 「薄毛に特化したヘッドスパ」が得意で、美容師時代もお客様から指名をよく受けていた。
髪のパサつきレベルのセルフチェックと主な原因

髪のパサつきを効果的に改善するためには、まずあなたの髪が今どのような状態にあるのか、そのダメージレベルを客観的に把握しましょう。
パサつきと一言で言っても、そのレベルや原因は様々です。
ダメージが軽いうちに対処するのと、深刻化してからケアするのとでは、必要なアプローチも大きく異なります。
以下では、まずご自身の髪のダメージレベルを把握するための簡単なセルフチェックリストをまとめてみました。
以下で、レベルごとに考えられるパサつきの原因について詳しく解説していきます。
【髪のパサつき具合】セルフチェックリスト
- 【レベル1】健康な髪:指通りが良く自然なツヤがあり、毛先に目立ったダメージがない理想的な状態。
- 【レベル2】軽度のパサつき:全体的なツヤが減り始め、毛先に少しザラつきやゴワつきを感じる状態。
- 【レベル3】中程度のパサつき:見た目にも乾燥がわかり、指通りが悪化。毛先を中心に絡まりやすさが目立つ状態。
- 【レベル4】高度なパサつき:髪全体が硬くザラザラした手触りで、枝毛や切れ毛が多く、スタイリングが困難な状態。
- 【レベル5】深刻なダメージ:わずかな刺激でも切れ毛が起こり、濡らすとゴムのように伸びるなど、髪の体力が限界に近い状態。
髪のパサつき度合いを把握できるセルフチェックの方法
髪のパサつきを改善するためには、まず自分の髪が今どのような状態にあるのか、そのダメージレベルを客観的に把握しましょう。
以下では、自宅で簡単にできるセルフチェックの方法をいくつか紹介します。
- 見た目でチェック:鏡で髪のツヤと毛先のまとまりを確認。枝毛や切れ毛が多い場合は要注意。
- 手触りでチェック:乾いた髪を指でなぞり、ザラつきがないか確認。キューティクル損傷のサインの可能性がある。
- 指通りでチェック:手ぐしやブラシでとかし、毛先が何度も引っかかる場合は水分不足のサイン。
これらのチェックを通じて髪の毛の状態を把握することが、以下で紹介する原因の特定や、適切なケア方法を選ぶための重要な手がかりとなります。
レベル2〜3:軽度・中程度のパサつきが出てしまう原因
セルフチェックで「少し指通りが悪いな」「ツヤが減ってきたかも」と感じる【軽度〜中程度のパサつき】だった人は、日々の生活の中に潜む、様々なダメージ要因が少しずつ蓄積した結果であるケースがほとんどです。
主な原因としては、以下のようなものが考えられます。
- 髪内部の水分・油分不足:髪のパサつきの根本的な原因。髪内部の水分や油分が不足すると、髪は柔軟性を失い、硬くゴワゴワした手触りになる。
- 間違ったヘアケアによるダメージ:無理なブラッシングや高温のドライヤー・ヘアアイロンを多用するなど、日々の摩擦や熱がパサつきを悪化させる。
- カラーやパーマによる化学的ダメージ:定期的なヘアカラーやパーマは、髪内部の構造を変化させ、これがパサつきやゴワつきの原因となる。
- 紫外線や乾燥などの環境ダメージ:強い日差しによる紫外線や、エアコンによる空気の乾燥、プールの塩素なども、髪の水分を奪ってパサつきを進行させる。
- 加齢や生活習慣による髪質の変化:年齢と共に髪の水分保持力は低下する。栄養バランスの偏りや、睡眠不足といった生活習慣の乱れも髪の健康をに悪影響。
これらの原因は1つだけでなく、複数が絡み合っている場合がほとんどです。
特に髪のパサつきを改善したい人にとっては、「カラーやパーマによる化学的ダメージ」は、意識しておきましょう。
毛髪に対するブリーチやパーマの施術は,アルカリ条件下,過酸化水素や還元剤であるチオグリコール酸などを作用させる。
このような化学処理が,毛髪上の 18-MEA にどのような影響を与えるのであろうか? Fig. 5に,パーマ,ブリーチを施術した毛髪表面から得られる18-MEA の(m/z 341)ピーク強度を CN−(m/z 26)のピーク強度との相対強度として比較した結果を示した。
グラフを見れば明らかなように,化学処理が 18-MEA に与える影響は極めて大きい。
パーマ施術では,1 回の施術で 18-MEA は,およそ半分に減少してしまう。
また,驚くべきことに,ブリーチ施術では,1 回の施術で殆どの 18-MEA が消失してしまうのである。
※引用:花王株式会社解析科学研究所|毛髪最表面の構造と物性 ―ダメージによる変化と改質技術―より
生活習慣やヘアケアを振り返り、思い当たる要因の見直しが、パサつき改善の第一歩となります。
レベル4〜5:高度・深刻なダメージのパサつきが出てしまう原因
軽度〜中程度のパサつきを通り越し、「毛先がほうきのように硬い」「指が全く通らない」といったレベル4〜5の深刻な状態です。
