

美容師 / webライター
メガネ
美容師免許取得後、美容室を勤務して8年。現在は親が経営する美容室で事務をやりつつ、Webの知識も併用してWebライターとして活躍中。 美容師勤務中の手荒れの経験から、体の内側から髪をきれいにする術を研究している。ヘアケアからヘルスケアなどの、幅広い知識で記事を執筆中。 「薄毛に特化したヘッドスパ」が得意で、美容師時代もお客様から指名をよく受けていた。
プールでヘアカラーが色落ちする主な原因

夏のレジャーやジム通いなどでプールを楽しみたいけれど、ヘアカラーの色落ちが気になるという方は多いのではないでしょうか?
せっかく染めたお気に入りの髪色が、すぐに変わってしまうのは避けたい人もいると思います。
結論から言うと、プールの環境にはヘアカラーの色落ちを早めてしまう、いくつかの原因があり、それが以下の3つです。
- 消毒のための塩素が原因になる可能性がある
- 弱アルカリ性による性質による影響も考えられる
- 外でプールに入るのなら紫外線に対しても考慮する
これら3つの要因が重なり合うことで、プールではヘアカラーが通常よりも早く色落ちしてしまいます。
それぞれの原因について、もう少し詳しく見ていきましょう。
プールの塩素が髪に与えるダメージについて解説

プールに入った時に感じる独特の匂いは、多くの方がご存知の通り「塩素」によるものです。
プールは多くの人が利用するため、水質を安全に保つための殺菌消毒が欠かせません。
塩素は衛生管理のために投入されています。
実際、プールの衛生管理については、安全のために一定の塩素濃度を保つよう基準が定められており、以下のように、文部科学省が示す学校環境衛生管理マニュアルには記載されています。
給水栓における水が、遊離残留塩素を 0.1 mg/L(結合残留塩素の場合は、0.4mg/L)以上保持するように塩素消毒をすること。
ただし、供給する水が病原生物に著しく汚染されるおそれがある場合又は病原生物に汚染されたことを疑わせるような生物若しくは物質を多量に含むおそれがある場合の給水栓における水の遊離残留塩素は、0.2 mg/L(結合残留塩素の場合は、1.5 mg/L)以上とする。
※引用:学校環境衛生管理マニュアル|文部科学省より
このように、私たちが安全にプールを利用するために塩素は不可欠な存在です。
しかし、その強力な殺菌作用は、デリケートな髪や肌にとっては負担となり、ダメージの原因にもなってしまいます。
では、塩素は具体的に髪へどのような影響を与えるのでしょうか?
以下では、色落ちだけではない塩素ダメージのメカニズムを詳しく見ていきましょう。
髪のたんぱく質を壊し、乾燥とパサつきを招く
プールの塩素が髪にダメージを与えるのは、髪の主成分である「たんぱく質」を変化させてしまう性質があるためです。
これが、髪が乾燥してパサつきを感じる直接的な原因となります。
特に、髪の表面をうろこ状に覆って内部を守っている「キューティクル」は、塩素の影響を受けやすい部分で、キューティクルが塩素によって傷つけられた場合、髪本来のなめらかさやツヤが失われ、指通りを悪くしてしまいます。
塩素濃度の高い水に長時間毛髪がさらされると、キューティクルのタンパク質が変質し、毛髪表面のなめらかさが失われ、キューティクルが剥がれやすい状態になります。
特に濡れた状態で髪がこすれると、キューティクルが剥がれやすくなります。
キューティクルが薄くなると、毛髪内の蛋白質の変質や流出が起こりやすくなり、髪の色も抜けやすくなります。
※引用:髪の知識|花王株式会社 ヘアケアサイトより
このように、塩素によって髪を守るキューティクルが剥がれると、髪は無防備な状態になります。
その結果、内部の潤いやヘアカラーの色素が外へ流れ出しやすくなり、手触りの悪化や色落ちにつながるので注意しましょう。
「酸化」により色落ちや強度の低下が進む
キューティクルへのダメージに加えて、塩素は「酸化」という化学反応を引き起こすことでも髪に影響を与えます。
