美容師/美容師免許所持。
加藤亮平
山梨大学電気電子工学部卒。ベルエポック美容専門学校通信課卒。美容師歴14年の経験を持ち、メンズに特化した頭皮環境や薄毛に関する知見を持っている。Twitter:@ryohei2650
実はフケには種類があるの、知ってた?
まず、「フケとはなんなのか?」と気になる男性も多いのではないでしょうか?
そもそもフケにはカサカサとした「乾性フケ」としっとりと湿った「脂性フケの」大きく二種類あります。
まずはフケの種類を知りご自身のフケがどちらであるのか理解することで、原因やそれに伴う対策を考えていきましょう。
乾性フケ
カサカサとした乾いたフケである乾性フケがでる男性は頭皮が乾燥していると言えます。
もともと乾燥肌という方もいるかと思いますが、空気が乾燥する秋冬、エアコンによる乾燥、さらには夏の紫外線の影響で頭皮が乾燥している場合もあります。
また、疲れやストレスで免疫力が低下して頭皮のターンオーバーが乱れた場合や普段使っているシャンプーが頭皮環境にあっておらず強すぎる場合にも必要な皮脂を摂りすぎることで乾燥状態に陥ってしまっている場合などがあります。
対策としては頭皮を乾燥させないことが重要です。
例えばシャンプーの後は頭皮の保湿のために頭皮ローションを使うこと。
また、使用するシャンプーも洗浄力のマイルドなものを選ぶことや保湿成分がしっかりと含まれているものを選ぶなど意識することです。
脂性フケ
しっとりと湿ったフケである脂性フケがでる男性は頭皮の皮脂が過剰に分泌していることが原因と考えられます。
その要因として考えられるのは、シャンプーで頭皮の余分な皮脂が十分に落としきれていないことやホルモンバランスの乱れ、さらには代謝の異常などが原因となり、皮脂を栄養とするマラセチア菌が増殖していることが考えられます。
対策としては頭皮の皮脂量を正常に保つことです。
毎日シャンプーをしているにも関わらず余分な皮脂が残ってしまう場合は、使用しているシャンプーの洗浄成分が弱いことが考えられます。
適度な洗浄力を持つシャンプーを選ぶことはもちろん、洗い残しにも注意が必要です。
しっかりとお湯で洗い流さずに頭皮に皮脂やシャンプーの成分が残留してしまうとそれを餌とする頭皮の常在菌(マラセチア菌)が繁殖する原因にもなるため注意しましょう。
フケ、乾燥対策シャンプーの選び方
フケを予防し対策するためには毎日のシャンプーが非常に効果的です。
とはいえ前述したように間違ったものを選んでしまうと頭皮環境は逆に悪化しフケを促進させてしまう場合もあります。
フケや乾燥にお悩みの方は「保湿成分」「殺菌成分」「頭皮への優しさ」の三つをベースにシャンプーを選ぶようにしましょう。
①保湿成分
シャンプーに含まれる成分に頭皮を保湿してくれる成分が入っているかどうか確認してみましょう。
フケが発生する原因のひとつである頭皮環境の乱れは、保湿成分によって頭皮の炎症を抑えることができます。
ドラッグストアで購入できるものやサロン専売品など様々なシャンプーがありますが、シャンプーには界面活性剤が含まれているため皮脂常在菌が流れ落ちすぎてしまうことがあります。
頭皮は乾燥すると更に皮脂を出してしまうので保湿成分が入っているものを積極的に選ぶようにしましょう。
シャンプーに含まれる保湿成分には「ヒアルロン酸」「グリセリン」、「セラミド」などがあります。
②殺菌細分
次に殺菌成分が入っているかどうかも重要です。
フケが発生する頭皮、すなわち乾燥した頭皮というのは地肌を保護するために皮脂の量を多く分泌しがちです。
洗浄成分はもちろん、しっかり洗浄するには殺菌効果のある成分を含むシャンプーを選びましょう。
フケの原因になるマラセチア菌をしっかり洗い流すことができるだけでなく、男性が好みやすいさっぱりした洗い上りを実感しやすいのもポイントの一つです。
