

美容ライター/元美容部員・日本化粧品検定1級所持
岡 チヅ
国内化粧品メーカーの美容部員を経て、美容ライターとして活動中。1,000人以上のお客様の肌に触れた経験と知識を活かし、きれいになれる情報をわかりやすくお届けします。
そもそもどうして皮脂が過剰分泌されるの?

皮脂が過剰に分泌される原因は色々とありますが、多くの場合、いくつかの要素が絡み合って影響しています。
皮脂が過剰に分泌される主な原因は、以下の6つです。
- 間違ったスキンケア
- ホルモンバランスの乱れ
- 生活習慣の乱れ
- 栄養バランスの乱れ
- 季節や気候の影響
- 遺伝的な肌質
1つずつ詳しく紹介します。
間違ったスキンケア
皮脂分泌が過剰になる原因の1つに、間違ったスキンケアがあります。
ベタつきが気になるからといって、1日に何度も洗顔したり強い力で洗うのはNGなお手入れです。
バリア機能の低下により刺激に敏感になった肌を守ろうと、皮脂がより分泌しやすくなります。
またベタつきを避けるために、化粧水だけでお手入れを完了するのも間違ったお手入れです。
うるおい不足によって皮脂分泌が活発にならないよう、乳液などの油分でフタをして、うるおいをキープするようにしましょう。
ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスの乱れも、皮脂分泌が活発になる原因の1つです。
女性は、月経のサイクルによってホルモンバランスが変わります。
特に月経の2週間ほど前は、皮脂分泌を活発にさせる「プロゲステロン(黄体ホルモン)」が増え、肌が脂っぽくなりやすい時期なので注意しましょう。
生活習慣の乱れ
皮脂の過剰分泌は、生活習慣の乱れとも深く関係しています。
睡眠不足や不規則な生活が続くと、肌のターンオーバーが乱れ、肌の生まれ変わりが滞りがちになります。
バリア機能が徐々に低下し、うるおいバランスが崩れ、皮脂が過剰に出るようになってしまうのです。
栄養バランスの乱れ
皮脂分泌を過剰にさせる原因の1つに、栄養バランスの乱れがあります。
揚げ物などの油分の多い食べ物が好きな人は、肌が脂っぽくなりがちです。
また、「ビタミンB2」「ビタミンB6」不足も皮脂分泌に影響があるため、外食が多く偏った食事になりがちな人は特に注意しましょう。
季節や気候の影響
皮脂が多くなるのは、季節や気候の変化も関係しています。
特に夏は気温も湿度も上がり、皮脂分泌が活発になるためベタベタしやすい時期です。
強い紫外線を浴びることも多くなり、乾燥やダメージから肌を守るために皮脂を分泌するようになります。
もともと乾燥肌の人でも、部分的に脂っぽくなりやすいので、夏場は注意が必要です。
遺伝的な肌質
遺伝的に、もともと皮脂分泌が多くオイリーに傾きやすい肌質の人は、遺伝的な要因の可能性があります。
皮脂が出やすいタイプの人は、季節を問わず、顔が全体的に脂っぽくなりがちです。
持って生まれた肌質を変えるのは難しいので、皮脂を上手にコントロールするケアを取り入れる必要があります。
皮脂が過剰分泌されるとどんなことが起こるの?

