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年齢とともに増えていく白髪のケアにお困りの方も多いのではないのでしょうか?
特に生えてくる白髪の本数が多くなってくると、その分白髪染めをする回数は増え、かかる時間や費用が増していきます。
人生の大切な時間を白髪染めに奪われてしまうのは結構虚しいですよね…。
そこで今回は「白髪染めが長持ちする方法」や「白髪染めを落ちにくくするおすすめシャンプー」などについて、今まで多くの方々の白髪の悩みにお答えしてきた現役美容師が紹介します。
この記事に登場する専門家
美容師 / MISOLA hair&style。美容師免許。
長谷川竜士
株式会社エムエイチグループ(mod’s hair) を経てフリーランスとして独立、その後ヘアメイクアップアーティスト、トータルビューティーコンサルタントとして活動。現在は海外にてサロン活動をしながら、リモートでアドバイザーを担っている。幅広い年齢のお客様を担当してきたことから、エイジングヘアケアにも詳しい。
白髪が生えるメカニズム
白髪が生えてくる年齢は人それぞれ個人差があり、生えてくる場所も量も大きく異なります。
白髪が生える事によって実年齢より高く見えたり、カラーをせざるを得なかったりと手間も増えます。
でもそのような「手間」も、ケアを通して髪の変化を楽しむことができる手段だと考えることで、今までの悩みを解決しながら、理想的な髪の毛に近づけることができるかもしれません。
白髪の生えてくる原因は大きく分けて3つあります。
・遺伝によるもの
・ストレスによる毛母細胞の不活性化
・抗酸化酵素(こうさんかこうそ)の減少
正直に申し上げますと、ヘアケアだけで白髪を予防する事は難しいとされています。
しかし、髪の毛を染める機会があるということは、髪の毛を綺麗な一色に統一する事ができ、ツヤ髪を手に入れるチャンスがあるということだと捉えることもできます。
ここで大事なのが、カラー持ちをよくすることと痛まない為のケアをすることです。
髪を染めるという行為は人工的に髪の毛に色を乗せていくということですので、退色してしまうのは自然な事です。
しかし、正しいシャンプーを選び、必要な成分を補うことで、退色を遅らせることはできます。
お客様からは「シャンプーだけで実際効果あるの?」や「カラー専用だけで買うのは少しもったいないかも」といった実際の声もいただきます。
その声を踏まえた上で、今回はオススメシャンプーをご紹介させていただきたいと思います。
美容室でしか聞けないカラーの専門知識について掘り下げてお話していきます。
出典リンク:青木仁美 「毛のメラニン科学と白髪化」
カラー剤で白髪が染まる仕組み
髪の毛を染めるためには髪の毛を脱色し、その上から染料を載せるといった工程を経ます。
おしゃれ染めと白髪染めの大きく異なる部分は「染料の強さ」です。
どちらもある程度の脱色作用を持っているのですが、染料が強いため色を変えるという事が難しいのが白髪染めの特徴です。
一方で基本的に持ちがいいとされているのが白髪染めですので、正しいヘアケアと知識を身につける事で綺麗な髪を維持する事ができます。
白髪染め後の色落ちの原因は?
人工的に色を入れるため、色落ちはどうしても避けられません。
色が落ちる原因は大きく分けて4つあります。
1.紫外線によるダメージ
2.熱による退色
3.シャンプーによる退色
1. 紫外線によるダメージ
髪は紫外線を受けるとダメージを受けてしまいます。
髪の毛自体の強度が低下し切れやすくなったり、硬くゴワゴワとした手触りになるのに加えてヘアカラーやパーマで通常以上に髪が傷むようになってしまいます。
紫外線が強い日は帽子をかぶったり、UVカットスプレーや洗い流さないトリートメントなどを使ったりしてケアをすると良いでしょう。
2. 熱による退色
染めたての髪の毛はまだ色味が定着しきれていない事があります。
そのため熱い温度のシャワーで髪の毛を洗うことによって、キューティクルがより開きやすくなり、色素が流出してしまう恐れがあります。
染めたての髪の毛を洗う際は温度にも気をつけましょう。
3. 白髪染め後のシャンプーによる退色
シャンプーの根本的な働きは汚れを落とす事ですが、洗浄成分によっては汚れだけではなく色素も落としてしまいます。
シャンプーの洗浄力が強いほどカラーを落としてしまう可能性も高いです。
特にカラーの直後に関してはシャンプーをしすぎないようにしたり、洗浄力の弱いシャンプーを使った方が良いです。
また、シャンプーをしながら髪に色をつけていくカラーシャンプーの使用も有効でしょう。
シャンプーの選定については後ほど説明します。
美容師が教える!白髪染め後に白髪染めを長持ちさせる方法
