髪のダメージ補修のマストアイテムとして人気の洗い流さないトリートメントですが、まだ使ったことはない方やもうすでに使っている方でも、そのトリートメントの効能やどの商品が自分に合っているかを知らない方は多いのではないのでしょうか。
そこで今回は美容のプロである美容師監修のもと様々ある洗い流さないトリートメントの種類や効能、買うときのポイントから使い方まで丁寧に説明していきます。洗い流さないトリートメントでツヤ髪を目指したい方は買う際にぜひ参考にしてください。
この記事に登場する専門家
美容師 / Clips。美容師免許。アーユルヴェーダヘッドスパニスト。色彩検定三級。シュウウエムラメイクアップ資格。
高木綾
横浜商業高等学校別科美容科を卒業後、美容師として10年活躍。現在もサロンの美容師として多くのお客様の髪のお悩みの相談を解決している。カラーリングやトリートメントに関する専門知識を有する。
日常の習慣が髪のトラブルの原因に
ヘアアイロン
髪の毛は主にタンパク質で出来ているため、熱を与えすぎることにより固くなります。
生卵に熱を加えると、どんどん固まりゆで卵になりますよね。これと同じ原理で、「タンパク変性」と言います。180℃を超えるとキューティクルが損傷しダメージを受けてしまうため、160℃以下で使用することがおすすめです。
そして髪の毛もお肌と一緒で火傷をしてしまうため、同じ部分に熱を長時間当てないことも大切です。
紫外線
髪もお肌と一緒で日焼けします。紫外線によりメラニン色素が分解され、髪の毛の変色やカラーリングが退色してしまいます。
体の中で一番上にあるため、どこの部分よりも日光を浴びやすいです。
紫外線によりタンパク質がダメージを受け、水分を保持する力がなくなると乾燥やごわつきの原因となります。表面を覆うキューティクルも傷つくため、ツヤが失われパサついてみえてしまいます。
特に5月~9月頃まではとても紫外線の量が多いため、UVケアが特に必要です。
カラーパーマ
カラーリング剤やパーマ液に含まれているものはアルカリ性の薬品で、髪の毛の一番表面にあるキューティクルを開かせ薬を浸透させています。
短期間に繰り返し何度もカラーリングやパーマをする事によりアルカリが蓄積され髪の毛にダメージを与えます。このキューティクルがはがれる事により髪は潤いを失い、パサパサになります。
最近ですと、薬剤にアレルギーを持たれている方も増えてきております。カラーリング剤に含まれる「ジアミン」という成分にアレルギー反応してしまい、かゆみやかぶれ、酷い症状だと顔が腫れてしまったりしてしまいます。
ジアミンは徐々に蓄積されていくため、急にアレルギー反応が起こってしまう可能性があるのがとても怖いところです。その場合はすぐに使用を中止して下さい。
もう悩まない、艶髪を実現する洗い流さないトリートメントの魅力
洗い流さないトリートメントはドライヤーで乾かす前に付ける事で熱からのダメージを抑えてくれたり、乾燥を防いでくれたりします。付けると付けないではスタイルの仕上がりの差が出来ます。
春夏の季節は湿度が高いため、広がりやすくクセやうねりが出てしまいやすいのですが、洗い流さないトリートメントを使用することによって髪の毛の収まりが良くなります。
紫外線からのダメージも抑えてくれます。
秋冬は乾燥が気になる季節になるため、洗い流さないトリートメントを使用することにより
ツヤ感のあるまとめ髪にしてくれます。
静電気なども防止してくれるため、潤いある綺麗な髪への近道となります。
艶髪を目指したい方は、ぜひこちらの記事も合わせてご覧ください。
洗い流すトリートメントとの違い
洗い流すタイプのトリートメントは内部外部の補修ケアをし、トリートメントとしての効果効能が高いです。髪質を改善したり、内部からしっかりとダメージケアを行いたい場合におすすめです。
使用頻度は、健康毛な方で週に1~2回、ダメージや乾燥が気になる方は週に3~4回行うと効果的です。