酸化とは、物質の性質を変化させる化学反応の一種です。
この酸化作用は、髪の毛を明るくさせるためには欠かせません。それは、ヘアカラーのブリーチ剤が髪の色素を分解して脱色しているためです。
プールの塩素が髪に付着すると、これと似たような反応が起こり、ヘアカラーの染料を直接分解させてしまいます。
これが、プールで特に色落ちが早く感じられる理由のひとつです。
さらに、酸化はヘアカラーの染料だけでなく、髪の主成分であるたんぱく質にもダメージを与えてしまうでしょう。
髪の内部構造がもろくなれば、ハリやコシが失われ、切れ毛や枝毛といった深刻なダメージにつながってしまいます。
ブリーチした明るい髪が変色する可能性もある
ブリーチなどで明るくした髪でプールに入ると、髪が緑になって見えるケースもあります。
これは、プールの水に含まれる成分による化学反応が原因で、実際に起こりうる現象です。
この変色の主な原因は、実は塩素そのものではありません。
プールの水にわずかに含まれる「銅イオン」という金属成分が原因だといわれています。
プールに使われる銅イオンが塩素によって酸化され、髪のたんぱく質に付着すると、緑色のような独特の色味を帯びて見えるためです。
特に、ブリーチを繰り返した髪やダメージが進行した髪は、キューティクルが傷ついており、外部からの物質が付着しやすい状態になっています。
そのため、健康な髪よりもこの銅イオンの影響を強く受けてしまうでしょう。
ヘアカラーはシステインのジスルフィド結合を酸化してスシチン酸を生成する。
水道水からカルシウムイオンや銅イオンのような金属イオンが結合する。
これらの,金属イオンが多く結合すると光沢がなくなり,ぱさつくなどの有害作用が生まれる。
特に,銅イオンの取り込みは毛にダメージを与え,色調に影響を与える。
※引用:毛の色調における銅およびカルシウム取込|J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンターより
このように、色落ちだけでなく予期せぬ変色も、プールで起こりうるダメージのひとつです。ハイトーンのヘアカラーを楽しんでいる場合は特に注意しましょう。
プールの「弱アルカリ性」の水がキューティクルを開く

塩素による直接的なダメージの他に、プールの「水の性質」もヘアカラーの色落ちに大きく関係しています。
「お肌は弱酸性」という言葉をよく耳にしますが、実は健康な髪の毛も同じ「弱酸性」に保たれており、この弱酸性の状態が、髪にとって最も安定していてダメージを受けにくい状態です。
一方で、プールの水は、前述の通り塩素の殺菌効果を高めるために、意図的に「弱アルカリ性」に調整されています。
つまり、髪とプールの水は、性質がほぼ真逆の状態です。
髪が本来の弱酸性とは異なる弱アルカリ性の水に長時間さらされることが、髪の表面を覆うキューティクルに影響を与え、色落ちを引き起こすもう一つの大きな原因となります。
髪がアルカリ性に傾くと、うろこ状のキューティクルが開いてしまう
髪の表面は、「キューティクル」と呼ばれる、うろこ状の組織が何層にも重なって覆うことで、外部の刺激から内部を守っています。
このキューティクルには、髪が健康な状態である「弱酸性」ではしっかりと閉じてバリア機能を果たしており、きれいな髪色をキープする上で欠かせません。
逆に「アルカリ性」に傾くと開いてしまうという性質があるため、弱アルカリ性であるプールの水に髪が浸かると、閉じていたキューティクルが緩んで開いてしまいます。
つまり、プールに入った後の髪は、非常にデリケートで無防備な状態になるため、注意が必要です。
開いたキューティクルの隙間からは、髪の内部に留まっていたヘアカラーの色素や、髪の潤いを保つための栄養分・水分が簡単に流れ出てしまいます。
これが、塩素によるダメージと同時に起こる、色落ちのもうひとつの大きな原因です。
なぜプールは弱アルカリ性?塩素の消毒効果を保つため
髪に負担がかかると分かっているのに、なぜプールの水は弱アルカリ性に調整されているのでしょうか?