シャンプーに含まれる殺菌成分には「サリチル酸」「グリチルリチン酸ジカリウム」、「ミコナゾール」などがあります。
③頭皮への優しさ
最後は低刺激のシャンプーであるかどうかです。
洗浄成分である界面活性剤はもちろん、フケ対策向けのシャンプーは刺激が強い成分を含んでいる場合があります。
フケが発生している頭皮というのは刺激に敏感な状態であるため、肌に負担をかけないよう刺激が少ないシャンプーを選びましょう。
無添加や防腐剤不使用などと書かれている商品を選ぶと安心です。
かゆみや炎症に刺激があるとついつい触ってしまい更に悪化させてしまいます。
自然由来のシャンプーで炎症を抑えましょう。
刺激になりやすい成分は洗浄成分以外に、香料・防腐剤・着色料・アルコール・鉱物油・パラベンなどがあります。
「無添加」「〇〇フリー」などの記載があるシャンプーを積極的に選び、肌に優しいセブンである「グルタミン酸」「アラニン」などが含まれているものを選びましょう。
フケ対策のために心がけたい4つの事
フケに有効な対策は前述のようにシャンプーだけではありません。
もちろん元々乾燥肌という方もいらっしゃるかと思いますが、普段の生活の中で予防・対策はできることがあります。
ここではフケに有効な対策について解説していきます。
①ドライヤーによるオーバードライを避ける
頭皮から近い位置で温風を当てつづけると、頭皮にダメージを与え、フケや乾燥だけでなく炎症などのトラブルの原因になります。
ドライヤーを使う前にタオルドライをしっかり行い、頭皮から20cmほど離した位置でドライヤーを持ちましょう。
また、ずっと同じ場所に温風が当たらないよう、ドライヤーを持つ手を左右に振って熱を分散させながら乾かします。
さらにドライヤーの熱から頭皮の乾燥を防ぐため「頭皮ローション」をつけることも効果的です。
②規則正しい生活を送る
生活リズムの乱れやストレスの蓄積はホルモンバランスに影響を与え、頭皮のターンオーバーの乱れにつながります。
休日や平日問わず決まった時間に寝起きすることも生活リズムを整える上で効果的です。
またストレスを溜めないためには趣味の時間を確保することや、ジョギングやランニングなどの軽い運動もオススメです。
③バランスの良い食事を心がける
健康な頭皮環境を育むためには、栄養バランスのとれた食事を取ること、そして1日3食規則正しくとることが大切です。
特に脂性フケの人は、皮脂の分泌を増やすはたらきのある脂質、糖質、ナッツ類などを摂ることを控えましょう。
その代わりに体内から皮脂の分泌を抑制するはたらきがあるビタミンB 2・B 6を多く含む食品(レバー、魚、牛乳、納豆、魚肉ソーセージ、卵など)を摂ると効果的です。
また、乾性フケの人は皮膚粘膜を正常に維持する効果のあるビタミンA(にんじんや海藻類、卵、レバーなど)や、肌を保護する効果のあるビタミンB6(鶏肉やレバー、魚介類、にんにくなど)、ターンオーバー促進する効果のある亜鉛(うなぎや牡蠣などの魚介類、肉類、海藻など)が含まれる食材を取ると効果的です。
あわせて、脂肪や炭水化物、アルコールの摂取は控えめにしましょう。
④良質な睡眠をとる
寝不足だったり、寝たはずなのにすっきりしない睡眠が続いたりすると、頭皮の健康に悪影響を及ぼすことがあります。
夜うまく眠れないときは、朝起きる時間を一定にして睡眠のリズムを整え、質のよい睡眠につなげます。
また、入浴は、就寝前にリラックス効果をもたらすため、寝つきを良くしてくれます。
とはいえ、入浴時間が遅すぎると寝つきを妨げる可能性があるため、就寝の2〜3時間前に済ませるようにしましょう。
また、リラックスした状態で睡眠をとるためには就寝前のPCやスマホの操作、熱い飲み物や重い食事も避けましょう。
フケ対策になる正しいシャンプーのやり方!