個人差はありますが、髪の毛は1ヶ月でだいたい0.9cm伸びると言われています。
白髪はたったの1ヶ月でもしっかりと伸びてきてしまいます。
髪の毛を伸ばす速さを調整する事は難しいですが、今回は伸びてきた髪の毛が目立たないように、馴染ませる方法を紹介したいと思います。
白髪染めを長持ちさせるための方法は以下の3点です。
カラーシャンプーを使用する
カラーシャンプーとはシャンプーの中にカラー染料が配合されているシャンプーです。
髪をカラーシャンプーで洗うたびに染料が髪に浸透することで、ヘアカラーの色持ち良くする効果があります。
カラーシャンプーには
・キューティクルを整えて退色を遅らせる
・薬剤でアルカリ性に傾いた髪の毛を弱酸性に戻す
といった効果が期待できます。
染毛後2週間位を目安として使用するのが特に有効的です。
保湿をしっかりとし、キューティクルが開かないようなお手入れをする
染毛後の髪の毛はシャンプー後の自然乾燥は避け、しっかりとドライヤーでキューティクルを整えるように乾かしましょう。
洗い流さないトリートメントを使用する事もとても効果的です。
白髪が馴染むカラーをする
白髪がちょっと伸びてしまうだけでもで気になってしまうという方にはあえて、明るい「ハイライトが混じったカラー」や、「明るめの色」を提案させていただく事もございます。
白髪は人によって生え始める部位も違いますし、量も違います。
あえて明るい色にしてカラーを楽しむという方法もとっても前向きな自分の髪の毛との向き合い方の一つです。
シャンプーで白髪染めは落ちてしまうのか?
シャンプーの洗浄成分によってカラーの落ち具合は変わってきます。
洗浄力が強いシャンプーを避けるのはもちろんの事、カラーを退色させないためにはキューティクルを閉じる必要があります。
そのためにはカラーの薬剤であるアルカリを除去してくれる成分が配合されているものを使ったり、収れん作用(キューティクルを閉めてあげる作用)がある成分が入っているシャンプーを選ぶ事が大事です。
多くのカラー用シャンプーには「リンゴ酸」「クエン酸」「ヘマチン」といった成分が配合されております。
「リンゴ酸」「クエン酸」はカラーやパーマといったアルカリ性に傾いた髪の毛を中性に戻すために配合されている成分です。
施術後のアルカリが残った髪の毛からアルカリを除去してくれ、髪の傷みを最小限に抑えてあげる作用があります。
「ヘマチン」は髪の主成分のケラチンを補修してくれる作用があり、髪のダメージ部分に浸透して保護してくれます。
カラー剤の独特の臭いも除去してくれる作用があり、不快な残臭をカットする事ができます。
洗浄成分はアミノ酸系の洗浄成分が配合されているシャンプーをおすすめします。
高級アルコール系や石鹸系は洗浄成分が強いものが多いので、カラー直後の髪の毛に使用すると退色しやすい傾向があります。
市販の白髪染めと美容室での白髪染めとの違い
市販のカラー剤は美容室で使用するカラー剤に比べ、簡単に染める事のできる仕組みになっています。
そのため、髪の毛に対しての負担がやや大きくなっています。
自分でケアできるので忙しい時でも白髪を染める事が可能ですが、パサつきやすくお手入れが更に必要になります。
美容室ではカラーリング直後の髪の毛はしっかりとブロードライで整え、色が抜けにくい状態に仕上げることができます。
カラーは色が入って終わりではなく、いかにアフターケアをするかによってその後の色持ちが変わってきます。
白髪染めを行う推奨頻度
人によるというと極論ですが、基本的には1.5〜2ヶ月置きに染めるのが良いとされています。
頭皮のターンオーバー(新陳代謝)は通常28日周期と言われていますが、加齢の影響がある方は40日〜45日ほどかかる場合もあります。
新しい頭皮が出来上がる前に何度もカラーをしてしまうと、頭皮を傷めることにつながります。
そのため、頭皮への負担を抑えるという観点で、個人的には上記頻度(1.5〜2ヶ月置き)を推奨しております。
出典リンク:永山 升三・西尾 宏 「ヘアケアの科学」
美容師厳選!白髪染めを長持ちさせるシャンプー7選
※このランキングは美容師個人の主観に基づいて作成されています。
1.THE SILK スカルプシャンプー リペア 250ml 990円(税込)
白髪染めを色落ちさせないシャンプーとしておすすめなのが、THE SILK スカルプシャンプー リペアです。
THESILK スカルプシャンプーリペアは、話題のヒト幹細胞エキスに加えて、色素細胞への働きかけが期待できる、メリタン、ヘマティンが使用されていることが特徴的です。
メリタンは髪を黒くするメラニン色素を活性化させる効果、ヘマティンは髪を黒くする色素細胞の老化を防ぐ効果がそれぞれ期待できます。