そこには、プールの衛生管理に関わる大切な理由があります。
結論から言うと、それは消毒に使われる「塩素」の殺菌効果を、最も効率良く発揮させるためです。
塩素は、どのpH(水素イオン濃度)でも同じように効果を発揮するわけではなく、プールの水が「弱アルカリ性」の範囲にある時にその殺菌力が最大化されます。
ただし、このpHの管理は非常にデリケートです。
もしpHがこの範囲から外れてアルカリ性に傾きすぎると、以下の行政のサイトに記載があるように、逆に塩素の殺菌力は弱まってしまいます。
プール水では残留塩素を維持するために塩素消毒を行いますが、プール水のpHが高くなると(アルカリ性になると)殺菌力の強い遊離塩素が消費されてしまいますので、pHは低い方がよいことになります。
※引用:プールの水質維持管理|福島県ホームページより
つまり、プールの水が弱アルカリ性なのは、利用者の安全を守るための殺菌効果と、水質の安定性を両立させるための、計算された結果です。
見落としがちな『紫外線』によるダメージ

ここまで、プールの水に含まれる「塩素」と「弱アルカリ性」という、2つのダメージ原因について見てきました。
しかし、屋外のプールでヘアカラーを守るためには、もう1つ注意すべき存在があります。それが、太陽の光に含まれる「紫外線」です。
屋外のプールサイドは、日光を遮るものが少ない上に、水面からの強い照り返しもあります。
そのため、普段の生活で街中を歩くとき以上に、髪は強い紫外線にさらされるリスクに直面していると思っておきましょう。
紫外線は髪のメラニン色素と染料を分解してしまう
紫外線には、髪の色素を分解してしまう作用があるため、色落ちの直接的な原因になります。
この作用は、髪を黒く見せている「メラニン色素」と、ヘアカラーによる「染料」の両方に影響を与えるため、長時間、強い紫外線を浴び続けると、ヘアカラーの色褪せが早まるといった可能性を否定できません。
また、以下のように紫外線のダメージは色だけでなく、髪そのものの健康状態も悪化させます。
日頃紫外線を浴びてる髪はバリア機能が低下し、毛髪の強度が弱まります。
しかも、保湿機能が低下し弾力やツヤがなくなるうえ、パサつきや枝毛・切れ毛が起こり、髪色まで変色してしまいます。
特に夏場の海水などで濡れた髪は、ダメージが加速するので、すぐに水洗いして乾かすなどの注意が大切です。
※引用:髪への紫外線対策してますか?|公益社団法 日本毛髪科学協会より
このように、紫外線は単に色をあせさせるだけでなく、髪のツヤやハリを奪い、切れ毛やパサつきといった様々なトラブルを引き起こす要因となります。
水に濡れた髪は、キューティクルが開きダメージを受けやすい
紫外線は乾いた髪にもダメージを与えますが、プールで特に注意が必要なのは「髪が濡れている時」です。
髪の毛は水分を含むと、表面を覆うキューティクルがふやけて、わずかに開いた状態になります。
これは、髪を守るバリア機能が一時的に低下している、いわば無防備な状態です。
そこに、プールの塩素によるダメージと、太陽からの紫外線が同時に加わることで、髪への負担は一気に大きくなります。
キューティクルが開いた髪は紫外線の影響をより深く受けてしまい、色素の分解やたんぱく質の破壊がさらに加速してしまうと思っておきましょう。
プールに入る前に行うべきヘアカラーの色落ちを防ぐための対策

ここまで、プールの水や紫外線が髪に与えるダメージについて解説してきました。
様々な原因を知り、「プールに入るなら、ある程度の色落ちは仕方ない」と感じた方もいるかもしれません。
しかし、諦めるのはまだ早いです。プールに入る前の少しの工夫や準備で、大切な髪色へのダメージをぐっと抑えられます。
以下では、誰でも実践できる具体的な色落ち対策を紹介するので、ご自身の状況に合わせて取り入れやすいものから試してみてください。
ヘアカラーはプールの「1週間前」までに済ませる
プールでの色落ち対策を考える上で、まず最も重要になるのが「ヘアカラーをするタイミング」です。
「プールに行くなら、何日前に染めるのがいいの?」と疑問に思う人も多いのではないでしょうか?
