「髪にダメージをこれ以上与えたくない!」
「髪の指通りがとても悪い」
「シリコンは髪と肌に悪い成分なの?」
と感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、シリコンシャンプーの効果や選び方について紹介します。
また、現役美容師が厳選したおすすめのシリコンシャンプーも最後にお伝えします。
美容師/美容師免許所持。
加藤亮平
山梨大学電気電子工学部卒。ベルエポック美容専門学校通信課卒。美容師歴14年の経験を持ち、メンズに特化した頭皮環境や薄毛に関する知見を持っている。Twitter:@ryohei2650
シリコンシャンプーとは?
シリコンとはケイ素を主成分とした合成樹脂で、いわゆる髪の毛をコーティングするコーティング剤のことです。
そのため髪の毛のダメージが気になる方やきしみ、絡まりが気になる方には指通りが良くなるだけでなくしなやかにまとまった質感にしてくれるのが特徴です。
また、髪の毛をコーティングすることで熱や摩擦によるダメージから髪の表面にあるキューティクルを守る働きがあるためダメージの進行の抑える効果があります。
その一方でノンシリコンシャンプーというのはその名の通りシリコンが含まれていないシャンプーのことを指します。
シリコンシャンプーがしっとりと仕上がるのに対しノンシリコンシャンプーはふわっと軽い、サラサラとした質感に仕上がりになるのが特徴です。
全く違った質感になるこの二つのシャンプーは、求める髪質によって使い分けることをお勧めします。
とはいえその見分け方として「シリコン入り、シリコン無し」と記載されているわけではありません。
見分け方としては成分表を確認していただき、以下のような成分が含まれている場合は、シリコンシャンプーとして認識してよいでしょう。
シリコンシャンプーに含まれる成分
ジメチコン
シクロメチコン
フェニルトリメチコン
アモジメチコン
シクロペンタロキサン
シリコンは頭皮や髪に悪い?
シリコンが含まれていないシャンプー、つまりノンシリコンシャンプーの方がいいというイメージをお持ち方が多いのではと思うのですが果たしてそうなのでしょうか?
例えばカラーやパーマによるダメージや日々のドライヤーやヘアアイロンによる熱のダメージがきになる方であれば絡まりや毛先の引っ掛かりが気になるはずです。
ノンシリコンの方がいいのだろうというイメージだけでノンシリコンシャンプーを使ってしまうと、余計に絡まりやごわつきが悪化しさらなるダメージが予想されます。
そもそもシリコンが良くないというイメージが持たれている大きな理由は「頭皮や髪がべたつく」、「毛穴に詰まって頭皮に良くない」というところだと思います。
確かにシャンプー後の『洗い流し』が足りないことでシリコンが頭皮の毛穴に詰まり、べたつきや毛髪のダメージ、抜け毛などのトラブルを引き起こすことはある可能性はあります。
しかし、これらはしっかりと洗い流せば解決でき、逆に「ノンシリコンの方がいい」というイメージだけでシャンプーを選んでしまうと本当に頭皮や髪のダメージに必要なものが不足し状態を悪化させる可能性があります。
大事なのはそれぞれの特徴や特性をきちんと理解し自分が求める質感は何なのかを知った上で、正しいシャンプーを選び使うことです。
シリコンシャンプーをおすすめできる方の特徴
・毛先のダメージが気になる方
ヘアカラーやパーマをされている方も多いかと思いますがそこで気になるのが髪のダメージです。
薬剤により受けたダメージは髪は枝毛や切れ毛などの原因となり毛先の絡まりや引っかかりを引き起こします。
そこで、シリコンがキューティクルをコーティングし保護してくれることで、きしまず絡まりを抑えてくれるためさらなるダメージのリスクを軽減してくれます。
・髪の毛の広がりが気になる方
髪が多くてボリュームが出過ぎてしまう人や乾燥による広がりが気になる方もシリコンシャンプーがおすすめです。
シリコンによるコーティング作用によって、広がりを抑えてくれるため扱いやすい髪質に仕上げてくれます。
・ヘアアイロンやコテを多用する方
アイロンやコテなど高温で髪を挟み引っ張ることでキューティクルが剥がれることがあります。
これによって切れ毛や枝毛の増加が促されます。
そこで、シリコンがキューティクルをコーティングすることによって、ヘアアイロンやコテ、ドライヤーの熱から髪の毛を守ってくれます。
シリコンシャンプーの効果
・しっとりとツヤのある質感に仕上げる
ダメージを受けた髪はキューティクルがはがれることで乾燥やパサつきが目立つようになります。
カラーやパーマというのは髪の表面にあるキューティクルを一度開いて薬剤を浸透させていきます。