これは、単一の原因ではなく、以下のような強力なダメージ要因が複合的に、そして繰り返し作用した結果と考えられます。
- 繰り返すハイダメージな化学的施術:ブリーチを伴うハイトーンカラーや、縮毛矯正などを短期間に繰り返すと髪の内部構造を著しく破壊し、パサつきが深刻となる。
- 日常的な高温での熱スタイリング:毎日180℃以上のヘアアイロンを使用するなど、高温でのヘアセットは髪のたんぱく質を変性させると、髪を硬く、もろくさせてしまう。
- 無防備な状態での強い紫外線ダメージ:濡れた髪のまま海やプールで強い紫外線を長時間浴びるなどの行為は、パサつきを一気に進行させる要因となる。
- ダメージを加速させる不適切なデイリーケア:深刻なダメージヘアであるにも関わらず、洗浄力の強いシャンプーを使い続けるなど、日々のケアを謝るとパサつきを悪化させる。
ここまで進行してしまったパサつきは、基本的なセルフケアだけでの改善が難しくなってくるケースも少なくありません。
特に熱処理によるヘアセットには注意しましょう。
毛髪は熱処理により、水分量の低下や引張り強度の低下といったダメージを受けることが確認され、これらがヘアアイロンやコテの利用によって生じる毛髪のパサツキや切れ毛の原因であると考えられた。
※引用:株式会社 成和化成|毛髪の熱ダメージとその指標について
ダメージの連鎖を断ち切るためにも、まずはこれ以上髪に負担をかけないこと、そしてより専門的なケアを検討しましょう。
髪のパサつきを改善する正しいヘアケアの基本

髪のパサつきを本気で改善したいなら、まず見直すべきは毎日の基本的なヘアケアです。
特別なトリートメントに頼る前に、正しい洗い方や乾かし方、そして自分に合ったアイテムの選び方をマスターしましょう。
以下では、そんなパサつき改善の土台となる正しいヘアケアの基本について、普段のケアの見直し方から、ダメージを最小限に抑えるための生活習慣まで、具体的な方法を解説します。
普段のヘアケアのやり方を見直す
髪のパサつきを改善するための第一歩は、特別なケアよりも、毎日当たり前に行っている「洗い方」や「乾かし方」といった、普段のヘアケアの見直しから始めましょう。
良かれと思って行っている方法が、じつはパサつきを助長しているかもしれません。
まず「洗い方」についてです。
以下の内容を意識して、髪がパサつきにくい習慣を身に着けましょう。
- シャワーの温度は38℃以下のぬるま湯が基本:熱すぎると髪と頭皮の必要な潤いまで奪ってしまう。
- シャンプーは保湿を意識したものを選ぶ:洗浄力がマイルドなアミノ酸系洗浄成分など、パサつきにくいシャンプーを探す。
- 摩擦によるダメージを防ぐ洗い方を意識:ゴシゴシと髪を擦り合わせるのではなく、指の腹で頭皮を優しくマッサージするように洗うこと。
次に髪の「乾かし方」です。
- 乾かす前には洗い流さないトリートメントなどで髪を保護する:ドライヤーの熱はパサつきの大きな原因となり得る。
- 髪がパサつきにくい乾かし方を意識する:ドライヤーは髪から20cm程度離し、同じ場所に熱が集中しないように動かしながら髪を乾かす。8割ほど乾いたら冷風で仕上げる。
この「洗う」と「乾かす」という基本的なステップを、髪をいたわるように丁寧に行うだけで、髪のパサつきは大きく改善される可能性があります。
使用するヘアケアアイテムを見直す
日々のヘアケア方法と合わせて、現在お使いのアイテムが本当に自分の髪に合っているか見直すことも、パサつき改善に欠かせないステップです。
- シャンプーは「やさしさ」と「保湿力」で選ぶ:洗浄力のマイルドなアミノ酸系などで、必要な潤いを守りつつやさしく洗うのが基本。
- トリートメントは「内部補修」成分に注目:ケラチンやセラミドなどの補修成分で、髪の内部からダメージをケアして強度を高める。
- 洗い流さないトリートメントで日中も保護:ドライヤーの熱や日中の乾燥・紫外線から髪を守り、一日中潤いをキープする。
- シリコンの役割も理解して選ぶ:指通りを良くして摩擦ダメージを軽減する役割もある。髪質や好みに合わせて選び分けること。
今使用中のアイテムがこれらのポイントを満たしているか、一度見直してみてください。
パサついている箇所を切ってしまう
「様々なヘアケアを試しても、毛先のパサつきが改善しない…」と感じる時は、ダメージが深刻なその部分を物理的に「カット」しましょう。
この方法こそが、髪全体を美しく見せるための有効な改善策のひとつだからです。
一度枝毛や切れ毛になってしまった毛先は、残念ながらトリートメントで完全に元の状態には戻りません。
トリートメントは、毛髪やキューティクルを補修するだけで、復元するだけの力は持ち合わせていないからです。
トリートメントはダメージを受けた毛髪を補修し,キューティクルを整えます.