結論から言うと、ヘアカラーはプールの予定の「1週間前」までには済ませておきましょう。
なぜなら、染めた直後の髪は、ヘアカラーの染料がまだ髪の内部に完全に定着しておらず、非常にデリケートで不安定な状態だからです。
キューティクルも開きがちで、外部からの刺激に弱く、色がとても流出しやすくなっています。
個人差はありますが、色素が安定し、髪の状態が落ち着くまでには、一般的に1週間ほどの時間が必要です。
そのため、プールの予定が決まっている場合は、逆算して計画的に施術を受ける準備を整えておきましょう。
髪を物理的に守る「スイムキャップ」をかぶる
「とにかく髪を濡らしたくない」という場合に、最も確実で効果的なのがスイムキャップを着用する方法です。
髪がプールの水に直接触れることを物理的に防ぐため、これまで説明してきた塩素やアルカリ性、紫外線といったあらゆるダメージから髪を守ってくれます。
スイムキャップには通気性の良いメッシュタイプなどもありますが、ヘアカラーの保護が目的なら、防水性が高く髪が濡れにくい「シリコン製」のものを試してみましょう。
頭にぴったりとフィットするため、水の侵入を最小限に抑えてくれます。
特に、フィットネスクラブのプールなどを定期的に利用する人にとっては、きれいな髪色を保つための必須アイテムと言えるでしょう。
洗い流さないトリートメントやオイルで髪を保護膜で覆う
スイムキャップをかぶることに抵抗がある場合や、さらに念入りに対策をしたいのなた、洗い流さないトリートメントやヘアオイルを事前に髪へなじませておきましょう。
プールに入る前に髪全体にしっかりとつけておくと、製品に含まれる油分が髪一本一本の表面をコーティングし、水を弾く「保護膜」のような役割を果たしてくれます。
この保護膜が、塩素などのダメージ要因が髪の内部へ浸透するのを防ぎ、色落ちやパサつきを抑えられるでしょう。
また、屋外のプールで利用するなら、UVカット効果を兼ね備えた製品を選ぶとさらに効果的です。
塩素だけでなく、紫外線によるダメージも同時に防ぐことができ、より安心してプールを楽しめます。
入水前に「きれいな水」で髪をしっかり濡らす
まずは、入水前にシャワーなどの「きれいな水」で髪をあらかじめ濡らしておきましょう。
乾いたスポンジが、最初の水を一気に吸い込む様子を想像してみてください。
髪も同じで、乾いた状態のままだと、塩素を含んだプールの水を直接、大量に吸収してしまいます。
しかし、先にシャワーなどのきれいな真水を髪の芯までしっかりと含ませておけば、髪が吸収できる水分量には限りがあるため、後から入ってくる塩素水の吸収を最小限に抑えられます。
プールに入る前のシャワーは、体の汚れを落とすだけでなく、髪をダメージから守るためにも重要なポイントのひとつです。
髪をお団子にまとめて水に触れる面積を減らす
髪をなるべく高い位置でまとめておきましょう。これまで紹介した対策とあわせて行いたい簡単な工夫のひとつです。
特に、肩より下に髪がつく長さの場合は、お団子ヘアなどですっきりとまとめておいてください。
もちろん、顔をつけたり泳いだりすれば髪は濡れてしまいますが、水に触れる髪の表面積を減らし、毛先が水に浸かっている時間を短くできます。
髪の毛先は、根元に比べてダメージが蓄積しやすく、栄養も行き届きにくいため、最も乾燥しやすく色が抜けやすい部分です。
この傷みやすい毛先をなるべく水に触れさせないようにするだけでも、プール後の髪への負担を軽減できます。
ダメージを最小限に抑えるためのプール後の正しいヘアケア方法

プールに入る前の対策はもちろん重要ですが、同じくらい大切になるのが「プールから上がった後のヘアケア」です。
プール直後の髪は、塩素やアルカリ性の影響でキューティクルが開いたままになっています。