前提として頭皮環境に合わせたシャンプー選びは重要です。
それと同じくらいシャンプーの方法もしっかりと見直していきましょう。
フケの最も多い原因には皮脂の洗い残しなど、正しいシャンプーを行えていない場合もあります。
頭皮に残留した皮脂は、常在菌などによって頭皮に影響を与える刺激物質に変化してターンオーバーが乱れる原因となります。
その結果、フケへとつながる恐れがあるため正しいシャンプーの方法もご紹介していきます。
①事前のブラッシング
シャンプー前にブラッシングをすることで、髪に付着した汚れやホコリを事前に浮かせたり、落とすことができます。
髪の絡みがほぐれることで摩擦による髪の毛同士の負担も軽減され、シャンプーの泡立ちも良くなります。
②十分な予洗い
シャンプー剤をつける前に髪の毛全体を「しっかりと」濡らします。
そうすることでシャンプーの泡立ちのよくなります。
その際、お湯の温度は36〜38度(体温程度)を目安にしましょう。
熱すぎると頭皮への刺激が強くなり、必要な油分を奪ってしまう可能性があります。
③シャンプーはしっかりと泡立てる
シャンプーを手に取り、しっかりと泡立ててから毛髪につけていきます。
耳の周辺、襟足(えりあし)、後頭部など、洗い残しやすい箇所もしっかりとつけてください。
爪や指を立てるのではなく、指の腹で頭皮を優しくマッサージするように洗うこともポイントです。
しっかりと泡だてずにシャンプーをつけてしまうと洗浄成分等がダイレクトの頭皮についてしまうため頭皮に負担をかけてしまう恐れがあります。
④丁寧なすすぎ
男性の場合、ショートヘアのかたが多いことですすぎをさっと済ませてしまいがちです。
とはいえこの「すすぎ」という工程は、洗髪において重要な点となります。
正しいシャンプーを選び使っていてもそのシャンプーの残留物を髪や頭皮に残してしまうとマラセチア菌が増殖する原因になってしまうからです。
髪をゴシゴシこすると傷みやすため、時間を掛けてやさしく洗い流しましょう。
目安はシャンプーで洗った時間の3倍ほどです。
⑤ドライヤーでの乾かし
ショートやベリーショートの男性に多いのが自然乾燥ですが、これは厳禁です。
髪や地肌が生乾きのままだと、嫌な臭いが発生する恐れも高まり、雑菌が繁殖しやすくもなります。
それによってフケの発生へとつながるためタオルドライした後に、ドライヤーを使用ししっかりと乾かすようにしましょう。
メンズ向け乾燥フケ対策シャンプー10選(商品紹介)
①KADASON 薬用スカルプシャンプー 250ml ¥2,622(税込)
カダソン 薬用スカルプシャンプーは、頭皮の汚れをしっかり落とし、頭皮トラブルのケアをしてくれるシャンプーです。
頭皮の荒れ・かゆみ・フケの原因となる常在菌(マラセチア菌)をしっかり洗い流して発生を防ぎ頭皮の炎症や様々なトラブルを回避してくれます。
また、2種の薬用成分の他に、脂漏性皮膚炎のことも考えて作られているため頭皮が荒れやすい方も安心して使用できます。
②スカルプD オーガニック スカルプシャンプー オイリー [脂性肌用] 350ml ¥1,986(税込)
脂性の人に合わせたオイリーコンディショニングCPXを配合し、肌タイプに合わせ植物エキスを12種類配合しています。
また毛髪補修成分を配合しているため髪を洗いながら補修し自然な艶髪を維持してくれます。
また、100通りを超える香りの中から選定し独自ブレンドした清潔感のある香りも魅力の一つです。
③NILE スカルプシャンプー 300ml ¥2,670(税込)
5種類のアミノ酸活性剤を使用し、さらにノンシリコン処方のため頭皮に優しい洗い上がりを実現したシャンプーです。
