最終更新日 2025年12月10日 by kanako
毎日なんとなく使っているシャンプー。そのボトル裏の「成分表示」を、じっくり読んだことはありますか?
ドラッグストアなどでよく見かける成分のひとつが「ラウレス硫酸ナトリウム(ラウレス硫酸Na)」。
泡立ちがよく、皮脂やスタイリング剤をしっかり落としてくれる一方で、ネット上では「髪や頭皮に悪い」「危険な界面活性剤」といった声も少なくありません。
では、ラウレス硫酸Naは本当に“避けるべき成分”なのでしょうか?
それとも、使い方次第ではうまく付き合っていける成分なのでしょうか。
この記事では、美容師・毛髪診断士の知見も踏まえながら、ラウレス硫酸Naの基礎知識とメリット・デメリット、よく混同される「ラウリル硫酸Na」との違いをわかりやすく整理します。
あわせて、どんな人・どんなライフスタイルならラウレス硫酸Na配合シャンプーが「アリ/ナシ」なのか、そしてアミノ酸系・サルフェートフリーなど、代わりに選びたい洗浄成分のポイントもご紹介します。
今使っているシャンプーを見直したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
ラウレス硫酸ナトリウムとは?――基礎知識と特徴

毎日なんとなく使っているシャンプーですが、その「中身」まで意識したことはありますか?
シャンプーは、多くの人にとってほぼ毎日、肌と髪に触れるアイテムです。
夜にお風呂で使うだけでなく、「朝シャン」でスッキリして一日を始める方もいるでしょう。
そんな身近なシャンプーの「良し悪し」を左右する大きなポイントのひとつが、
ラウレス硫酸ナトリウム(ラウレス硫酸Na)という成分です。
ラウレス硫酸Naは、シャンプーに使われる界面活性剤(洗浄成分)の一種です。
英語表記では Sodium Laureth Sulfate(略称:SLES) とも呼ばれます。
界面活性剤は、
- 水になじみやすい「親水基」
- 油になじみやすい「親油基」
という2つの性質を同時に持っており、皮脂やスタイリング剤の油汚れをしっかり浮かせて洗い流す役割を担っています。
「界面活性剤=悪いもの」というイメージを持たれがちですが、そもそも汚れを落とすためには界面活性剤は“必須”です。
問題なのは「界面活性剤そのもの」ではなく、どんな種類の界面活性剤を、どのくらいの強さで、どんな頻度で使うかという点です。
界面活性剤について詳しく知りたい方はシャンプーの界面活性剤と洗浄成分 – 種類と選び方:アニオン界面活性剤の良さは? をご覧くださいね。
ラウレス硫酸Naは、
- 泡立ちが良い
- 皮脂やスタイリング剤をしっかり落とせる
- 原価が安く、大量生産向き
という理由から、市販シャンプーの多くに配合されてきた“定番成分”です。
似たような仲間としては、
・ラウレス硫酸アンモニウム
・ラウリル硫酸アンモニウム
・スルホン酸ナトリウム
・パレス-3硫酸ナトリウム
などがあり、これらも洗浄力が強めの硫酸系界面活性剤に分類されます。
逆に言うと、成分表示の中に「○○硫酸」と書かれているものがあれば、
比較的しっかり汚れを落とす“強めの洗浄成分”が使われている可能性が高いと考えてOKです。
ラウレス硫酸アンモニウムについて知りたい方は、合わせて『ラウレス硫酸アンモニウム』を徹底解剖 – 危険性・毒性は?もご覧くださいね。
ラウレス硫酸Naのメリットと注意点 ― 美容師の視点で解説

まずは、ラウレス硫酸Naの「良いところ」と「気をつけたいところ」を整理しておきます。
ラウレス硫酸Naのメリット
- 高い洗浄力で皮脂やスタイリング剤をしっかり落とせる
- 泡立ちが良く、洗っていて気持ちいい・スッキリ感が出やすい
- 水道水の硬度の影響を受けにくく、誰でも安定した使用感を得やすい
- 原価が安く、ドラッグストアなどで手に入りやすい価格帯の商品に使いやすい
汗や皮脂が多い方、ワックスやスプレーをしっかり使う日などには、
ラウレス硫酸Naのような「よく落ちる洗浄成分」が役に立つ場面もあります。
ラウレス硫酸Naの注意点
一方で、洗浄力が高い=必要なうるおいまで落としやすいという側面もあります。
- 髪や頭皮のうるおい成分まで洗い流してしまう
- 続けて使うと、乾燥・パサつき・きしみ・静電気などを感じやすくなる
- もともと敏感肌の人や、ダメージ毛・カラー毛では刺激として感じやすい場合がある
特に、
- かゆみ
- フケ
- お風呂上がりの頭皮の突っ張り感
- どんなにトリートメントしても髪がパサつく
といった悩みがある方は、洗浄成分の強さそのものが合っていない可能性があります。
ラウレス硫酸Naが与える髪・頭皮への影響 ― 最新情報&リスクの整理