水気があればあるほどトリートメント効果が薄れてしまうため、シャンプーをした後はしっかりとタオルドライをして水気を取りましょう。
洗い流さないタイプのトリートメントは、外部補修をし保護してくれます。手軽に使えてツヤ感も出してくれるので、その時だけキレイに保ちたい時におすすめですが、
使用頻度は出来れば毎日つけて頂きたいです。
洗い流さないトリートメントを付ける事で髪の外側がコーティングされるため、ドライヤーの熱やその後のヘアアイロンなどの熱からも守ってくれるので、髪が傷みにくくなります。日中の紫外線からも髪を守ってくれます。
髪の毛を乾かす前にしっかりとタオルドライをしてからつけましょう。
洗い流さないトリートメントの種類と使い分け
・オイルタイプ
広がりやすい方や乾燥が特に気になりしっとりとまとめたい方におすすめです。キューティクルを整え、ツヤをより出しコーティング力の強いアイテムです。
特に乾燥が気になる方は、乾かす前に使用し、乾かした後も中間から毛先にかけて少し付けるとより効果的です。
ツヤとまとまり感を重要視する方にはオイルタイプが最適です。
・ミストタイプ
手をあまり汚さず使用出来て簡単に付けられます。水分量が一番多く、髪に浸透していきやすいアイテムで、広がりやボリュームを抑え過ぎず軽い質感に仕上げれるタイプです。
べたつくのが苦手な方におススメです。
・クリームタイプ
内部補修、外部補修とバランスよくケアしたい方におすすめです。
オイルよりも軽くつけられますが、しっかりしっとり感も出してくれ、
補修力などに優れています。
サロンで使われている洗い流さないトリートメントはどのように選んでいるか
効果効能を一番に考え選んでおります。
様々な髪質のお客様がいらっしゃるのため、サロンでは何種類も用意しており、
その都度お客様に今改善したいお悩みやなりたい髪の理想像などをお聞きし、
ひとりひとりにあったアイテムをチョイスさせております。
お客様を癒せるような愛される香りを選ばさせて頂いております。
美容師が洗い流さないトリートメントを自分で買うときの選ぶポイント
成分、効果効能(主にダメージ補修力)と香りを大事にしています。また、季節や現状の悩みなどによって使用する洗い流さないトリートメントも変えています。
春夏は湿度が高いため、髪のクセやうねりを抑えるアイロンを使用する場合、
毛髪保護力があり、保湿力の高いトリートメントやCMADKが配合されているものを選びましょう。
成分としては、植物美容エキスが配合されているものだったり、
ヘマチン(毛髪保護成分)を取り入れたものがいいです。
秋冬は乾燥する季節なため、水分量が多く含まれているものが良く、
成分としては、アスパラギン酸やアラニンが入っているものがおすすめです。
アミノ酸成分が高く取り入れられているものが良いでしょう。
あらゆるトリートメントを使ってきたプロが教える人気の洗い流さないトリートメント15選
プロが選ぶおすすめのトリートメントを紹介します。おすすめポイントともに紹介させていただきます。
1.aujua クエンチセラム
日本人の髪質ひとりひとりに合うよう作られたaujuaシリーズは15種類もあるため、きっとお悩みに合わせたアイテムが見つかるでしょう。
特に一番人気はクエンチという種類です。パサつきを抑え、しっとりまとめてくれます。牡丹の香りで女性らしく癒される香りです。
2.aujua フィルメロウミルク
熱によるタンパク変性で固くなった髪の毛を柔らかくしてくれる洗い流さないトリートメントです。
ヘアミルクだけでなくシャンプー&トリートメントもライン使いすると、より効果に実感がもてます。赤薔薇の香りでお上品な気分になれるアイテムです。
3.aujua ディオーラムエンゲージセラム
aujuaシリーズの中でもサラッとしたオイルタイプですがとても水分を多く含んでいます。
髪をみずみずしくしてくれるため、エイジングにより失われてしまったハリコシを出しツヤ感をプラスで出してくれます。
