美容室に行くほどではないけれど、前髪や全体の長さを整えたい時に便利なのがセルフカット用のはさみです。
セルフカット用はさみと言っても用途によって種類が異なります。
同じ用途でも種類が多く、価格の幅も広いため、何を選べばいいのか悩んでしまいますよね。
今回は美容師がセルフカット用はさみの選び方とおすすめのセルフカット用はさみを紹介します。
後半では美容師だから知っているセルフカット用のコツと、はさみのお手入れ方法も解説いたします。
美容師 / webライター
メガネ
美容師免許取得後、美容室を勤務して8年。現在は親が経営する美容室で事務をやりつつ、Webの知識も併用してWebライターとして活躍中。 美容師勤務中の手荒れの経験から、体の内側から髪をきれいにする術を研究している。ヘアケアからヘルスケアなどの、幅広い知識で記事を執筆中。 「薄毛に特化したヘッドスパ」が得意で、美容師時代もお客様から指名をよく受けていた。
セルフカット用はさみと普通のはさみの違いは?
セルフカットをするためには、はさみが必要です。
しかし、よく家庭に置いてある紙を切るためのはさみで髪の毛を切るのだけはやめておきましょう。
それは、以下のような違いがあるからです。
つまり、素材や刃の形によって、切れ味に違いがあるからです。
紙を切るはさみだと、髪の毛にダメージを受けてしまいます。
セルフカットであっても、髪専用のはさみを用意してみてください。
セルフカット用はさみの種類と選び方
セルフカットをするためのはさみには、そもそも種類に違いがあるため、選び方が存在しています。
用途や目的によって、選び方に違いがあるので注意しましょう。
セルフカットであっても、ある程度こだわっていないと、仕上がりに満足できなくなってしまいます。
特に、はさみの握り具合など、髪を切る時にストレスを感じる人は、以下の内容をチェックしておいてください。
セルフカット用のはさみの種類
セルフカットで使うはさみは、それぞれ種類があります。
仕上がりだけでなく、切りたい髪型や用途によって使い分けしておきましょう。
基本的には、ベーシックな形のはさみを用意しておいてください。
これ1本あれば、セルフカットで困ることはありません。
ただし、細かい要望には応えられない人もいるので、慣れないうちは、他の2種類のはさみを用意すると無難です。
セニング用のはさみは、毛量を調整する時。
スライド用のはさみは、髪の毛の質感を調整する時に使います。
ちなみにスライドとは、はさみを滑らせながら髪の毛を切る技法です。
なれていない人が通常のはさみでスライドカットをしてしまうと、髪の毛が逃げないのでダメージとなってしまいます。
スライド用のはさみだと、髪の毛が逃げてくれるので、スライド加工されたはさみを見つけておきましょう。
はさみの素材
セルフカット用のはさみは、素材によって特徴に違いが出てきます。
ほとんどのはさみは、ステンレスでできています。
そこまで素材は気にする必要はありませんが、ハサミを長持ちさせたい人は、上記で紹介しているレアメタルなどの素材が使われたはさみを使いましょう。
どれもさびにくい特徴はありますが、さらに頑丈にできるからです。
レアメタルは、強度を増したり錆びにくくする構造材料への添加材として、また発光ダイオードや電池、永久磁石などの電子・磁石材料として、さらには光触媒やニューガラスなどの機能性材料として用途は多岐に渡り、現代社会では非常に重要な元素と言えます。
引用:レアメタルの基礎知識|国立研究開発法人物質・材料研究機構より
ハンドルの種類
ハンドルとは、はさみを持つところに付いている柄の部分です。
髪を切る時に小指を置くことができるので、長時間髪を切っていても、疲れにくいというメリットがあります。
ただし、はさみによっては付いているハンドルに違いがあるので意識して選んでみましょう。
見た目にも違いがあるので、セルフカットの時は好みで選んでも問題ありません。
こだわりがあるのなら、ハンドルの種類で感じられる機能の違いまで見ておくことがおすすめです。
調節ねじや刃線
調整ねじとは、刃が交わる部分を固定している部品です。
はさみによっては、手で回せるものとできないものがあります。
セルフカット用のはさみを長く使うのなら、自分で調整できるねじのついたものを選びましょう。
また、刃線の形を見ておくのも忘れないようにしてください。
刃線とは、髪が切れる部分に付いている刃の形です。