次に、「ラウレス硫酸Naは危険」「経皮毒がある」といった情報についても触れておきます。
「ラウレス硫酸Na=毒」というわけではない
ネット上では、
- 「ラウレス硫酸Naは発がん性がある」
- 「経皮毒で体内に溜まる」
といった、かなり強い言い方の情報も見かけます。
しかし、現在の知見では、
通常のシャンプーに配合されている濃度・使い方であれば、ラウレス硫酸Naの経皮毒性はほとんど認められていないと考えられています。
シャンプーに使用されるラウレス硫酸ナトリウムは、通常のシャンプー使用時の濃度レベルにおいて生体への影響はないと考えられた。
出典リンク:東 恵美子 中島 孝江 マウスに対する
ラウレス硫酸ナトリウム吸入の生体影響について
シャンプーのボトル裏を見ても分かるように、実際には多くの成分が少しずつ入っており、
ラウレス硫酸Naだけが高濃度で入っているわけではありません。
すすぎも行うため、「大量のラウレス硫酸Naが皮膚から吸収され続ける」という状況にはなりにくいのです。
つまり、
ラウレス硫酸Naは「洗浄力の強い成分」ではあるが、「猛毒成分」というわけではない
というのが、現実に近い評価です。
本当に強いのは「ラウリル硫酸Na」
もともと動物実験などで強い皮膚刺激性が報告されているのは、ラウリル硫酸ナトリウム(SDS)です。
ラウリル硫酸Naは、ラウレス硫酸Naよりも分子構造が小さく、
そのぶん皮膚に浸透しやすく、刺激も強いと考えられています。
そのため、現在ではラウリル硫酸Naをシャンプーに使うこと自体がかなり減っており、
代わりにラウレス硫酸Naが広く使われるようになりました。
「ラウレス sulf○○」「ラウリル sulf○○」がごっちゃになり、
すべてラウレス硫酸Naの問題として語られているケースも多いのが現状です。
『ラウレス硫酸ナトリウム』と『ラウリル硫酸ナトリウム』の違いは?
ラウレス硫酸ナトリウムについて気になって検索された方の中で、『ラウリル硫酸ナトリウム』というかなり似た名前のものが関連で出てきた方も多いのではないでしょうか?
“ラウレス”と“ラウリル”、かなり似ていますよね・・・。
しかし、この二つには大きな違いがあります。
それは一言でいうと、洗浄力の強さと頭皮への浸透のしやすさです。
まず、ラウリル硫酸ナトリウムはラウレス硫酸ナトリウムより洗浄力が強く、その分頭皮への刺激が強くなっています。
また、なぜラウリル硫酸ナトリウムはより頭皮に浸透しやすいかというと、それはそれぞれの成分の分子の構造が違うからです。
1つのラウリル硫酸ナトリウム分子に、『ポリオキシエチレン』という物質がくっついたものがラウレス硫酸ナトリウムです。
そのため、ラウリル硫酸ナトリウムの方がラウレス硫酸ナトリウムよりも小さな構造を持つ物質ということです。
“小さな構造を持つ”ということは、それだけ“皮膚に浸透しやすい”ということです。
そのため、ラウリル硫酸ナトリウムの方がラウレス硫酸ナトリウムよりも頭皮への刺激が強くなっているのです。
ラウリル硫酸ナトリウムは、非常に強力な界面活性剤で、洗い残し等があると頭皮が炎症を起こしたり・・・なんてことも多く報告されていたようです。
また、ラウリル硫酸ナトリウムは動物実験において、かゆみを誘発したり皮膚炎を生じさせたりするために使用されることもあります。
アニオン性界面活性剤の中でも強力な皮膚刺激性を有する SDS は動物実験で皮膚炎や皮膚乾燥を誘発するために使用されている
出典リンク:井浪 義博「界面活性剤によって誘発される痒みとケラチノサイトによる histamine 産生に関する薬理学的研究」
SDSとはラウリル硫酸ナトリウムのことを表しています。
そのため、現在ラウリル硫酸ナトリウムは、シャンプーの界面活性剤としてはほとんど使われていません。
その代わりに現在多く使用されているのが“ラウレス硫酸ナトリウム”なのです。
ラウレス硫酸ナトリウムとラウリル硫酸ナトリウムが同じ強さだといっている人がいたら間違いですので、そうした情報は信用しないほうがよいでしょう。
問題になりやすいのは「乾燥・摩擦・ダメージ」の連鎖
ラウレス硫酸Na配合シャンプーを、毎日・長時間・しっかり泡立てて使い続けると、
- 必要な皮脂・うるおいまで落ちる
- 髪表面が乾燥してキューティクルが乱れる
- 摩擦や静電気が起きやすくなり、さらにダメージが進行
- 結果として、パサつき・枝毛・カラーの退色・フケ・かゆみなどが目立ってくる
といった「乾燥→摩擦→ダメージ」の悪循環に入ることがあります。
毒性というよりは、
「毎日のシャンプーで、少しずつ髪と頭皮に負担をかけてしまう」
というイメージに近いです。
どんな人・ライフスタイルならSLESシャンプーがアリ/ナシか? ― 選び方の目安