この無防びな状態を放置してしまうと、髪の内部から潤いやヘアカラーの色素がどんどん流れ出し、ダメージや色落ちが急速に進行して大変な状態になってしまうかもしれません。
しかし、適切なアフターケアをすぐに行えば、髪への負担を最小限に抑え、きれいな状態を保てるでしょう。
以下では、ダメージを翌日に持ち越さないための正しいヘアケア方法を、ステップに沿って詳しく解説していきます。
1.プールから上がったら「すぐに」「しっかり」髪を洗い流す
プールから上がってすぐに、シャワーで髪をしっかりと洗い流しましょう。これが最も重要、かつ最初に取り組むべき方法です。
プールから上がった直後の髪には、色落ちやダメージの原因となる塩素がまだたくさん付着しています。
この状態のまま放置する時間が長ければ長いほど、髪へのダメージは進行してしまうでしょう。
「後で家に帰ってからでいいや」と思わずに、できる限り早く、備え付けのシャワーなどで丁寧に洗い流してください。
この「すぐに洗い流す」という一手間が、髪へのダメージを食い止め、きれいな色を守るための大切な第一歩となります。
2.「弱酸性」のシャンプーで髪を正常な状態に戻す
お湯で髪を念入りにすすいだら、次にシャンプーで汚れや付着した成分を洗い流します。
このとき、より効果的なケアを意識するなら「弱酸性」のシャンプーを選びましょう。
このステップの目的は、プールの水によってアルカリ性に傾いてしまった髪を、本来の健康な状態である「弱酸性」にリセットすることです。
髪を理想的な弱酸性に戻すことで、開いたままだったキューティクルがやさしく引き締まり、これ以上のダメージの進行やヘアカラーの色素が流れ出るのを防げます。
市販されているシャンプーの中では、「アミノ酸系」と表記されているものが、髪や頭皮への刺激が少なく、弱酸性であることが多いため、プール後のデリケートな髪には特に適しているでしょう。
3.補修タイプのトリートメントで潤いを集中チャージ
シャンプーで髪の状態をリセットした後は、失われた潤いと栄養を補給する大切なケアの時間です。
プールのダメージとシャンプーによって、髪は必要な水分や油分が不足し、いわば「栄養を求めている」状態になっています。
ここで、保湿効果やダメージ補修効果の高いトリートメントを使い、髪の内部に栄養を届け、コンディションを整えてあげましょう。
その際、トリートメントを髪全体になじませた後、すぐに洗い流さずに3〜5分ほど時間を置くのがポイントです。
少し放置できれば、補修成分が髪の内部までじっくりと浸透し、より高いケア効果が期待できます。
4.濡れたまま放置は厳禁!タオルドライとドライヤーで完全に乾かす
トリートメントで髪に栄養を補給したら、最後の仕上げである「乾かす」工程です。
「面倒だから自然乾燥で」と思うかもしれませんが、濡れた髪を長時間放置すれば、ダメージの大きな原因となるため避けましょう。
これまでも触れてきたように、髪は濡れているときにキューティクルが開き、最もデリケートで傷つきやすい状態にあります。
この状態で横になって寝てしまった場合、キューティクルは簡単に剥がれて大変な状態になりかねません。
まずはタオルで髪をゴシゴシとこするのではなく、地肌の水分を優しく拭き取り、髪の束をタオルで挟み込むようにして、ポンポンと軽く叩きながら水分を吸い取りましょう。
その後は、必ずドライヤーを使って髪を完全に乾かしてください。
根元から毛先に向かって風を当てることでキューティクルの向きが整い、ツヤのある仕上がりになります。
最後までしっかりと乾かすことが、髪を健康な状態に保つための鍵です。
5.アウトバストリートメントで髪を保護し、水分を閉じ込める