ボブのような毛先を揃える髪型にしたいのなら直刃。そうでないのなら、柳刃を選ぶのが無難です。
スライスカットをする予定なら、笹刃を選んでおきましょう。
セルフカット用はさみ10選【用途・種類別】
セルフカット用のはさみの選び方を紹介してきましたが、よくわからない人もいるでしょう。
少なくとも用途に合わせて、はさみを選ぶようにしましょう。
ただ極端に高いものを選ぶだけでは、仕上がりに満足できない時もあるからです。
とはいえ、どんなはさみを選ぶべきか、よくわかっていない人もいると思います。
そこでおすすめのセルフカット用のはさみを、9本ほどまとめてみました。
カット用のおすすめ3選
とりあえずセルフカット用のはさみを持っていない人は、これから紹介するカット用のスタンダードな形のはさみを選んでおきましょう。
あまりセルフカットに慣れていないのなら、コンパクトな形のはさみを選ぶのがおすすめです。
小回りが利いて、失敗を抑えられます。
刃が長いはさみは、1回で切る髪の量が多い時に役立ちますが、切る予定のない余計な髪の毛まで切ってしまうでしょう。
また、握りやすいように、手のサイズに合ったはさみを選ぶのも基本です。
GREEN BELL 匠の技 ステンレス製 ヘアカットはさみ G-5001 145mm ¥3,080(税込)
GREEN BELLのはさみは、価格としてはかなり安くなっています。
その割に、素材はステンレスが使われているので、濡れているところでカットをしても問題ありません。
ねじの部分も手で握れるようになっているので、長期間使って緩んだとしても、調整しやすいところも大きなメリットです。
セルフカットのための最初のはさみとして、とりあえず選んで間違いありません。
このはさみに満足できなくなってきたら、以下のはさみにステップアップしてみてください。
飛燕シザー Tsubame -燕- Plus B 立体 オールマイティ シザー 6インチ ¥9,680(税込)
飛燕シザーは、美容師も使うブランドのはさみです。
切れ味がいいのに、価格としてはそこまで高くありません。
質の高いセルフカット用のはさみが欲しい人は、要チェックです。
また、公式サイトで購入すれば、刃の研ぎなどのメンテナンスもしてもらえます。
長く使えるようになっているので、こだわりたい人は試す価値があるでしょう。
WASHOU パーフォマンスシリーズ ESC 5.5インチ ¥38,500(税込)
セルフカットを頻繁にするような人は、切れ味がいいWASHOUのはさみを使うようにしましょう。
価格がそれなりにするだけに、美容師が毎日カットで使うように作られています。
長時間使っても疲れにくいので、毎日セルフカットをしても苦になりません。
とはいえ、切れ味がかなりいいので、指を切らないようにしましょう。
それだけ髪の毛もしっかり切れるので、様々な切り方もできます。
美容師を目指す人も、とりあえず1本持っておいて損はありません。
すきばさみのおすすめ3選
すきばさみは、髪の量を減らすためのはさみです。
セニングとも呼ばれており、毛量が多い人は1本持っておきましょう。
通常のはさみを切る時のように、はさみを横から入れて切っても、ぶつ切りにならずに量だけ減らせられます。
ただし、はさみによっては、横から切ったとわかるようにラインが出るものもあるので要注意です。
刃線の形などをよく見て、自然に量を梳きたい時は、以下で紹介するはさみを試してみましょう。
また、ギザギザになっている部分の刃の隙間の幅によって、梳く量が変わってきます。
そのあたりも選ぶ上で大事になるので、要チェックです。
GREEN BELL ステンレス製スキはさみ 16cm ¥3,300(税込)
GREEN BELLはすきばさみに関しても、価格が抑えられたコスパのいいはさみになっています。
かなり安いので、初めてすきばさみが欲しい人は試してみましょう。
もちろん、ステンレスで作られているので、濡れているところで髪を切っても問題ありません。
質はそこまで悪くありませんが、必要最低限のすきばさみだと思っておきましょう。
物足りないと感じたら、以下で紹介する質が高いすきばさみを試すのがおすすめです。
ディーズプロダクト DEEDS GTZ630CT 2段セニング 30目段刃 6インチ ¥14,080(税込)
ディーズプロダクトのすきばさみは、上記のはさみよりワンランク上です。
長時間セルフカットをしていても、疲れにくい設計の上に、切れ味もよくなっています。