シリコンシャンプーに含まれるシリコンは髪に被膜を作りキューティクルをコーティングすることで指どおりが滑らかにし、しっとりとした艶のある髪に仕上げてくれます。
・まとまりのある髪に仕上げる
毛量や乾燥によってまとまりが悪いと感じる方はスタイリングも難しく湿度が高い日は広がってしまうのではないでしょうか。
髪のボリュームや乾燥によってうねりや広がりは、シリコンの油分が髪の毛一本一本にコーティングすることでしっとりと重さのある質感にすることができます。
・髪へのダメージから守る
シリコンで髪の表面をコーティングすることでアイロンやコテなど熱によるダメージから髪を守る効果があります。
ドライヤーも熱によるダメージや乾燥によるダメージを促進させる可能性があります。
シリコンによる外的刺激から髪を守るバリア機能としての効果もあります。
美容師だけが知っているシリコンシャンプーの選び方
1. 洗浄成分で選ぶ
しっかりと洗いたい場合は、泡立ちのいい「高級アルコール系」や「石けん系」などのアルコール系シャンプーがおすすめです。
ベタつきの原因にもなる皮脂や汗をしっかりと落としてくれるのがアルコール系シャンプーの特徴ではありますが、その強い洗浄力により頭皮や髪に必要な潤いを奪いすぎることで負担を与えてしまう場合があります。
いくらシリコンは含まれているからといって髪の潤いがなくなってしまっては意味がありません。
もし異常を感じた場合は使用を控えるかもう少し優しい洗浄成分のものを使うようにしましょう。
フケやかゆみが気になる方や敏感肌の方にもオススメなのがマイルドな洗い上がりが特徴の「アミノ酸系」シャンプーです。
頭皮に必要な皮脂をほどよく残し適度な潤いを保つことができるアミノ酸系シャンプーは敏感肌の方はもちろんそうでない方でも負担なく使うことができます。
2. 配合されている成分で選ぶ
髪のダメージや乾燥による広がりが気になるという方は、保湿力の高い成分を配合したものを選ぶことがおすすめです。
保湿効果が高い成分として以下のような成分があります。
保湿効果が高い成分
グリセリン
セラミド
コラーゲン
ヒアルロン酸
成分表記を確認しこれらの成分が入っているものであればより高い保湿効果を得ることができます。
3. 香りで選ぶ
シリコンシャンプーにも様々な香りのものがあります。
シャンプー選ぶ際の大前提として洗い上がりの仕上がりがどのようになるかということは重要です。
とはいえシャンプーで使用感として香りも大事なポイントです。
毎日使うシャンプーであれば気分が上がるものだったりリラックス効果のある香りのものを選びましょう。
シリコンシャンプーに関する注意点
・使う際の注意点
シリコンシャンプーは成分表示の中にジメチコン・シクロメチコン・フェニルトリメチコン・アモジメチコン・シクロペンタロキサンなどの表記があるものです。
さらに注目する成分は洗浄成分です。
成分表を見ると一番最初に書かれているのは「水」と書いてあるものが多いのですが、その次に記載されているものがシャンプーの主成分である洗浄成分です。
洗浄成分とはその名の通り汚れを落とす成分なのですが、これには強さがあって頭皮の状態に合わせて選ぶ必要があります。
敏感肌や乾燥肌、フケやかゆみなどが気になる方は勿論ですが、カラーやパーマによるダメージ、コテやアイロンなどの熱によるダメージが気になる方であればシリコンだけでなく「アミノ酸系」の成分が含まれているものを選びましょう。
目安となる成分はココイル・グルタミン酸・アラニン・ラウロイルなどの表記があるものです。
・使う際の注意点
シリコンは髪の表面をコーティングしキューティクルを保護する働きがあるため、シャンプーの後はしっかりと洗い流さないとカラーリングやパーマの薬剤が浸透しにくくなる可能性があります。
また、シリコンの重さによってはパーマのカールがたれてしまいパーマが取れやすくなるとも言われています。
さらに、シリコンシャンプーが懸念される要因としてその成分が毛穴に詰まり頭皮に良くないということです。
これはしっかりと洗い流せば問題なく、そもそもノンシリコンシャンプーだろうがシリコンシャンプーだろうが洗い残しが不十分であれば洗浄成分が頭皮に残留しフケやかゆみの原因になる場合があります。
頭皮トラブルを防ぐためにもシャンプーの後はしっかりと洗い流すことが重要です。
美容師が選んだ!シリコンシャンプーおすすめ10選
※このランキングは美容師(毛髪診断士、ORGANIQUE MAGAZINE編集部員)個人の主観に基づいて作成されています。
※*価格は公式価格で表示
1.KAMIKA黒髪クリームシャンプー 400g ¥2,178(税込)
合成界面活性剤が使われておらず、不要な摩擦を防ぎながら地肌と髪を洗う泡立たないタイプのクリームシャンプーです。