ドライヤーで髪を乾かしたら、アフターケアの総仕上げとして、洗い流さないタイプのトリートメント(アウトバストリートメント)をつけましょう。
ヘアオイルやヘアミルクといった製品を乾いた髪になじませることで、髪の毛の表面に薄い保護膜が作られます。この膜を作るという視点が大事です。
これまでのケアで補給した髪の水分が蒸発するのを防ぎ、潤いを髪の内部にしっかりと閉じ込めてくれます。
それだけでなく、日中のブラッシングによる摩擦や、エアコンによる乾燥といった、様々な外部の刺激から髪を守るといった役割も担っている点にも注目してください。
お風呂上がりのこの一手間が、翌日の髪のまとまりや手触りを良くしてくれます。
プールに入っても安心してカラーの色落ちをカバーできるおすすめシャンプー4選
プール後のヘアケアでは、ダメージをリセットし、色落ちを穏やかにするためのシャンプー選びが非常に重要です。
まずは、染料の流出を防ぐ働きのある「カラーケア専用」のシャンプーを選びましょう。
洗浄力がマイルドなアミノ酸系のものが、色素の流出を抑えつつやさしく洗えるのでおすすめです。
加えて、塩素や紫外線で乾燥した髪に潤いを補給してくれる「保湿・補修成分」が豊富に含まれているかどうかも確認してみてください。
屋外のプールを利用するなら、「UVカット効果」のある製品を選ぶとさらに安心でしょう。
以下では、これらの点を踏まえて、プール後のケアにおすすめのシャンプーを厳選しました。
ホーユー プロマスター カラーケア リッチ シャンプー 600ml ¥2,860(税込)
ヘアカラー後のパサパサや乾燥が気になる人のために開発された保湿力と、しっとりとしたまとまりを追求したシャンプーです。
最大の特徴は、ホーユー独自の「pHコントロールシステム」といえるでしょう。
プールの水でアルカリ性に傾いた髪を、理想的な弱酸性へと導き、キューティクルを引き締めることで染料の流出を防ぎます。
さらに、保湿成分としてヒアルロン酸を配合している点もポイントです。ダメージによって低下した髪の水分保持力を補修し、芯から潤う、しっとりとした髪に洗い上げます。
アルペンローゼ ラ・カスタ アロマエステ ヘアソープ 16 300ml ¥2,420(税込)
プール後の髪に残った塩素や不純物をしっかり洗い流したいけど、髪へのやさしさも譲れない、という人におすすめの弱酸性シャンプーです。
洗浄力に優れた成分をベースにしているため、髪や頭皮に付着した塩素をすっきりとリセットできます。
それでいて、オーガニック植物から抽出したエッセンシャルオイルや、独自開発の補修成分が、ヘアカラーで傷んだ髪をケアできる点も魅力のひとつです。
洗浄力の高さからくる髪のきしみを、植物の力で補うというバランスの取れた一品といえるでしょう。
b-ex ディープレイヤー シャンプーExG 500ml¥4,037(税込)
カラーやパーマの繰り返しによるハイダメージや、髪が太く硬いことで、ごわつきや広がりに悩む人に向けて開発されたシャンプーです。
独自処方の補修成分が髪の内部までアプローチし、ダメージを集中ケアできます。
さらに、次に使うトリートメントの成分を浸透しやすくするブースター効果も備えており、ヘアケア全体の効果を高められるでしょう。
豊かな泡立ちも特徴のひとつです。髪同士の摩擦を抑えながら、きしみも少なく、やさしく洗い上げます。
日本ロレアル ケラスターゼ カラーケア バン クロマプロテクト 250ml ¥4,180(税込)
細毛から普通毛の人の中で、ヘアカラーの褪色を穏やかにしたい場合におすすめのカラーケアシャンプーです。
特徴としては、アミノ酸や乳酸といった補修成分が、カラーやプールの塩素などでダメージを受けた髪の内部をしっかりとケアできるでしょう。