また、すきばさみを横からザックリ切っても、切った跡が自然に見えるところも大きなポイントです。
もちろん切れ味がいいので、刃を横に入れなくても、様々な角度から切れるでしょう。
使い勝手の良さは、安いものよりいいので、髪の毛の量を減らす頻度が多い人ほど試してみてください。
DANシザー 美容師用カットハサミ セニングシザー 16.5cm ¥38,800(税込)
DANシザーは、さらに上級者向けのセニング用シザーです。
カットポイントが同じところに集中していないので、このはさみも量を梳いた髪でも自然に仕上がります。
また、梳き率が上記で紹介した、すきばさみより少し多めです。
しっかり梳きたい人はちょうどいいですが、梳きすぎには注意しましょう。
ネジも自分で調整できるので、緩んだ時でも安心できるところも安心材料になっています。
スライドタイプのおすすめ
スライド用のはさみは、片方しか刃が付いていません。
そのため、スライドしながら髪を切っても、髪が逃げてくれるので質感が調整できます。
スライドカットをセルフカットで活用したい人は、1本持っておきましょう。
飛燕シザー Tsubame -燕- 立体 575 Slider スライダー スライドシザー 5.75インチ ¥29,480(税込)
スライドカットができるはさみは、そこまで多くありません。
その中でも飛燕シザーのはさみは、質が高くて価格も極端に高くないレベルのスライド用のはさみが用意されています。
名前のとおりスライドカットは、はさみを動かしながら髪の毛を切るので、握りやすくなっているものを選びましょう。
もちろん、飛燕シザーのはさみは、握りやすい上に刃の長さもバランスよく設計されていて安心です。
ハンドル部分も立体に作られているので、スライドカットをしてもストレスがほぼありません。
セット商品のおすすめ3選
セルフカットをするなら、はさみ1本だけでなく、その他のものを揃える必要があります。
セット商品を選ぶと、様々なものが揃っていて、セルフカットをしてもあまり困りません。
このように、セルフカットのセット商品を選ぶ時は、用途によって選ぶのもいいでしょう。
これからセルフカット用品を揃える人は、セルフカット用品がたくさん揃ったものを選ぶのがおすすめです。
今持っているものを使ってセルフカットをしていて、特に困らないのならはさみだけのセット商品を選んでみてください。
コスパがよくて、失敗が最小限に抑えられます。
貝印 セルフ用散髪セット ¥2,970(税込)
貝印のはさみセットは、はさみだけでなく、コームも付いています。
はさみに関しては、すきばさみと通常のはさみの2本セットです。
前髪や毛先だけを剃るえる程度で、特にこだわったセルフカットをしない人にちょうどいいでしょう。
逆に、このセットだけで、こだわったセルフカットをするのなら要注意です。
少し物足りないと感じるかもしれません。
富士山シザー カットシザー セニングシザー ¥9,980(税込)
安いセルフカット用のセット商品に満足できないのなら、富士山シザーを試してみてください。
美容師が使っても、そこまで悪くはない質感が楽しめます。
しかも、はさみだけでなく、シザーオイルなどのはさみのための備品も揃っているところが大きなポイントです。
収納用のケースも付いているので、長くはさみを使いたい人も満足できるでしょう。
Hasami House シザー&セニングセット ¥15,400(税込)
Hasami Houseのはさみだと、さらに質が高いセットが使えるようになります。
通常のはさみとセニング用の2つのセットですが、両方ともネジでゆるみを調整可能です。
セニング用のはさみは、カットラインが出にくい構造をしており、美容師も使っているレベルの質感になっています。
もちろん、通常のはさみもコンパクトで使いやすく、切れ味も問題ありません。
美容師レベルのセット商品を使いたい人は、要チェックです。
美容師だから知っているセルフカットのコツ
セルフカットは、自分で髪を切るための方法です。
人の髪の毛を切るのとは、少し感覚が違うので、コツを知っておいて損はないでしょう。
また当たり前の話ですが、カットは1度髪の毛を切ってしまうと、その時点で元には戻せません。
そのため、少しずつ髪の毛を切っていくのが、セルフカットの基本です。
もちろんそれ以外にも気を付けるべきポイントがあるので、失敗したくない人は参考にしてみてください。
前髪カットのコツ
前髪カットをする時は、とにかくはさみを縦に入れて切っていきましょう。