ここまで読むと「じゃあ結局、使っていいの?ダメなの?」と迷いますよね。
ポイントは、自分の髪質・頭皮・生活スタイルに合っているかどうかです。
ラウレス硫酸Na配合シャンプーが「アリ」なケース
- 頭皮が脂っぽく、皮脂やベタつきが気になりやすい人
- ワックス・スプレー・オイルなど、スタイリング剤をしっかり使う日が多い人
- 仕事やスポーツで汗をかく量が多く、「とにかくスッキリ洗い流したい」日がある人
- たまに「リセット洗い」として、しっかり汚れを落とす日を作りたい人
こういった方は、
ラウレス硫酸Na配合シャンプーを“ポイント使い”で取り入れるのは十分アリです。
関連記事
ラウレス硫酸Na配合シャンプーを「控えたほうがいい」ケース
- もともと乾燥肌・敏感肌で、赤み・かゆみが出やすい
- カラーやパーマを繰り返していて、ダメージ毛・ハイダメージ毛である
- 季節的に、冬〜春の乾燥シーズンでフケ・パサつきが気になる
- 「お風呂上がりに頭がかゆくなる」「シャンプーを変えたら急にフケが増えた」など違和感がある
また、一見オイリーに見えても、
もともとの乾燥が原因で皮脂分泌が増えているケースもよくあります。
「ベタつきが気になるから、より強いシャンプーでゴシゴシ洗う」という方向に走ると、
かえって乾燥と皮脂分泌を悪化させてしまうこともあるので注意が必要です。
ラウレス硫酸Naを使うなら――正しい使い方とケアのポイント

「もう家にラウレス硫酸Na配合シャンプーがある」「いきなり全部変えるのは難しい」という人も多いはず。
そういう場合は、“使い方の工夫”だけでも、かなり負担を減らすことができます。
① よく泡立ててから、短時間で洗う
シャンプーを手のひらで軽く泡立ててから、
頭皮全体になじませるイメージで洗います。
- 原液をそのまま頭皮にベタッとつけない
- 長時間、泡を頭皮に乗せたままにしない
「2〜3分以内に洗い〜すすぎまで終える」くらいを目安にすると負担が減ります。
② すすぎはしっかり、ぬるま湯で
洗浄成分が頭皮に残ると、刺激やかゆみの原因になります。
耳の後ろ・襟足・生え際は特にすすぎ残しが多いポイントなので、意識して流しましょう。
③ 洗ったあとは、必ず「保湿」をセットにする
ラウレス硫酸Naでしっかり皮脂を落とした後は、
- トリートメント
- ヘアマスク
- 洗い流さないトリートメント
などで、髪・頭皮にうるおいを必ず補ってあげることが大切です。
④ 「毎日」ではなく、使う日を選ぶ
- スタイリング剤をたくさん使った日
- 汗や皮脂が気になる日
だけラウレス硫酸Na配合シャンプーを使い、
普段はマイルドなアミノ酸系シャンプーに切り替える、という使い分けもおすすめです。
⑤ 代表的な「ラウレス硫酸Na配合シャンプー」の例
ラウレス硫酸Naは、ドラッグストアやサロンでも非常に多くのシャンプーに使われています。
- PANTENE(パンテーン)
- LUX(ラックス)
- MILBON(ミルボン)の一部ライン
- Loretta(ロレッタ)の一部ライン
など、決して「悪いシャンプーだからダメ」と言いたいわけではありません。
あくまで「洗浄力強めのシャンプーとして、使い方と頻度を考えたい」という位置づけです。
※ラウレス硫酸ナトリウム(Na)が入っているシャンプー例
PANTENE(パンテーン)
LUX(ラックス)
MILBON(ミルボン)
Loretta(ロレッタ)
*上記のシャンプーが必ずしも悪いわけではなく、界面活性剤の1成分の観点からお話ししています。
自分にあったものは実際に試してみないとわからないので、ぜひ使ってみてください。
代替成分との比較 ― アミノ酸系・弱酸性・サルフェートフリーの選択肢