キューティクルを整えながら色素の流出を防ぎ、染めたてのきれいな色をキープします。
高い保湿力がありながらも、ノンシリコン処方で仕上がりは軽やかである点も注目しましょう。
プールに入った後に使えるおすすめトリートメント4選
プール後のシャンプーで髪をリセットしたら、次はトリートメントで失われた潤いと栄養をたっぷりと補給してあげましょう。
トリートメント選びで最も重視したいのは、以下の2点です。
- 塩素で乾燥しきった髪を潤す「保湿力」
- 傷んだ部分を集中的にケアする「ダメージ補修力」
髪の内部まで浸透する補修成分や、表面をコーティングして摩擦から守る成分、潤いを与える植物オイルなどが含まれている製品が理想的です。
また、屋外のプールを利用した日には、紫外線ダメージをケアできる成分が入ったものを選びましょう。
以下では、これらのポイントを満たす、アフターケアに最適なトリートメントを厳選しました。
アリミノ カラーストーリー アドミオ カラーケア トリートメント 680g ¥4,480(税込)
プール後のダメージを受けた髪に、毎日贅沢に使って集中ケアしたい場合におすすめなのが、アリミノの大容量トリートメントです。
プールの水でアルカリ性に傾いた髪を、クエン酸の働きでやさしく弱酸性へと導きます。
開いていたキューティクルを穏やかに引き締められるため、ヘアカラーの染料や補給した潤いが流れ出るのを防ぐことで、比較的色持ちが良くなるでしょう。
さらに、マカデミアナッツ油やユーカリ葉エキスといった保湿成分が、乾燥した髪と頭皮を保護し、さらに独自の「ベースメイク処方」により、髪に鏡のようなツヤを与え、カラーをより一層美しく見せます。
アマトラ QUO クゥオ コラマスク C トリートメント 375g ¥5,060(税込)
ダメージケアはもちろん、頭皮のエイジングケアや紫外線対策まで見据えた、多機能ヘアトリートメントです。
最大の特徴は、髪の補修成分として知られる「ヘマチン」を豊富に配合している点ではないでしょうか?
ヘマチンが髪に付着した残留塩素にアプローチしながら、低分子ケラチンが髪の内部に浸透し、ダメージホールを補修してくれます。
さらに、4種のコラーゲンが乾燥した髪と頭皮に深い潤いを与え、紫外線ケア成分が日光によるダメージからも髪を保護可能です。
サンコール ボタニエンス トリートメント 500g ¥6,380(税込)
21種類もの植物美容エキスを贅沢に配合し、自然の力で髪をケアしたいと考える人におすすめのトリートメントです。
プール後のケアに嬉しい「ヘマチン」を配合している点が大きな特徴といえるでしょう。
髪のダメージを補修しつつ、ドライヤーの熱で効果を発揮するγ-ドコサラクトンなどの成分が、髪の内部と外部の両方から働きかけます。
重くしっとりさせるというよりは、根元から毛先まで、つややかでサラサラとした指通りの良い髪へと導くタイプのトリートメントです。
ALBONA by one sii ヒートケアトリートメント 475ml ¥3,740(税込)
プール後のドライヤーの時間もヘアケアの一部にしたい、と考える場合におすすめの「ヒートケア」に特化したトリートメントです。
γ-ドコサラクトンなどのヒートケア成分が、ドライヤーの熱に反応してキューティクルを補修し、プールで受けたダメージをケアしながら、髪を保護してくれます。
加水分解ケラチンやコラーゲン、豊富な植物オイルが、塩素や紫外線で失われた潤いを髪の内部と外部の両方から補給可能です。
パサつきや広がりを抑え、しっとりとツヤのある髪に仕上げます。
プールに入った後に使えるおすすめアウトバストリートメント4選
お風呂上がりのヘアケアの総仕上げとして、髪を外部の刺激から守る「アウトバストリートメント(洗い流さないトリートメント)」を使いましょう。