そのため、白髪染めを長持ちさせる上でとてもおすすめのシャンプーです。
プラチナシルクがキューティクルのリフトアップ(めくれ上がり)を抑制、保湿成分セシリンを多く含むゴールデンシルクがダメージを補修・保水し、髪の内外へアプローチします。
さらにヒアルロン酸、プラセンタ、セラミドなどの保湿成分が髪内部に浸透するため、痛みが気になる方はもちろん、ハリ・コシが気になる方にもおすすめです。
ダメージのない髪は白髪染めの色落ちがしにくい髪でもあります。
白髪染めを長持ちさせ、髪質もツヤとうるおいを与えてくれるシャンプーと言えます。
今なら公式サイトから、トリートメントとセットで75%OFFの1,980円で購入できます。ぜひお試しください。
2.利尻カラーシャンプー 200mL ¥1,925(税込)
ラウラミドDEAという肌に優しい成分がベースになっている、アミノ酸系のノンシリコンカラーシャンプーです。
アミノ酸系シャンプーは、洗浄力がマイルドなため洗浄力の強いシャンプーに比べて、染めた後の色落ちが少ないという特徴がありますので、非常におすすめです。
また、頭皮と髪を優しく洗うことができるため、敏感肌や乾燥肌の方におすすめです。
カラーシャンプーのため、シャンプーしながら髪を染めつつ白髪染め後の髪の色落ちを防ぐことができます。
それに加え、利尻昆布のエキスをはじめとする27種のうるおい成分が配合されているので、ヘアダメージをケアすることができます。
きめ細かい泡立ちで、白髪染め独特な匂いがしないので、継続的に使いやすいです。
カラーは、ライトブラウン、ナチュラルブラウン、ダークブラウン、ダークブラックの4色展開なので、白髪染め後の自身の髪色に合ったものを選ぶことができます。
どのカラーもつや感のある仕上がりになるので、仕上がりの良さを重視する方におすすめです。
3.ナプラ ケアテクトHBカラーシャンプー 300mL ¥2,200(税込)
ヘアカラー毛に適したヘマチン配合の弱酸性シャンプーです。
加水分解ヒアルロン酸や6種類のハーブエキス配合により、カラー後の髪と頭皮をやさしくケアし、美しいカラーヘアを持続してくれます。
やわらかくまとめるしっとりSタイプと、ふんわりボリュームをゲットできるVタイプの2種類があります。
4.プロアクション フォーシー シャンプー 170mL ¥1,100(税込)
汚れとともに残留するアルカリなどを取り去り、髪のpHを健康な状態に戻すことで退色を遅らせます。
またクレアチンが髪の損傷部分に入り込み、カラーの定着を促してくれます。
洗浄力はやや優しいためずっと使い続けるよりはカラー直後にメインで使うのがオススメです。
5.ロオナ ジャンティシャンプー 200mL ¥1,760(税込)
9種類の植物エキスがカラー髪のツヤと質感を整え、美しい髪が育つ頭皮環境を作り上げます。
ダメージ補修成分ヘマチン配合なので、毛髪繊維への浸透性に優れています。
毛髪内部の「ケラチン」と結合し、失われた毛髪内部を補います。
メラニン色素を復元する効果もあり、白髪防止効果でも注目されている商品です。
6.ハホニコ Lamei HAIR CLEANSING 1000mL ¥4,180(税込)
ヘマチンが配合されているのでカラー・パーマのダメージを軽減してデザインを持続してくれます。
糖由来の界面活性剤で髪の毛の中にしっかりと水分をキープして、潤いのある髪の毛に仕上がります。
オーガニック原料9種類を配合し抗酸化作用に優れた各種植物エキスの力で、さらに保湿効果などをもたらしてくれます。
7.プロマスターカラーケアシリーズ 250mL ¥1,320(税込)
髪質や求める仕上がりによって選ぶ事ができる、非常にパーソナライズされたカラー専用シャンプーです。
ボリューム、くせ毛、保湿など求めるものによって選べるのでカラーシャンプーならではの優しい洗浄力を使用しながら他の悩みにもアプローチできます。
白髪染めのアフターケアの重要性
アフターケアで特に大切な事は、ケアする期間とその重要性を知る事です。
カラー施術後の髪の毛はしばらくの間アルカリ性に傾いた状態になります。
元の健康な弱酸性に戻すためのシャンプーを使用したり、洗い流さないトリートメントで保護してキューティクルを閉じたりなど、特に2週間ほどかけて集中的にケアをする事によって、綺麗な状態を保つ事が可能です。
カラー前に気をつけたい事
施術前24時間はシャンプーを避けることを推奨しています。
特に白髪染めは頭皮にしっかりと薬を塗る事になるので、頭皮にある程度の油分がある方が頭皮に対しての負担が少なくなります。
シャンプーをしてしまうと頭皮の油分が失われてしまうため、特に敏感肌や乾燥肌の方は施術前24時間はシャンプーを避けていただくと良いでしょう。
初めて白髪染めする場合はアレルギーの有無を確認!