※引用:髪のツヤが与える印象を科学するより
傷んだ部分をそのままにしておくと、そこからさらにダメージが進行し、裂け目が広がってしまう可能性もあります。
そのため、思い切ってカットすることで、ダメージの連鎖を断ち切り、これ以上髪の状態が悪化するのを予防できます。
また、傷んだ部分がなくなると、見た目の美しさが向上し、指通りが良くなって髪全体がまとまりやすくなるという、即効性のあるメリットも大きいでしょう。
髪の健康を保つためには、2〜3ヶ月に一度など、定期的に毛先を整えてみてください。
髪のダメージを最小限に抑える習慣を身につける
直接的なヘアケアに加え、日々の生活習慣の見直しも、パサつきにくい健やかな髪を育むためには非常に大切です。
- 栄養バランスの取れた食事:髪の材料となるたんぱく質やビタミンなどを、バランス良く食事から摂る。
- 質の良い睡眠:髪のダメージ修復のため、成長ホルモンが働く質の良い睡眠をしっかり確保。
- 上手なストレス管理:ストレスは血行不良やホルモンバランスの乱れの原因になる。
- 環境ダメージからの保護:帽子や髪用UVスプレーで紫外線対策を行う。
これらの習慣を意識できると、パサつきにくい、芯から健やかな髪への土台作りが作れます。
パサついた髪におすすめのスペシャル集中ケアとアイテム活用術

日々の基本的なヘアケアを見直すことも大切ですが、髪のパサつきをより効果的に改善するためには、さらに一歩進んだ「スペシャルケア」を取り入れることが鍵となります。
以下では、そんなパサつき髪におすすめのスペシャルケアと、効果的なアイテムの活用術を詳しく見ていきましょう。
髪の毛を洗う前にできる集中ケアの方法
シャンプーによる摩擦や洗浄時のダメージを最小限に抑え、その後のトリートメント効果を高めるために、髪を洗う「前」に行う集中ケアも、パサつき改善には非常に有効なステップです。
- シャンプー前のブラッシング:髪が乾いた状態で、毛先からやさしくブラッシングを行う。
- オイルを使った頭皮クレンジング:シャンプー前に、ホホバオイルなどの植物性オイルで頭皮をやさしくマッサージするのもおすすめ。
- ぬるま湯での十分な予洗い:シャンプーをつける直前に、38℃程度のぬるま湯で頭皮と髪を1〜2分しっかりとすすぐこと。
これらのひと手間が加えられるようになると、シャンプー時の髪への負担が減り、パサつきにくい健やかな状態へと導く手助けとなります。
保湿力が高いトリートメントやヘアマスクを使用する
パサつき改善のスペシャルケアとして、保湿力の高いトリートメントやヘアマスクは欠かせません。
お風呂の中では、週に1〜2回、特に濃厚なヘアマスクで髪内部まで集中補修してみてください。
ダメージが気になる毛先を中心に、製品推奨の時間を置いてじっくり潤いを届けましょう。
また、お風呂上がりのドライヤー前には、必ず洗い流さないトリートメントの使用がおすすめです。
ヘアオイルやミルクなどが、熱や日中の乾燥から髪を保護し、潤いを閉じ込める重要な役割を果たします。
このインバスとアウトバスのダブルケアを習慣化できれば、パサつきやすい髪をしっとりとまとまりのある状態へと導くコツです。
美容室で集中ケアを含んだ施術をしてもらう
日々のセルフケアを丁寧に行っていても、パサつきがなかなか改善しない、あるいはもっと集中的にダメージをケアしたいという時は、美容室でプロによる集中ケアの施術を受けるのも非常に有効な手段です。
美容室でのトリートメントが市販の製品と大きく異なるのは、以下の2つの点にあります。
- 髪の内部まで浸透する高濃度な補修・保湿成分を使用する点
- プロの目による的確な髪質診断に基づいている点
美容師さんがあなたの髪の状態を正確に見極め、最適な施術を提案してくれるでしょう。
施術メニューには、以下のように様々な種類が存在します。
- 髪の内部に栄養を集中的に補給する「集中トリートメント」
- 髪質そのものの改善を目指す酸熱トリートメントなどの「髪質改善トリートメント」
- 髪の土台である頭皮環境を整える「ヘッドスパ」 など
即効的に手触りを良くしたいのか、時間をかけて髪質を根本から見直したいのか、あるいは頭皮からケアしたいのか、あなたの悩みや目的に応じて、これらのメニューを検討しましょう。
セルフケアで限界を感じたら、まずは行きつけの美容室で「髪のパサつきが気になる」と相談してみてください。