イモーテルの香りで上質で大人な魅力的な気分になれます。
4.aujua イミュライズエクシードセラム
年齢とともにカラーリングやパーマの繰り返しによるダメージが気になりだした方におすすめです。
毛髪を保護してくれるCMADKという成分で、健康的でより美しい髪にしてくれます。ローズ・ド・メイでより女性らしくなれる香りです。
5.aujua イミュライズジェルステムライザー
上記で紹介しました(aujua イミュライズエクシードセラム)と同じ種類ですが使い方が特徴的な、ジェル状の洗い流さないトリートメントです。
より髪の毛髪強度を高め、しなやかさをプラスします。
ただこのアイテム単品では効果が薄いため、他の洗い流さないトリートメントを使う前につけましょう。そうする事でトリートメントの浸透率が上り、より一層栄養成分が導入されるおもしろいアイテムです。
6.ディーセス エルジューダグレイスオンエマルジョン
ミルク状の洗い流さないトリートメントで、バオバブエキスという保湿成分が髪の内部に水分を与えてくれます。
乾かすだけで柔らかさとしなやかさを同時に出してくれる優れもので、フルーツのような甘くい香りに癒されます。
7.サンコール R-21 ストレートヘアオイルSO
植物美容オイルやケラチンが配合されていることにより、クセや広がりを抑えてくれるオイルです。
このアイテムをつけてドライヤーでクセを引っ張りながら乾かすと全然おさまり方が違います。
クセに悩まれている方は是非一度使って頂きたいです。柑橘系の香りでさっぱりとつられます。
8.モロッカンオイルオイルトリートメント
最高級のアルガンオイルを使用しており、非常に高い浸透性で使えば使うほど美しい髪に近づけてくれます。
熱や紫外線から髪を保護してくれ、ハリツヤのある髪にし、髪を育ててくれます。
バニラムスクの香りがとても心地よく、使用感もちろん素晴らしいのですが香りが好きすぎてリピートで使用しております。
9.ケラスターゼ フルイドクロマリッシュ
ヘアカラーの退色を抑えてくれ、カラーリングにツヤをより与えます。
サラッとしたオイルなのでべたつかずつけられます。
ローズ系の香りに癒されケア出来ます。
10.ケラスターゼ シモンテルミック
ドライヤーの熱の力を使い、髪に補修成分を与えしなやかで柔らかい質感にしてくれます。
トップのボリュームが出づらい方やエイジングにより髪が弱くなった方におススメで、根元の立ち上がりをつけふわっとボリュームのある髪にしてくれます。
柑橘系の香りでサラッとつけられます。
11.ナプラ N.ポリッシュオイル
天然由来成分のみで作られており、全身に付けられるオイルです。
乾かす前にももちろん使えますが、乾かした後中間~毛先に塗布するとよりまとまり感とツヤがでます。
アットコスメ1位を受賞している人気アイテムですので一度試してみて頂きたいです。
12.ミルボン ジェミールフラン メルティバター
夜に乾かしてまとめたヘアスタイルが翌朝まで続く、忙しい女性にぴったりの洗い流さないトリートメントです。夜のまとまりをしっかり記憶し、潤いも閉じ込めてくれるます。
配合されている成分のモイストモリンガバターが熱によってオイル状に変化し、再び
冷えることで固まり形をキープしてくれます。
朝あまり時間をかけたくない方にぴったりのアイテムです。
13.プラーミア ヘアセラムオイル
アルガンオイル配合されており、弾力のあるなめらかな質感にしてくれます。
2種類あり、よりしっとりさせたい場合はMタイプ、軽やかに仕上げたい場合はFタイプを選んで使用します。
甘すぎない上品な香りにつつまれます。
14.ロレッタ ベースケアオイル ヘアオイル
心地よいローズの香りと、インテリアとしても可愛いお洒落な容器です。
サラッとしたオイルでべたつかずお使い頂け、簡単にツヤ髪になれるアイテムです。
15.ナプラ N.シアミルク
シアバター、アルガンオイル、マルラオイルなどの植物性成分が配合されており、