皮脂の過剰分泌は、さまざまな肌トラブルを引き起こす可能性があります。
代表的なトラブルは以下の5つです。
- 肌のテカリ・ベタつき
- メイク崩れ
- 毛穴のトラブル
- ニキビ
- 肌荒れ
過剰な皮脂による顔のテカリやベタつきは、メイク崩れにもつながります。
また、必要以上に出た皮脂が汚れや不要な角質と混ざり合い、毛穴のトラブルやニキビを引き起こすこともあります。
ベタつきを放置することで汚れが付着しやすくなり、肌荒れや脂漏性皮膚炎にまで発展する恐れがあるので、注意が必要です。
顔の皮脂を抑える方法【生活習慣編】

ここでは、皮脂の過剰分泌を抑えるために取り入れたい生活習慣を紹介します。
ポイントは4つです。
- 栄養バランスの良い食事を摂る
- 睡眠の質を意識する
- ストレスを溜めない
- 軽い運動をする
それぞれ、どんな効果が期待できるかチェックしていきましょう。
栄養バランスの良い食事を摂る
顔の皮脂を抑えるには、栄養バランスの良い食事が重要です。
脂っぽさは、どんなものを食べているかが大きく影響します。
たんぱく質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラルの「5大栄養素」をバランスよくとり、身体の内側からケアすることを心がけましょう。
“たんぱく質、脂質、炭水化物はエネルギーのもとになる栄養素。バランスよく摂取することが大切です。”
引用元:ちょうどよいバランスの食生活|農林水産省
また、皮脂分泌につながるような、油分の多いジャンクフードや揚げ物を食べすぎないことも大切です。
さらに、脂質の代謝をサポートする「ビタミンB2」「ビタミンB6」を多く含む食品を摂るようにしてみてください。
ビタミンB2を含む食品 | ビタミンB6を含む食品 |
・卵 ・納豆 ・レバー ・うなぎ ・乳製品など | ・サーモン ・バナナ ・サツマイモ ・赤身肉 ・マグロなど |
睡眠の質を意識する
皮脂分泌を活発にさせないためには、しっかりと睡眠をとることも大切なポイントです。
1日7時間以上の睡眠が理想ですが、そこまでの時間を確保するのが難しい場合は、睡眠の質を上げる工夫をしてみてください。
ゆっくり入浴してから眠る、寝る前はスマホなどのブルーライトを避ける、ストレッチをして体をほぐすなどの方法がおすすめです。
ストレスを溜めない
ストレスによるホルモンバランスの乱れは、過剰な皮脂分泌につながります。
自分なりのストレス解消法を見つけることが効果的です。
サウナや旅行などの趣味を持つ、休日は自然に触れてのんびり過ごす、リラックス効果のあるラベンダーのアロマを焚くなど、何かできることを1つでも取り入れてみましょう。
軽い運動をする
過剰な皮脂分泌を抑えるには、軽く運動をすることもおすすめです。
成長ホルモンの分泌が増えることで肌もうるおい、なめらかな状態に整います。
好きなスポーツや流行りのピラティスなどはもちろん、ウォーキングや自宅での筋トレのような軽い運動でもOKです。
無理のないことから始めてみてください。
顔の皮脂を抑える方法【スキンケア編】

顔の皮脂を抑えるには、適切なスキンケアを行うことが大切です。
以下のポイントに気をつけてお手入れしていきましょう。
- 丁寧なクレンジング
- 皮脂をケアする洗顔
- 水分と油分をバランスよく保湿
- Tゾーンの皮脂対策
丁寧なクレンジング
顔の皮脂を抑えるには、メイクや皮脂汚れをきちんと落とすことが大切です。
皮脂とメイク汚れは肌トラブルの原因にもなるので、丁寧にクレンジングをしましょう。
皮脂が出やすい肌質には、バームタイプのクレンジングや、皮脂吸着効果のある炭入りのタイプがおすすめです。
強い摩擦は肌にダメージを与え、より皮脂分泌を悪化させる恐れがあります。
優しく、肌の上をすべらせるようにするのがポイントです。
皮脂をケアする洗顔
顔の皮脂を抑えるには、皮脂ケアの成分が入った洗顔料できちんと洗い流すことも重要です。
酵素入りのタイプやスクラブ入りなど、スッキリと洗いあがる洗顔が適しています。
不要な皮脂や古い角質を落とす効果を期待できるので、毛穴の開きやニキビなどの肌トラブル予防にもつながります。
水分と油分をバランスよく保湿
顔の皮脂を抑えるためには、肌の水分と油分のバランスを整えるスキンケアを意識してみてください。
ポイントは「水分のうるおいはたっぷりと、油分の保湿も控えすぎない」ことです。
肌のうるおいが低下すると、乾燥を防ぐためにさらに皮脂が分泌されます。
化粧水など水分の保湿をしっかり行い、乳液など油分を含むコスメで仕上げにフタをし、うるおいが逃げないようにしましょう。
Tゾーンの皮脂対策
顔の中でも、特に脂っぽくなりやすいTゾーンはケアを変えるのが効果的です。
全体的に保湿した後、特にテカリやすいTゾーンには、皮脂分泌を整える効果のあるものを使うようにしてみてください。
過剰な皮脂を抑える「ビタミンC誘導体」が入ったコスメや、皮脂吸着のパウダーが入ったタイプがぴったりです。
皮脂対策におすすめのスキンケア成分一覧!