プロの視点からのアドバイスと施術が、パサつき改善への新たな道を開いてくれるかもしれません。
長期的にパサついた髪には頭皮マッサージもおすすめ
髪のパサつき改善には、その土台である「頭皮」のケアも欠かせません。
頭皮マッサージは、長期的に健やかな髪を育むための有効なスペシャルケアです。
主な目的は、頭皮の血行を促進し、髪の成長に必要な栄養を毛根へ届けやすくすることと、硬くなった頭皮をほぐすことです。
これらのポイントを意識し、健やかな髪が育つ土壌作りをサポートできればリラックス効果も期待できます。
マッサージは、体が温まっているシャンプー中や入浴後に行いましょう。
爪を立てず、指の腹を使って頭皮全体を優しく揉みほぐしてください。
さらに、頭皮用オイルやスカルプブラシを併用すると、保湿やマッサージ効果が高まります。
1回3〜5分程度、週に数回でも継続することが、パサつきにくい髪を育てるコツです。
髪がパサつく原因の代表格!「加齢」と「くせ毛」に対する集中対策

毎日の基本的なヘアケアに、さらに一歩踏み込んだ「スペシャルケア」を加えることで、髪のパサつき改善のスピードと質は格段に上がります。
以下では、そんなパサつき髪を保湿されたきれいな髪へと導く、効果的なスペシャルケアとアイテムの活用法を詳しく解説します。
加齢によるパサつき対策!ハリやコシの低下に効果的な内部補修と頭皮ケア
年齢による髪のパサつきやうねりは、ホルモンバランスの変化や、髪内部の水分・油分不足が主な原因です。
しかし、適切なケアで健やかな状態を目指せます。
対策には、ケラチンやヒアルロン酸などの「内部補修」と「保湿」を重視したアイテム選びをしましょう。
それに加え、ドライヤーの熱ダメージを抑え、傷んだ毛先を定期的にカットする「正しい習慣」も大切です。
さらに、血行を促す「頭皮マッサージ」で、これから生えてくる健やかな髪の土台を整えることも忘れずに行ってください。
これらのケアを組み合わせることで、ハリとコシのある扱いやすい髪を保つ手助けとなるはずです。
くせ毛によるパサつき対策!湿気による広がりを抑える徹底保湿とスタイリング術
「元々の髪質だから」と諦めがちな、くせ毛のパサつきや広がりに関しては、髪内部の水分バランスが不均一なためですが、適切なケアで改善が期待できます。
ケアの基本は「徹底保湿」です。
マイルドな洗浄力の保湿系シャンプーを選び、週に数回はヘアマスクで集中ケアをしておきましょう。
ドライヤー前にはヘアオイルなどで潤いを閉じ込め、湿気から髪を守ってください。
乾かす際は、根元から毛先へ風を当て、キューティクルを整えるのがポイントです。
仕上げに広がりを抑える効果のあるスタイリング剤を使えば、よりまとまりやすくなります。
この「保湿」と「スタイリング」の両輪でケアを続けることが、扱いやすい髪への近道です。
セルフケアの限界を感じた時の美容室で相談できるパサつき改善メニュー

日々のセルフケアを丁寧に行っていても、なかなか髪のパサつきが改善しない…。
そんな時は、髪のプロである美容師の力を借りる良いタイミングかもしれません。
そこで以下では、相談できる代表的なパサつき改善メニューと、失敗しないための上手な相談のやり方などを詳しく解説します。
失敗しない!美容師への相談ポイントと上手な伝え方
美容室でパサつき改善メニューを相談する際に、自分の悩みや希望を的確に伝えましょう。
これが、満足のいく結果を得るための最も重要なポイントとなります。
- 現在の髪の悩みを「具体的」に伝える:「毛先がゴワつく」などの最も困っていることを具体的に伝える。
- 理想の仕上がりを「写真」で共有する:言葉の印象は人それぞれ。理想の髪質の写真を見せるとイメージ共有がスムーズに行える。
- 予算や時間も「正直」に相談する:「予算〇〇円で」など制約を先に伝えれば、その範囲で最適な提案を受けやすい。
- 普段のヘアケア・ライフスタイルを伝える:「毎日アイロンを使う」など普段の習慣も、原因特定や最適なケア提案のヒントになる。
そもそも美容師は髪のプロです。
遠慮せずに相談し、担当美容師との信頼関係の構築こそがパサつき改善への近道となるでしょう。
髪へ集中的に栄養補給ができるサロントリートメント
日々のセルフケアではなかなか補いきれないダメージやパサつきに対し、美容室で受けられる「サロントリートメント」は、即効的な手触り改善やツヤの回復が期待できる心強いメニューです。