髪の芯まで潤わせてくれます。
N. ポリッシュオイルよりしっとり感はありませんが、べた付かずさっぱりと付けたい時におすすめです。
ホワイトフローラルの香りで心も髪も癒されます。
艶髪を手に入れるための洗い流さないトリートメントの効果的な使い方
シャンプー、トリートメントの後、よくタオルで髪の水分を拭き取ってから中間から毛先まで毛流れにそって付けます。この時水分が残れば残るほどトリートメントの効果は薄れてしまうため、タオルドライはとても重要です。
タオルドライすることにより、ドライヤーで乾かす時間も短くなるので熱によるダメージも防いでくれます。
トリートメントは、全体に馴染むようしっかりとつけます。コームなどを使用し、均等に優しく毛先まで伸ばしていきましょう。
頭皮にはつけないで下さい。頭皮に付けてしまうと根元に重みが出てしまい、立ち上がりがつきにくくなってしまいます。
トップにもう少しボリュームをつけたいなどという時は、頭皮用のトリートメントを併用して使用するといいでしょう。
乾かした後、まだ広がりや乾燥などが気になる場合は、使用した洗い流さないトリートメントを少量中間から毛先につけて下さい。ただ、乾いている状態にたくさん付けてしまうと濡れている状態と浸透率が異なるため、乾かす前に使用した三分の一くらいの量が良いです。
トリートメント以外にもある!艶髪に欠かせない大事なヘアケア方法
1. 自分に合ったシャンプーを選ぶ
シャンプー選びはとても大切です。合わないものを使うと頭皮のかゆみやべたつき、毛先のパサつきやダメージを引き起こしてしまいます。
おすすめは「アミノ酸系シャンプー」です。
シャンプーボトルに成分が記載されているので、よくみてみましょう。
(ココイルアラニン~・ココイル~・ラウロイル~)と表記されているものがアミノ酸系シャンプーの成分です。
(ラウリル硫酸Na・ラウレス硫酸Na)などの表記は洗浄力が高いためあまりおすすめできません。
ただ、髪質やダメージレベルによってシャンプーの相性がありますので、
担当の美容師などに相談してみて下さい。
お客様の髪のキレイを保つためであれば喜んで答えてくれるでしょう。
2. 頭皮マッサージをする
頭皮が固くなってしまうと毛根の形が変形してしまい、くせ毛の原因にもなります。
今までの健康な髪に比べ、細くなってしまった髪やふわふわしてクセが出てしまっている髪の毛は髪の表面に現れる事が多く、これをエイジング毛と呼んでおります。
エイジング毛は20代から始まっており、使用するシャンプーやトリートメント、頭皮の状態によって症状に出るスピードが人それぞれ異なります。
頭皮が固くなると、上に引き上げる力が失われるのでお顔のたるみの原因にもなります。したがってお風呂上りなど、髪が濡れている状態でマッサージしてあげましょう。
マッサージすることによって血流もよくなるので顔色がよくなったり、髪の毛にツヤが均一に出たりするようになるのでおすすめです。
3.髪の毛をしっかりと乾かす
学校や仕事で疲れた後、お風呂に入り髪を乾かすとなるとこのくらいでもいいかな、と半乾きにしてしまう方やドライヤーを使わない方がいらっしゃいますがおすすめしません。
半乾きのままにしてしまうと逆に朝が大変になってしまいます。半乾きのままにして寝てしまうと、キューティクルが開いてしまっている状態になり、枕や布団に擦れて、摩擦によるダメージを起こしてしまいます。
頭皮も濡れている状態なので、蒸れてしまい臭いの原因となってしまいます。最悪の場合抜け毛の原因にもなりかねません。
大変ではあるかと思いますが、なるべく夜しっかりとスタイリングしてあげると形状が髪に記憶され、翌朝までまとまっていますのでしっかり乾かしてあげて下さい。
しかしながら朝お風呂に入ることは、おすすめ出来ません。
寝ている間に頭皮は必要な油分を出します。
寝ている間に分泌されに油分が髪の毛の自然なツヤとなりますので、夜にお風呂に入ることがツヤ髪への近道です。