「じゃあ、ラウレス硫酸Naを避けるなら、どんなシャンプーを選べばいいの?」
という疑問に対しては、“洗浄成分で選ぶ”のがおすすめです。
刺激が強めのことが多い界面活性剤
- ラウレス硫酸ナトリウム
- ラウレス硫酸アンモニウム
- ラウリル硫酸アンモニウム
- スルホン酸ナトリウム
- パレス-3硫酸ナトリウム など
これらは洗浄力が高く、皮脂やスタイリング剤をよく落とす反面、乾燥や刺激につながりやすいグループです。
刺激がマイルドなことが多い界面活性剤
- コカミドプロピルベタイン
- ココアンホ酢酸Na
- ココイルグルタミン酸TEA
- ラウロイルメチルアラニンNa など
特に下の2つのようなアミノ酸系界面活性剤は、
- 皮膚への刺激が比較的やさしい
- 必要なうるおいを残しながら汚れを落としやすい
とされており、頭皮ケア・ダメージケアを重視するシャンプーに多く採用されています。
ラウレス硫酸Na「不使用」のシャンプー例
ラウレス硫酸Naを避けたい方に向けて、
アミノ酸系・低刺激処方がベースになっているシャンプーもたくさんあります。
- ラスティーク ディープセラムシャンプー
- THE SILK スカルプシャンプー
- haru kurokami スカルプ
- ハーバニエンス スパークリングシャンプー
- ORGANIQUE(オーガニクエ)
- BELTA シャンプー
などは、ラウレス硫酸Naを使わず、マイルドな洗浄成分をベースにしたラインナップです。
※ラウレス硫酸ナトリウム(Na)が入っていないシャンプー例
ラスティーク ディープセラムシャンプー リペア 250ml 1,980円(税込)
THE SILK スカルプシャンプー リペア 250ml 990円(税込)
haru(ハル)kurokami スカルプ 400ml 3,256円(税込)
ハーバニエンススパークリングシャンプー 200ml 1,980円(税込)
ORGANIQUE(オーガニクエ) 250ml 2,189円(トリートメントとセットなので半分の価格で換算・税込)
ベルタ(BELTA)シャンプー 300ml 4,378円(税込)
まとめ ― ラウレス硫酸Naを使うなら“こう使おう”
最後に、ラウレス硫酸Naについてのポイントを整理しておきます。
- ラウレス硫酸Naは泡立ちが良く、洗浄力が高い界面活性剤
- 「毒性が強いから絶対NG」というより、“毎日の強洗浄で乾燥・ダメージを進めやすい”成分と考えるのが現実的
- 皮脂・スタイリング剤が多い日には役立つが、乾燥肌・敏感肌・ダメージ毛の人は注意が必要
- 使うなら、
- よく泡立てて短時間で洗う
- しっかりすすぐ
- 必ず保湿ケアをセットにする
- 「毎日」ではなく、使う日を選ぶ
- 普段使いには、アミノ酸系・サルフェートフリーなどのマイルドな洗浄成分をベースにしたシャンプーを選ぶと、髪・頭皮の負担を減らしやすい
髪は毎日洗うからこそ、
「どんな界面活性剤で、どんな頻度で洗うか」が長期的な髪質や頭皮状態を左右します。
- お風呂上がりに頭がかゆい
- フケや乾燥が気になる
- トリートメントをしてもパサつきがおさまらない
といったサインがあるなら、
一度、シャンプーの成分表示をチェックし、「ラウレス硫酸Na」を含めた界面活性剤から見直してみるのがおすすめです。
ラウレス硫酸Na不使用&アミノ酸系ベースのシャンプーとしては、
ORGANIQUE(オーガニクエ)のようなオーガニックシャンプーも選択肢のひとつです。
「髪と頭皮をいたわる」という視点で、
ぜひ自分に合ったシャンプーを探してみてくださいね。
ORGANIQUE(オーガニクエ)はこれらの低刺激の界面活性剤で作られています。おすすめのオーガニックシャンプーです。

近年、どんどんヘアケアに積極的な人たちが増えてきましたし、“サラサラ・ツヤツヤヘアー”はいつだって女の子の憧れです。
髪の毛は毎日洗うので、その際のダメージを最小限にしたい!
ヘアケアにこだわってサラサラヘアーを手に入れたい!
頭皮の状態を改善したい!
という方は、まず“界面活性剤にこだわる”ことをしていきましょう。

ラウレス硫酸が入っていない、アミノ酸系でおすすめの低刺激シャンプーにはORGANIQUE(オーガニクエ)があります。
ぜひ一度お試しください。
また、現役 毛髪診断士がおすすめするオーガニックシャンプーを紹介した記事はこちらです。
ラウレス硫酸ナトリウムが入っていない安心安全のシャンプーが気になる方はこちらの記事もあわせてご覧くださいね。