多くのサロントリートメントは、髪の内部に水分や栄養を補給すると同時に、髪の表面にあるキューティクルを整え、コーティングすることに重点を置いています。
これにより、施術後すぐに見違えるようなツヤと、滑らかな指通りを実感できるでしょう。
そのため、結婚式や大切な予定など、「この日までに髪をきれいな状態にしたい」という即効性が求められる場面で特に有効なケアです。
ただし、その効果の持続期間は、後述する髪質改善トリートメントなどに比べると比較的短い傾向にあります。
美しい状態をキープするためには、一度きりで終わらせるのではなく、定期的な施術や、日々の丁寧なホームケアを組み合わせることが大切です。
うねり・広がりを抑える髪質改善トリートメント
髪のパサつきの原因が、単なるダメージだけでなく、元々の髪の「うねり」や「広がり」にある場合、表面的なケアだけでは限界を感じることがあります。
そんな時に検討したいのが、髪質そのものにアプローチする美容室の「髪質改善トリートメント」です。
これは、単に栄養を補給するだけでなく、髪の内部構造に働きかけ、毛髪の形状を整えられると、パサつきの原因となるうねりや広がりを根本から抑えることを目指す施術の総称となります。
その代表格が、近年注目されている「酸熱トリートメント」です。
これは、グリオキシル酸などの「酸」の成分と、仕上げのヘアアイロンによる「熱」の力を利用して、髪内部の結合を補強させるだけでなく、髪質を安定させられるでしょう。
GA に対する浸透促進成分である GDL の効果について顕微 IR 法を用いて評価した。
以前の我々の研究(課題番号 2019B1682)では、アイロン処理により GA が毛髪内のアミノ酸残基と化学結合したため、GA 由来のピークを確認することはできなかったが、本研究では、アイロン処理前のGA 水溶液処理で止めたことにより、GA 由来のピークを確認することに成功すると共に GDL による GA の浸透促進効果も確認できた。
※引用:ヒト毛髪におけるグリオキシル酸の分布に対する毛髪処理条件の影響より
※ここでの「GA」はグリオキシル酸を指す。
その結果、髪に自然なツヤとハリ・コシが生まれ、湿気にも強い、まとまりやすくて扱いやすい髪質へと変化していきます。
一時的な手触り改善を目的とするトリートメントとは異なり、髪質改善トリートメントは効果が1ヶ月以上と長く持続しやすいのが大きな特徴です。
さらに、施術を重ねることで髪質がより安定していく効果も期待できます。
縮毛矯正をするほどではないけれど、髪のゴワつきや扱いにくさを根本から改善し、日々のスタイリングを楽にしたいという場合は、試してみる価値のある選択肢と言えるでしょう。
髪の土台作りのためのパサつき改善を目指すヘッドスパ
髪のパサつき改善というと、髪の毛そのものへのトリートメントに注目しがちです。
しかし、きれいな髪を長期的にキープするためには、その土壌である「頭皮」の環境を整えることも、非常に重要なアプローチとなります。
その代表的なサロンメニューが「ヘッドスパ」です。
頭皮が乾燥し、血行が悪い状態のまま毛穴に皮脂汚れが詰まっていると、そこから生えてくる髪は十分に栄養を受け取れず、細くパサつきやすくなってしまいます。
ヘッドスパは、こうした頭皮のトラブルに直接アプローチし、健康な髪が育つための土壌を整えられるでしょう。
ちなみに、美容室で受けられる代表的なヘッドスパには、以下のような種類があります。
- 炭酸ヘッドスパ:高濃度の炭酸ガスを含んだお湯や泡で、通常のシャンプーでは落としきれない毛穴の奥の皮脂汚れや付着物を除去する。
- オイルヘッドスパ:専用のオイルを使って頭皮をマッサージする。毛穴のクレンジング効果に加え、乾燥した頭皮に潤いを与え、柔軟に保つ効果が期待できる。
- アロマヘッドスパ:植物から抽出したアロマオイルの香りによるリラクゼーション効果と、マッサージによる血行促進効果を組み合わせた癒やしのケア。
髪のパサつきを長期的な視点で改善したい、あるいは頭皮の乾燥やかゆみも同時に気になるという場合は、トリートメントと合わせてヘッドスパも担当美容師に相談してみてください。
髪のパサつきは「縮毛矯正」をしても良い!?正しいメニューの見極め方