はさみを横にしてセルフカットをした場合、前髪だとパッツンの前髪になってしまいます。
横に切ったラインがしっかり出てしまうので、ほとんどの失敗はこの切り方をしているわけです。
しかし縦にはさみを入れて切ると、切れる量が極端に少なくなります。
切りすぎるリスクを抑えられるので、前髪のセルフカットに慣れるまでは、縦にはさみを入れて切っていきましょう。
カット用はさみとすきばさみの使い方のコツ
セルフカットで最もよく使うはさみは、通常のはさみとセニングタイプです。
この2つの使い分けができれば、セルフカットで大きな失敗はなくなります。
失敗したくない人は、以下のポイントを意識してセルフカットをしてみてください。
セルフカットで最もよくある失敗が、切りすぎです。
元に戻らないので、切りすぎ防止のために、ブロッキングをしてから切るようにしましょう。
ブロッキングとは、髪をとめるクリップで切る部分を小分けしておくこと。
美容師でもカットの時に活用する方法なので、セルフカットでも活かせられます。
そして、前髪カットと同様に、はさみを縦にいて少量ずつ切っていけば失敗がほぼありません。
セニング用のはさみを使う時は、内側から切っておくと安心です。
この時にブロッキングをしておくと、内側をスムーズに切ることができます。
失敗したとしても、上から被さる髪の毛で見えなくなるので、失敗を隠せるところが大きなメリットです。
ドライカットとウェットカットのコツ
セルフカットは、髪が濡れた状態で切ることもあると思います。
ただし、髪の毛の状態によって仕上がりに違いが出るので、ドライカットとウェットカットを使い分けできるようになりましょう。
ドライカットのポイントは、とにかく髪型を整えてから切ること。これがセルフカットで最も意識するべきポイントです。
そのため、セルフカットの時に、最もドライカットの恩恵を受けるのがくせ毛の人になります。
乾いた状態で髪の毛を切れば、その乾いた髪型のまま形が残るからです。
くせ毛だと湿気でうねりが出るので、ドライカットで髪を切ったほうが、希望通りの髪型になります。
それに対してウェットカットは、カットのラインがしっかり出せる点がポイント。
ボブのように、切る口を揃える時に使いましょう。
ただし、ウェットカットで切った髪は乾いたら浮きます。
思ったよりも長めに残しておくと、希望通りの髪型に近くなるので、覚えておきましょう。
セルフカットはさみはお手入れが必要?
セルフカットを済ませたら、はさみを手入れするべきか迷う時があると思います。
結論から言ってしまうと、はさみは手入れをして損はありません。
使ったら定期的にお手入れをしておきましょう。
セルフカット用のはさみの多くは、ステンレスを使っています。
とはいえ、錆びにくい素材を使っていたとしても、汚れや水分が残っていれば錆びないとも言い切れません。
「ステンレス」だからと言ってさびないことはありません。
引用:独立行政法人 国民生活センターより
シンクをより長くさびさせないで使用するためには、塩分や他のさびたものなどの汚れと、長時間接触させないよう日常の手入れをしっかり行いましょう。
そこでセルフカットではさみを使ったら、水で洗い流して汚れも拭き取りましょう。
また、刃の間の接点部分は、油がなくなると切りにくくなります。
ここも定期的に専用のオイルで滑りを良くしておいてください。
切れ味が悪くなったら、専用の業者に研ぎに出すと安心できるでしょう。
同時にネジの調整をしてもらうと、さらに切れ味が元に戻っておすすめです。
さいごに
セルフカットは、自分で髪の毛を切って、髪型を整える方法です。
自分で髪を切るのは思ったより難しいので、専用のはさみを用意しておくと、ストレスなく髪をきれいにカットできます。
初めてセルフカットに挑戦する人や、毛先や前髪だけカットする人は、安いものを選んで問題ありません。
しかし、髪型をセルフカットで調整したい人は、刃の形やハンドル部分などの細かい部分にこだわってみましょう。
質が高いはさみを使うと、髪の仕上がりや切れ味などに違いを感じるようになります。
ただし、切れ味がいいはさみが多いので、セルフカットの時は注意しましょう。
髪の毛を切りすぎるという失敗をする人が多くいます。
また、セルフカット用のはさみは、お手入れをしないと切れ味が落ちていくので、専用の業者にお願いしましょう。
自分でお手入れもできますが、刃を研ぐのは業者にお願いしたほうが無難です。