あまり重要視されませんが、アレルギーテストは必ずする事を推奨いたします。
アレルギーによる皮膚炎は腫れや痒みを引き起こすのと同時に、重篤な場合は入院加療を要する場合もあります。
しっかりとアレルギーの有無を確認した上で施術を受ける事を推奨いたします。
出典リンク:矢上晶子 「ヘアケア製品(染毛剤,シャンプー,リンス)による皮膚障害」
自宅で白髪染めをするときの正しいやり方と注意点
カラー自宅で綺麗に行う為に大切なこと注意点について、美容師が特に気をつけて行うことを踏まえて紹介します。
是非参考にしてみてくださいね。
準備をしっかりとする
カラー剤の染料はとても強く、布製のものに着くと取れにくい特徴があります。
絨毯や、衣服につかないように髪の毛をすぐに洗える服に着替えたり(ジップで脱げる物など)、下に敷物を敷くなどどいった準備がとても重要です。
たっぷりと薬をのせる
白髪自体は健康な髪ですので、しっかりと染めたい場合、綺麗に染めるためのコツは節約しながら使うのではなく、しっかりと髪の毛にカラー剤をのせることです。
そのためには、カラー剤を塗る手とは逆の空いている手で髪の毛を少しずつ持ちながらカラー剤を乗せていくと良いでしょう。
せっかく時間をかけてカラーをしても、染まらないととても残念ですよね。
また染めない髪の毛をしっかりとヘアクリップでブロッキングすることも大切です。
Tゾーンを知る
Tゾーンとは顔まわりと分け目の部分をさします。
特にこのラインはパッと見たときに一番白髪が目立つ部分です。特にきをつけて薬を塗布してあげましょう。
美容院でも特に注意して行う部位です。
シャンプーをする前にお湯で髪をしっかりと流す
白髪染めの場合特に頭皮にしっかりと薬をのせるので頭皮にカラー剤が残りがちです。
カラーが残ったままだと寝る際に枕についたり、頭皮が荒れる原因にもなります。
しっかりと指で撫でるように確かめながらあらってあげましょう。
染めたての髪の毛は特にしっかりと乾かす
染めたてはしっかりと髪の毛を乾かす事も重要です。
カラー後の髪の毛はシャンプーしたあとでも染料が残っている恐れがあります。
特に濡れたままだとカラー剤が水を通して色移りしてしまう恐れがありますので、しっかりと乾かしてあげましょう。
さいごに
白髪を染めるという事は、髪に向き合う時間が多くなる事だと思います。
急に白髪が増える人は少ないですが、増えてきた際の向き合い方やお手入れの仕方は悩まれる方が多いと感じております。
逆を言えば最近では色の選択肢も増えていますので、思い切ってイメチェンにチャレンジして、変化を楽しむのもとても素敵だと思います。
そのためには、カラーをする上で知っておくべき事や、何を軸にどうしたいのかという自分の考えを持つ事はとても大切です。
白髪にストレスを抱えている方が少しでも上記の知識を得た上で、前向きにご自身の髪の毛と向き合っていける事を心から願っております。
他にも白髪予防シャンプーや白髪を黒髪に戻すシャンプーに関心のある方への記事もありますので、目を通していただけますと幸いです。
参考文献一覧
- 青木仁美(2018) 毛のメラニン科学と白髪化 日本香粧品学会誌 Vol. 42, No. 1, pp. 9–14
- 矢上晶子(2018) ヘアケア製品(染毛剤,シャンプー,リンス)による皮膚障害 日本香粧品学会誌 Vol. 42, No. 2, pp. 104–108
- ライオン家庭科学研究所 永山 升三・西尾 宏(1987) ヘアケアの科学 繊消誌 Vol.28 No.6