強いくせ毛が原因でパサついて見える場合、縮毛矯正も選択肢です。
しかしこれは、ダメージを補修するトリートメントとは異なり、髪の「形状を変える」ための化学的施術となります。
くせによる髪の凹凸を整えてツヤを出す効果が期待できる一方で、ハイダメージ毛に行うと、さらに状態を悪化させるリスクがあるため注意が必要です。
施術を検討するなら、まず美容師に髪のダメージレベルを診断してもらいましょう。
その上で、髪への負担が少ない「弱酸性縮毛矯正」や、トリートメントと組み合わせたメニューが可能か相談してみてください。
パサついた髪でも安心して使えるおすすめシャンプー5選
髪のパサつき改善の第一歩は、毎日使うシャンプーの見直しから始めましょう。
髪の状態に合わないものを使うと、かえって乾燥を助長してしまうケースも少なくありません。
選ぶ際のポイントとしては、洗浄力がマイルドなアミノ酸系などを基本とし、「ダメージ補修成分」や「高保湿成分」が豊富に含まれているかの確認です。
以下では、そんなパサついた髪でも安心して使える、おすすめのシャンプーを5つ厳選してご紹介します。
ST SOKI シャンプー ヘア&スキャルプ ¥4,950(税込)
こちらのシャンプーは、髪のパサつき改善には、その土台である頭皮の健康が不可欠、という考え方に基づいたスカルプシャンプーです。
美容のプロも愛用する、本格的な頭皮ケアできれいな髪を目指したい場合におすすめします。
このシャンプーの大きな特徴は、ヒアルロン酸以上の保水力を持つと言われるシロキクラゲ多糖体をはじめ、豊富な保湿成分を配合している点です。
これらの成分が、乾燥してパサつきやすい髪と頭皮の両方にアプローチし、髪の内部から潤いで満たし、ゴワつきを抑え、柔らかくまとまりやすい状態へと導いてくれるでしょう。
エキップ アスレティア スカルプケア シャンプー 300ml ¥4,400(税込)
エキップ アスレティアのスカルプケアシャンプーは、まるでアロマスカルプスパのような心地よいケアの時間に変えてくれるシャンプーです。
サルフェートフリーなだけでなく、ノンシリコン処方でありながら、クリーミーで弾力のある濃密な泡立ちが大きな特徴といえるでしょう。
この豊かな泡がクッションとなり、髪同士の摩擦によるダメージを防ぎながら、頭皮をマッサージするように洗うことで、毛穴の皮脂や汚れをすっきりとオフします。
スクワランやシアバター、マカデミア種子油といった保湿成分が、パサつきやすい髪と頭皮に潤いを補給できます。
コタ アイ ケア シャンプー 5 300ml ¥3,080(税込)
コタのアイケアシャンプーは、髪質やダメージレベルに合わせて5種類から選べるのですが、特に髪のパサつきが気になる方向けに設計された「5番」のシャンプーを試してみましょう。
口コミサイトでも、そのまとまりの良さで人気を集めているようです。
アミノ酸系のマイルドな洗浄成分が、パサつきの原因となる乾燥を防ぐため、髪と頭皮に必要な潤いを守りながらやさしく洗い上げます。
仕上がりは「しっとり寄りのナチュラル」で、重くなりすぎずにパサつきや広がりを抑えたいという人は試してみてください。
ロレアル ケラスターゼ バン ルミエール シャンプー 250ml ¥4,180(税込)
ケラスターゼ バン ルミエール シャンプーは、ブリーチやハイトーンカラーによる、特に深刻な髪のパサつきやダメージにお悩みの場合におすすめしたいカラーケアシャンプーです。
髪の黄ばみを補正しながら、潤いに満ちたツヤ髪を目指します。
ブリーチ後の髪のパサつきの一因となる、黄ばみや赤みを紫色の色素が補正し、透明感のある髪色をキープできるでしょう。
洗浄力はしっかりめですが、高保湿成分であるヒアルロン酸Na¹が髪にたっぷりと潤いを与え、乾燥を防ぐ処方です。
ニューウェイジャパン トリキュア シャンプーM 500ml¥3,600(税込)
特徴的なのは、複数の補修成分を組み合わせた「PPT柔らかMIX」です。
これが髪のダメージ部分をケアしつつ、パサついて硬くなった髪をしなやかでやわらかな質感へと整えます。
スルホコハク酸ラウレス2Naなど、複数の洗浄成分をブレンドした低刺激処方で、髪と頭皮の潤いを守りながらやさしく洗い上げる点もポイントといえるでしょう。
さらに、抗菌・抗炎症をサポートする成分も配合されており、パサつきだけでなく、頭皮環境の乱れが気になる方にも適しています。