パラベンフリー、鉱物油フリー、紫外線吸収剤フリー、合成色素フリー、ラウレス硫酸洗浄成分フリーなので肌にも髪にも負担をかけないというのも魅力的なシリコンシャンプー です。
2.ラサーナ プレミオール 130g ¥1,980(税込)
必要な潤いをしっかりと残すアミノ酸系の洗浄成分を配合したマイルドな洗い上がりのシリコンシャンプーです。
4種類の植物オイルと7つのハーブエキスが頭皮の油分のバランスを整えるだけでなく、海藻エキスが豊かな潤いを与え、フランス・ブルターニュ産の海泥が毛穴の奥の汚れを吸着します。
3.KERASTASE NU バン オレオ リラックス 250ml ¥3,300(税込)
くせ毛や乾燥によって広がりがきになる方にオススメなのが、ケラスターゼの中でも圧倒的にな人気を誇るオレオリラックスです。
キメの細かい芳醇な繊細な泡立ちで、スルンとした洗い上がりや軽やかにまとまるのが特徴です。
4.ロクシタン ファイブハーブス リペアリングシャンプー 300ml ¥2,860(税込)
アンジェリカ・イランイラン・スウィートオレンジ・ラベンダー・ゼラニウム、頭皮や髪をいたわる5つのハーブに加え、植物由来のダメージ補修成分が含まれていることで傷んだ髪を集中的に補修します。
ロクシタンの中でも人気の高い一本です。
5.LUX スーパーリッチシャイン ダメージリペア 260ml ¥729
プレミアムゴールドヒアルロン酸オイル(保湿成分)とシアバター・アルガンオイル(補修成分)配合で、日々のダメージだけでなく、カラーやパーマのケミカルダメージも濃密に補修してくれるシャンプーです。
果実の爽やかさを感じられる華やかな香りはフローラル系がお好みの方に最適なシリコンシャンプー です。
6.LUX スーパーリッチシャイン モイスチャーシャンプー 260ml ¥731(税込)
ウォータリーエキス(保湿成分)配合した髪の内部までしっかりと濃密なうるおいで満たすシャンプーです。
ツヤが欲しい方やふんわりとしたボリュームが欲しい方はぺたんこになりがちな髪も、内側からうるおいを感じるふんわりとした質感に仕上がります。
7.ウカ シャンプー グラマラスナイティナイト 300ml ¥3,300(税込)
アミノ酸洗浄成分ココイルアラニンNaのほか、15 種類のアミノ酸系洗浄成分を配合した安心のシリコンシャンプー です。
天然由来成分を90%配合し、きめ細かな泡立が髪を包み込むことでキューティクルの剥がれなどにより流出した成分を補います。
ダメージがきになる方にオススメのシャンプーです。
8.プロマスター カラーケア スタイリッシュ シャンプー 250ml ¥1,320(税込)
カラーによるキューティクルのダメージを補修することに特化したシリコンシャンプー です。
18MEA(疑似キューティクル)配合処方で毛髪表面の毛羽立ちを抑え、さらっとした指通りの良い髪に仕上げてくれます。
ローズと柑橘系の香りが上品且つリラックス効果を高める効果もあります。
9.ミルボン ディーセスノイドゥーエ ヴェロアリュクスシャンプー 200ml ¥1,760(税込)
3種類からなるラインナップのうち、最も嫉妬しと仕上げてくれるのがこのヴェロアリュクスです。
アクアアミノFIX効果と呼ばれる髪の内部と表面から保湿する成分が配合されてることでうるおいを保持し、根元から毛先まで均一にうるおったやわらかな髪へと導きます。
10.パンテーン エクストラダメージケアシャンプー 450ml ¥893(税込)
毛先の切れ毛や枝毛が気になる方におすすめのダメージケアシャンプーです。
肌への効果がある「プロビタミン」からヘアケアに応用されたもので、傷みが目立ちやすい毛先まで集中補修することができるのが特徴ではありながら、フレッシュでフルーティーなブルーベリー・ラズベリー・洋なしの香りがどんな方にも使いやすいシリコンシャンプー です。
最後に
今回は、シリコンシャンプーについて紹介させてもらいました。
シリコンシャンプーに対して、どうしても悪いイメージを持っている方も多いと思います。
しかし、どんなシャンプーを使うとしてもしっかりと洗い流すことが重要なので、洗う際はそのような点を意識するようにしましょう。
自分にあったシリコンシャンプーを選んで、髪質の良い、ツヤのある髪を目指しましょう。
参考文献
・シリコンシャンプーとノンシリコンシャンプーの違いは何?
・【知って、なるほど化粧品】シリコンについて
・グリセリンとは…成分効果と毒性を解説
・2.セラミドの保湿メカニズム
・コラーゲン配合化粧品って効果あるの!?「コラーゲン」にまつわる素朴な疑問に研究員が答えます!
・ヒアルロン酸Naとは