いざ皮脂対策をしようと思っても、どんな美容成分が入ったものを選べば良いのか迷ってしまうことも多いと思います。
ここでは、皮脂対策におすすめのスキンケア成分を5つ紹介します。
- ビタミンC誘導体
- レチノール
- ナイアシンアミド
- ライスパワーNo.6
どのような効果が期待できるのか、1つずつ詳しく解説します。
ビタミンC誘導体
ビタミンC誘導体は、過剰な皮脂分泌の抑制をサポートする成分です。
肌のテカリやベタつき、毛穴のトラブルなどにアプローチします。
肌のターンオーバーを助ける働きもあるので、皮脂によるくすみなどを抑え健やかな肌に導きます。
レチノール
レチノールは、皮脂の過剰な分泌を抑える働きが期待できる成分です。
肌のターンオーバーを促すことで古い角質がたまりにくくなり、皮脂の排出をスムーズにします。
“レチノールは、皮脂の分泌を抑えることで、毛穴の詰りや開きを軽減する効果が期待できます。
そのため、ニキビや皮脂による湿疹の予防に有効です。”
引用元:レチノールの効果とは?使う際の注意点やポイントを解説|健栄製薬
ナイアシンアミド
ナイアシンアミドは皮脂の分泌を抑えるため、肌のテカリや脂っぽさを予防するのに効果的な成分です。
皮膚の保水力を高めるケアもするため、乾燥によるテカリに悩む肌にも適しています。
ライスパワーNo.6
ライスパワーNo.6は、皮脂腺にアプローチして皮脂の過剰分泌を抑える成分です。
肌の水分量はキープしつつ皮脂をコントロールするので、肌質を選ばずに使えます。
肌のテカリやニキビの予防も効果的です。
“ライスパワーNo.6には皮脂腺の脂質合成低下による皮脂抑制作用が認められています。”
引用元:ライスパワーNo.6(米エキスNo.6)の基本情報・配合目的・安全性|化粧品成分オンライン
顔の皮脂対策におすすめなスキンケアグッツ10選(商品紹介)
1.アテニア スキンクリアクレンズオイル アロマタイプ 170ml 1,980円(税込)
皮脂汚れやウォータープルーフのメイクをすっきり落とす、ダブル洗顔不要のクレンジングオイルです。
8種類の植物美容オイル配合で、もっちりした洗い上がりを実現。肌のうるおいを奪いすぎない点が魅力です。
古い角質を洗い流す「珊瑚草オイル」の力で、くすみや肌のベタつきをすっきりオフします。
弾力のあるオイルは肌あたりが柔らかく、敏感肌の人にもぴったりです。
香りは柑橘系・ローズ・無香料の3種類から、好みに合わせて選べます。
2.アヌア ドクダミポアディープクレンジングフォーム 150ml 2,000円(税込)
脂性肌・混合肌の皮脂対策におすすめのクレンジングフォームです。
メイク汚れや毛穴の汚れを、もっちり泡がすっきりオフ。
自然由来成分を含んだ「ANTI‐SEBUM P」が毛穴を引き締め、過剰に分泌された皮脂をケアします。
さらにドクダミ由来のスクラブが角質をケアし、ツルツルの洗い上がりに。
肌に刺激が少ない処方なので、ゆらぎやすい肌にもぴったりです。
3.ファンケル 洗顔パウダー 50g 1,250円(税込)
余分な皮脂をしっかり落とし、極上のつるつる肌に洗い上げるパウダー状の洗顔料です。
濃密なもっちり泡がうるおいを守りつつ、皮脂・毛穴の黒ずみ・不要な角層をつるんとオフします。
不要なものだけを洗い流す処方なので、うるおいを逃がさない点も人気の秘密です。
次に使う美容液の浸透も促すため、乾燥による皮脂予防にも適しています。
コシのある泡で肌を包み込むように洗えるため、摩擦による肌ストレスがない点も魅力です。
4.スキンフード レモングラスナイアシンアミド5%パッド 60枚入り 2,800円(税込)
水分と皮脂のバランスを整える、敏感肌のための拭き取り化粧水パッドです。
水分はアップしつつ皮脂を抑えるので、うるおいが不足するのにテカる肌に適しています。
「ナイアシンアミド」を5%配合し、皮脂・毛穴・ニキビ・インナードライなど、さまざまな悩みにアプローチ。
キメの整った、透明感あふれる健やかな肌に導きます。
エッセンスをたっぷり含んだ厚手コットンパッドなので、摩擦レスでお手入れすることが可能。