パサついた髪をしっかり保湿できる人気トリートメント5選
日々のシャンプーケアに加え、髪のパサつきを効果的に改善するためには、潤いと栄養を直接補給するトリートメントでの集中ケアが欠かせません。
選ぶ際のポイントは、以下の内容を意識しましょう。
- ヒアルロン酸や植物オイルなどの「高保湿成分」が含まれているかの確認
- ケラチンといった「ダメージ補修成分」が豊富に含まれているかの確認
- インバス・アウトバスといった種類も理解しつつ、目的に合わせて使い分けること
以下では、そんなパサついた髪をしっかり保湿し、ダメージをケアしてくれる人気のトリートメントを5つ厳選してご紹介します。
ミルボン リニューイング トリートメント 500g ¥6,710(税込)
リニューイング トリートメントは、年齢を重ねることで現れる髪質の変化、特に「髪のパサつき」やツヤの低下といった悩みに応える、エイジングヘアケアに特化したトリートメントです。
失われた潤いと密度感にアプローチします。
保湿成分として月見草油やローズヒップ油を配合し、乾燥しがちな大人の髪に潤いを与え、しっとりとまとまる状態に導いてくれる点に注目しましょう。
さらに、イソステアロイル加水分解シルクなどの補修成分が髪の内部密度にアプローチし、パサつきやすい髪にハリと柔らかさの両方を与えてくれます。
アリミノ コアミー エラプシーク ヘアマスク CS 235g ¥4,620(税込)
アリミノ独自の毛髪補修・保湿成分である「CMCミメシス」などが、髪の内部で空洞化してしまった部分にアプローチします。
そのため、髪が細くやわらかいことで、かえってパサつきやうねり、湿気による広がりが気になるという人におすすめのヘアマスクです。
髪の芯に水分を定着させ、キューティクルの隙間を埋めることで、湿度の影響を受けにくい、しなやかで均一な状態を目指します。
これにより、パサついて広がりがちな細い髪も、重くならずにサラっとまとまる仕上がりが期待できるでしょう。
サンコール トリファクス トリートメント TF 200g ¥1,680(税込)
海藻エキスとカラーロックポリマー¹が髪表面に疎水性の保護膜を形成し、水分を髪の内部にしっかりとキープすることで、パサつきやすい髪の潤いを長時間保つ手助けをします。
さらに特徴的なのは、「γ-ドコサラクトン」や「ヒートリアクションコラーゲンPPT」といった、ドライヤーやヘアアイロンの熱に反応して髪をコーティング・補修する成分を配合している点です。
熱をダメージ要因ではなく味方につけることで、キューティクルを整え、ツヤのあるなめらかな髪へと導きます。
ナプラ ケアテクトHB カラートリートメントV 250g ¥2,640(税込)
ケアテクトHB カラートリートメントVの特徴的な点は、「ヘマチン」を配合している点です。
これにより、髪の状態を安定させ、きれいな髪色を長持ちさせながら、パサつきにくい土台を作ってくれます。
さらに、通常のヒアルロン酸の約2倍の保水力を持つと言われる加水分解ヒアルロン酸や、6種類のハーブエキスが髪と頭皮にたっぷりと潤いを補給できるでしょう。
パサつきがちな髪にハリとコシを与え、サラサラでしなやかな質感へと導いてくれるはずです。
シュワルツコフ BC KUR カラースペーシフィーク トリートメント 200g ¥3,520(税込)
カラーによるダメージを受けた髪の内部を高密度で補修し、髪の芯を引き締めることで、カラー染料が流れ出るのを防ぎ、美しい色とツヤを長持ちさせます。
これが髪の毛のパサつきの原因となるダメージの進行を、抑えることにうまく繋げられるでしょう。
アミノセラミドなどの保湿・補修成分が髪に潤いとしなやかさを与え、特に量が多くて広がりやすい髪や、硬さが気になるゴワゴワ髪を、しっとりとやわらかく扱いやすい状態へと導いてくれます。
好きなタイミングでパサつき髪を気軽に保湿!おすすめヘアミルク&ヘアオイル3選
日中の乾燥やドライヤーの熱など、パサつきの原因となるダメージから髪を守るには、洗い流さないトリートメントの活用が欠かせません。
代表的なアイテムとしては、以下の2つが挙げられます。
- 髪の内部に水分を補給し軽やかにまとめる「ヘアミルク」
- 髪表面をコーティングし潤いとツヤを閉じ込める「ヘアオイル」
両者の特徴を理解し、髪質や求める仕上がりに合わせて使い分けることが、効果的なケアのポイントです。