プール後の髪には、以下の2つの療法が含まれているものが理想的です。
- 塩素や紫外線で失われた潤いを補給する「保湿成分」
- キューティクルを補修しコーティングする「ダメージ補修成分」
また、仕上がりの好みに合わせて、オイルやミルク、ミストなど、ベタつかない「軽いテクスチャー」のものを選ぶのもポイントです。
屋外プール後なら「UVカット効果」のある製品を選ぶと、翌日の紫外線対策にもなります。
以下では、これらの特徴を持つ、プール後の髪にぴったりのアウトバストリートメントをまとめました。
uka hair oil Windy Lady 50ml ¥4,400(税込)
「オイルはベタつくから苦手」という方にこそ試してほしい、軽やかな使用感が特徴のヘアオイルです。
揮発性の高いシリコンをベースにしているため、ベタつきを残さずに髪にツヤとまとまりを与えてくれます。
さらに、ドライヤーの熱で効果を発揮するγ-ドコサラクトンというヒートケア成分が、ダメージを受けたキューティクルを補修し、髪を保護してくれる点も魅力のひとつです。
イランイランやビャクダンなどをブレンドした、深みのある精油の香りは、リラックスしたバスタイムの続きを演出してくれるでしょう。
ポーラ フォルム ボリューム エッセンス クリーム 120g ¥2,750(税込)
「根元のボリュームは欲しいけれど、毛先のパサつきもケアしたい」という願いに応える、クリームタイプの洗い流さないトリートメントです。
独自技術でカプセル化された「浸透コラーゲン」が、髪の内部にアプローチし、根元をふんわりと立ち上げながら、プール後のダメージで乾燥しやすい毛先には潤いを与え、しっとりとまとめてくれます。
紫外線吸収剤が配合されているのも、屋外プール後のケアにはうれしいポイントです。
クリームでありながらベタつかず、さらっと軽い質感なので、日中のスタイリング剤としても使いやすいでしょう。
ALHIA スムースリペアトリートメントミルク 90ml ¥3,500(税込)
「しっとりとした潤いも、サラサラの指通りも、どちらも諦めたくない」という方にぴったりの、バランスの取れたヘアミルクです。
髪の水分保持に重要な役割を持つCMC(細胞間脂質)に着目し、ユズ果実エキスや加水分解ケラチンなどの成分が、プールでダメージを受けた髪の内部に浸透し、潤いとハリを与えます。
さらに、ドライヤーの熱に反応してキューティクルを補修するヒートケア処方を採用している点も欠かせません。
髪の表面をなめらかにコートし、パサつきや広がりを抑えながら、絹のような独特のやわらかい手触りの髪に仕上げます。
クオレ michite by AXI アクアシールド 200g ¥2,420(税込)
プール後の開いたキューティクルをキュッと引き締めたい時に最適な、ミストタイプの洗い流さないトリートメントです。
クエン酸や乳酸などを配合している点が、このアイテムの最大の特徴となっています。
アルカリ性に傾いた髪を本来の弱酸性へとリセットし、キューティクルを穏やかに閉じることで、髪内部の潤いやヘアカラーの染料が流れ出るのを防ぎやすくしてくれるでしょう。
手が汚れないスプレータイプで手軽に使え、紫外線から髪を守る効果も期待できる、多機能な一本です。
さいごに
今回は、プールでヘアカラーが色落ちする原因から、具体的な予防策、そしてアフターケアまでを詳しく解説しました。
プールの塩素や紫外線は確かに髪のダメージに繋がりますが、その仕組みを理解し、正しいケアを行えば、きれいな髪色を保ちながらプールを楽しむことは十分に可能です。
ご紹介した対策やアイテムを参考に、お気に入りのヘアカラーで、これからの季節を思いきり楽しんでください。