さわやかなレモングラスの香りで、気持ちよくケアできる点も魅力です。
5.トゥヴェール バランシングGAローション 100ml 2,000円(税込)
肌を引き締めることで過剰な皮脂を抑え、ざらつきのないクリアな肌に導くプレ化粧水です。
洗顔後すぐになじませることで、次に使う化粧品の浸透もサポートします。
皮脂トラブルをケアするアゼライン酸誘導体原液が、気になるベタつきや頬・小鼻などの毛穴をひきしめて、なめらかな肌に導きます。
さらに肌のキメに働きかける「グリシルグリシン」など、厳選された美容成分と7種のフルーツ由来成分をたっぷり配合。
うるおいを補給しつつ皮脂によるトラブルを防ぎ、クリアでみずみずしい肌を実現します。
6.オルナオーガニック 化粧水(さっぱりタイプ) 200ml 2,080円(税込)
脂性肌・混合肌向けのさっぱりとした化粧水です。「セイヨウハッカ葉エキス」「ビタミンC誘導体」を配合。
肌を引き締め、ハリとツヤを与えながら、皮脂や毛穴悩みにもアプローチします。
サラッとしたテクスチャーで素早く肌に浸透し、触りたくなるさらツヤ肌を実現。
「セラミド・コラーゲン・ヒアルロン酸」のトリプル保湿成分が、肌にうるおいを届けます。
心をほぐすフレッシュな植物アロマの香りは、朝のメイク前にもぴったりです。
「8種の無添加」と「オーガニック認証成分」の処方で、繊細な肌にも適しています。
7.キュレル 皮脂トラブルケア化粧水 150ml 2,090円(税込)
うるおいを補いながら、過剰な皮脂による肌荒れを防ぐ化粧水です。
セラミドが肌のバリア機能をサポートし、外部からの刺激に負けない肌へと導きます。
皮脂対策向けの化粧水でヒリヒリするような、刺激に弱い肌でもストレスなく使え、肌の調子を上向きに。
乾燥だけでなく、過剰な皮脂で肌荒れをくり返す敏感な肌にぴったりです。
うるおい成分であるユーカリエキスが、なめらかでうるおいに満ちた肌に整えます。
ベタつかない使用感のノンオイリー処方なので、肌質を選ばずに使える点も魅力です。
8.ビオデルマ セビウムスキンリファイナー 30ml 2,590円(税込)
過剰な皮脂をおさえるジェル状クリームです。「エブリコエキス」をはじめとしたさまざまな美容成分を配合。
皮脂が気になる肌を引き締めて、毛穴の目立ちやメイク崩れのないなめらかな肌に仕上げます。
さらに、古い角質をケアするサリチル酸が、ふっくらとやわらかな素肌に導きます。
パウダー成分がテカリを抑え、長時間サラサラな素肌をキープするので、皮脂崩れが気になる部分のメイクアップベースとしてもおすすめです。
9.アユーラ オイルシャットデイセラム 10g 2,750円(税込)
朝のひと塗りで日中のさらさら肌をキープする、ペースト状の美容液です。
皮脂や汗をはじきつつうるおいを密封する、ラスティングヴェール処方を採用。
ベタつきやテカリ防止はもちろん、乾燥による化粧くずれを防ぎたい方にもおすすめです。
「毛穴ぼかしパウダー」が毛穴の目立ちをカバーし、キメの整ったなめらかな肌を演出します。
ペースト状なので、気になる部分にピンポイントでサッと塗れる点も魅力です。
朝のお手入れの最後、化粧下地やファンデーションの前に使用してください。
10.VTコスメテックス AZケアマスク 30枚入り 1,584円(税込)
皮脂や古い角質にアプローチし、肌トラブルを集中的にケアするシートマスクです。
アゼライン酸・AHA・BHAなどの美容成分を配合し、皮脂の過剰分泌はもちろん、古い角質や肌トラブルまでケアします。
柔らかいクリオセル生地に、VTだけの特別な組み合わせのエッセンスをギュッと凝縮。
肌に優しくフィットし、うるおいを角層まで浸透させます。
ベタつきのないさらりとした肌に導き、化粧ノリをぐっと高める点も特徴の1つです。
さいごに
今回は、肌の皮脂を抑える方法と、おすすめスキンケアグッズ10選を紹介しました。夏場のテカリには、正しいスキンケアで皮脂対策を行うことが重要です。
睡眠不足やバランスの悪い食事などは、皮脂分泌を悪化させる原因になります。運動などを取り入れた健康的な生活と、肌に合ったお手入れで、皮脂に悩まされないサラサラの美肌を目指してみましょう!