以下では、そんなパサつき髪を好きなタイミングで気軽に保湿できる、おすすめのヘアミルクとヘアオイルを3つ厳選してご紹介します。
ミルボン エルジューダ エマルジョン+ 120g ¥3,146(税込)
髪の内部に水分を蓄えるアクアコラーゲンや、高い保水力を持つバオバブエキスを配合されており、これらの成分が髪の芯まで浸透し、潤いで満たすことで、硬くゴワゴワしがちな髪を、内側からやわらかく、しなやかで素直な状態へと導きます。
さらに、毛髪補修成分CMADKがダメージ部分に吸着し、髪の健康状態をサポートできる点も魅力のひとつです。
しっとりとしたまとまりとツヤを与え、その潤いが翌日まで持続しやすいでしょう。
時間で変化する甘く華やかな香りも楽しめるだけでなく、パサつきやすい剛毛で悩んでいる人にとっても、心強い味方となるはずです。
メゾンコーセー スティーブンノル モイスチュア ソフニング エマルジョン 100ml ¥1,320(税込)
毛髪の内部と表面の両方から補修する「モイスチュアソフニング処方」が大きな特徴です。
トリュフエキスやアミノ酸、セラミドなどを内包した高浸透カプセルが髪の芯まで浸透し、ダメージをケアしてくれます。
同時に、うるおい持続ヒアルロン酸などの表面補修成分が、キューティクルを整え、与えた潤いを閉じ込めるため、仕上がりに満足しやすいでしょう。
熱プロテクト成分も配合されているため、パサつきの一因となるドライヤーなどの熱ダメージから髪を保護してくれます。
ウテナ ゆず油 ヘアオイル 60ml ¥1,100(税込)
髪へのなじみが良いオイルが、パサついた髪にスッと浸透し、潤いと自然なツヤを与えます。
ベタつきにくい軽やかな使用感で、髪の広がりを抑え、しっとりとまとまりやすい状態に整えられるでしょう。
また、この製品の大きな魅力は、洗い流さないトリートメントやスタイリング剤としてだけでなく、シャンプー前の頭皮マッサージや、集中保湿のためのオイルパックとしても使える点です。
様々な角度からパサついた髪にアプローチできるため、あなたの髪の状態に合わせたケアの方法をカスタマイズできます。
髪をセットしながら保湿がしやすいパサつきおすすめ人気スタイリング剤2選
「スタイリング剤を使うと、さらに髪がパサつくのでは?」と、髪の乾燥に悩んでいる人は、ヘアセットの方法にためらってしまうケースも少なくないでしょう。
しかし、最近ではセット力だけでなく、保湿成分や日中のダメージから髪を守る保護成分を豊富に含んだ、パサつき髪の心強い味方となるアイテムも多く登場しています。
以下では、そんな髪をセットしながら保湿ケアもしやすい、おすすめの人気スタイリング剤を2つ厳選してご紹介します。
ナカノ スタイリング ワックス 2F ファイバータイプ ノーマル 90g ¥1,573(税込)
ファイバータイプで伸びが良く、髪全体に薄く均一になじませやすいのが特徴です。
髪を固めすぎず、自然な毛束感やふんわりとしたボリュームを演出し、軽い仕上がりを保てます。
パサつきで広がりやすい髪を、ベタつかせずにまとめる手助けをしてくれるでしょう。
さらに、保湿成分や紫外線防止効果、ヘアカラーの褪色を防ぐ効果も備えており、スタイリング中も日中のダメージ要因から髪を保護してくれます。
ROWE ヘアバーム 30g ¥3,300(税込)
オーガニック認証を受けた植物原料などを贅沢に使用し、パサつきがちな髪に、ベタつきの少ない自然な潤いとまとまりを与えます。
やわらかくて伸びの良いテクスチャーで、髪に馴染ませやすいのも特徴です。
固めすぎることなく、ほどよい束感を演出し、ナチュラルなヘアデザインをサポートします。
手に残ったバームはそのままハンドクリームのように使えるほど、肌へのやさしさも考えられている点も魅力のひとつといえるでしょう。
さいごに
今回は、髪のパサつきの原因から、日々の正しいケア方法、そしてお悩み別のおすすめアイテムまで幅広く解説しました。
大切なのは、ご自身の髪の状態とパサつきの原因を正しく理解し、それに合ったケアを諦めずに続けることです。
基本的な洗い方や乾かし方の見直しだけでも、髪の状態は大きく変わる可能性があります。
上記の内容を参考に、今日からできるケアを1つでも始めて、自信の持てる、指通りなめらかな「ツヤ髪」を取り戻しましょう。