またニンニク根エキスや高麗人参エキス、センブリエキス配合で保湿の面でも頭皮をしっかりとサポートします。
④haruシャンプー(オリジナル) 400ml ¥4,070(税込)
haruシャンプーはキレイな髪を育むのは頭皮からという考えをもとに作られたシャンプーです。
健康な髪はその土台である頭皮を整えることが大事です。
まずはソープナッツエキスが古い角質をやわらかくし、ヤシ由来の洗浄成分が毛穴の奥の汚れまでスッキリ洗い流します。
さらに、頭皮にうるおいを与えるアミノ酸を配合。
洗いながらも保湿をすることで、健やかな状態を保ちます。
⑤バルクオム THE SHAMPOO 200g ¥3,300(税込)
厳選した原料でつくられた、泡立ち豊かな男性の頭皮や髪に向けて作られたシャンプーです。
加水分解シルク・植物性セラミド・コラーゲンなど、リッチな保湿成分の他、茶葉エキスなど頭皮の臭いのもととなる皮脂を抑える成分も含んでいるため、男性に必要なさわやかな頭皮を保つことができるシャンプーです。
⑥THE PUBLIC ORGANICザ パブリック オーガニック スーパーバウンシー 精油シャンプー 480ml ¥1,630(税込)
高い保湿力のクプアスバターや水分を豊かに保持するマルメロエキスを含んだアミノ酸系シャンプーで、乾燥によるストレス髪をやさしく包み込み、しっとり洗い上げます。
さらに、保水力に優れた成分が髪表面をぴたっと覆い、髪の深部まで潤いが浸透&保水して、しっとりまとまる髪へ導きます。
乾燥で毛先がパサついている方やうるおいをしっかりとキープしたい方におすすめです。
⑦BOTANIST ボタニカル ダメージケアRB 460ml ¥1,540
ドラッグストアで購入できるサロン品質のシャンプーであるBOTANIST(ボタニスト)。
高級シャンプーでよく使われる「タウリン」系の洗浄成分がメインに配合されているため頭皮に優しいのが特徴です。
また、セラミドや植物エキスをたっぷり配合しているため頭皮の保湿効果も期待することができます。
⑧ululis ウォーターコンク モイストシャンプー 340ml ¥1,540(税込)
美容水から生み出され、髪の毛だけでなく頭皮もしっかりケアしてくれるウォーターコンク モイストシャンプーです。
美容水で髪全体を覆う新ウォーターパック美容を取り入れており、補水と保湿成分を90%配合しています。
⑨h&s(エイチアンドエス) scalp スカルプシャンプー 350ml ¥723(税込)
有効成分ピロクトンオラミンが毛穴の奥に潜むフケ・かゆみの「原因菌」の増殖を防ぎ、ミクロな泡立ちで頭皮をクレンジングします。
また、ノンシリコン処方であり、弱酸性で頭皮にやさしいとされています。
⑩バイタリズム スカルプケア シャンプー 350ml ¥4,345(税込)
ベタイン系の洗浄成分を配合した頭皮に優しいシャンプーです。
アロエベラ葉エキス、キハダ樹皮エキス配合で、髪と頭皮の乾燥を防ぎうるおいをキープし、軽やかな泡による爽快感のある洗い心地は、頭皮と髪の余分な汚れをすっきりと洗い流してくれます。
2種のコラーゲンが配合されているため、ハリ・コシに悩む男性にも効果的です。
さいごに
今回は乾燥とフケの原因や対策について解説させていただきました。
フケといっても乾性フケと脂性のフケの二種類のフケがあり、まずはご自身のフケがどちらに当てはまるかを知ることが重要です。
もともと乾燥肌の男性もいらっしゃいますが、毎日のシャンプーやその他の後天的要因によって頭皮環境が悪化しフケが出ている場合もあります。
ぜひ普段お使いのシャンプーから確認してみてください。