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シャンプーに使われる保湿成分 “BG(ブチレングリコール)”の毒性は?危険性・安全性を徹底解説!

シャンプーに使われる保湿成分 “BG(ブチレングリコール)”の毒性は?危険性・安全性を徹底解説!

はじめに


皆さんはシャンプーを選ぶとき、どのくらい保湿成分のことを考えて選んでいますか?

保湿成分は、毛髪や頭皮から水分が必要以上に奪われて乾燥しかゆみやフケといったトラブルにつながるのを防いでくれる成分です。

代表的なものだけでもヒアルロン酸やグリセリン、コラーゲンなど様々な成分がありますが、本記事ではその中でも「BG(ブチレングリコール)」にスポットライトを当てていきたいと思います。

ネットで「BG(ブチレングリコール)」を検索しようとすると、

・ブチレングリコール 危険性
・ブチレングリコール アレルギー

といったように、安全性に関わる検索ワードが上位に出てきます。

本記事では「BG(ブチレングリコール)」の危険性・安全性を徹底解説致します。

実際の商品例とともに解説し、皆さんのシャンプー選びに役立つ情報をお届けしますので、ぜひ最後までご覧くださいね。


そもそも保湿成分って?


シャンプーを含む化粧品を使った保湿の方法は主に三つあり、

1. 皮脂を補充する
2. 保湿成分を補充する
3. 保湿バリアの形成や、皮膚のターンオーバーを促す

といった方法をとります。

今回ご紹介するBG(ブチレングリコール)は、この中でも2の保湿成分を補充するという役割を果たします。

2の役割を果たすものでほかに有名なものでは「グリセリン」や「PG(プロピレングリコール)」、「アミノ酸」といった成分たちがあります。

これらの中でもとくにBG(ブチレングリコール)やグリセリンは多くのシャンプーに配合されています。

これらの保湿成分は、皮膚にもともとそなわっている「天然保湿因子(NMF)」という生体成分に作用し、皮膚の保湿能力を高めたり良好な状態に保つ効果があります。

一方、1や3の役割を果たす成分には「スクワラン」や「ワセリン」といった成分たちが存在し、こちらも様々な商品に配合されています。

保湿のしくみについて詳しくはシャンプーの保湿成分を徹底解説:髪や頭皮の保湿成分が含まれたシャンプー38選 | ORGANIQUE MAGAZINEの記事にて解説しています。

おすすめ商品例や商品の選び方も併せて解説していますので、ぜひご覧ください。


BG(ブチレングリコール)の特徴は?


BG(ブチレングリコール)は保湿剤で、先述のように「保湿成分を補充する」という役割を主に果たしますが、より詳しくは

・皮膚の水分量増加
・皮膚からの水分の蒸発抑制によるバリア機能改善

といった効果を発揮します。

とくにバリア機能改善はアトピー性皮膚炎、湿疹、炎症の軽減に有効であることがわかっています。

その他にも

・皮膚の柔軟化抗菌
・防腐

といった効果も発揮してくれます。

後述するように、皮膚に対して刺激性やアレルギー性がほとんどないことがわかっている安全な成分のため、近年シャンプーをはじめとする化粧品に多く配合されるようになってきました。

シャンプーのほかにも、化粧水や乳液、洗顔フォーム、日焼け止め、ハンドクリームに至るまで、本当に様々な化粧品に配合されています。


BG(ブチレングリコール)の安全性は?


これまでの研究で、BG(ブチレングリコール)には

・皮膚の刺激性
・アレルギー性

が、ともにほとんどないことが明らかになっているので、BG(ブチレングリコール)は通常シャンプーとして利用する分には安全な成分と言えます。

一方で、BG(ブチレングリコール)には眼刺激性が認められていたり、一部の人はBG(ブチレングリコール)を配合した化粧品によって皮膚炎を起こすことがわかっていて、雑誌論文等で報告されています。

61歳,女性,主婦.平成14年7月上旬,顔面全体にビリピリと刺激感を認めた(中略)徐々に顔面全体のそう痒を伴った紅斑,浮腫となった。(中略)化粧品による接触皮膚炎を疑い,(中略)1.3-プチレングリコール5%aq,当科低刺激化粧品シリーズ中の9種(全て 1.3-ブチレングリコールが配合されている)に 陽性反応を認めた。

出典リンク:杉浦 真理子, 早川 律子, 加藤 佳美, 杉浦 啓二
(名古屋大学医学部環境皮膚科学講座)(2003)
「1,3-ブチレングリコールによるアレルギー性接触皮膚炎」
アレルギー(52)(2-3), 336

従って、シャンプーの際には眼に入らないように気を付けたり、またシャンプーを使っていて皮膚に少しでも異変を感じたら使用をやめて皮膚科を受診するとよいでしょう。

総合的に見てBG(ブチレングリコール)は安全で、危険性は認められません。

先述のように、非常に様々な化粧品に配合されていることが安全性を証明しているとも言えるでしょう。



BG(ブチレングリコール)を配合しているシャンプー例


それでは、実際に皆さんがシャンプーを選ぶ際の参考となるように、BG(ブチレングリコール)を配合しているシャンプーの例を紹介します。

代表的なものでは


メジオの「オーガニクエ リペアシャンプー」



アンファーの「スカルプDボーテ」



花王の「メリット」シリーズ



Kracieの「いち髪」シリーズ



資生堂の「TSUBAKI」シリーズ


といったものがあります。

この他にもBG(ブチレングリコール)はたくさんのシャンプーに配合されていて、とくに「ボタニカル」と名の付くシャンプーには高確率で配合されている印象です。

多くのシャンプーでは、配合成分は容器の裏の成分表示欄に全て記載されていますので、そこで「BG」と記載があればBG(ブチレングリコール)が配合されているとわかります。

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店頭でシャンプーを選ぶ際は手に取って、また通販サイトで購入する際は容器の拡大表示や概要欄の成分表を確認して下さいね。



BG(ブチレングリコール)以外の気を付けたい保湿成分


さて、BG(ブチレングリコール)が基本的に安全であることはおわかり頂けたと思います。

ここではBG(ブチレングリコール)以外の保湿成分で比較的注意が必要と考えられる、PG(プロピレングリコール)について紹介したいと思います。


PG(プロピレングリコール)


PG(プロピレングリコール)は、主に保湿作用や大腸菌に対する抗菌効果のために化粧品に配合される保湿剤です。

BG(ブチレングリコール)と比較しても高い保湿性を有していたり、他の物質とよく混ざりあうことから化粧品のみならず外用剤や注射薬、食品添加物といったように幅広い商品に用いられる成分です。

PG(プロピレングリコール)自体に明確な危険性が認められるというわけではないのですが、PG(プロピレングリコール)によって一旦皮膚炎が生じてしまうと

・その炎症の種類の区別が難しいこと
・治療の過程では、医薬品・化粧品・食品に至るまでPG(プロピレングリコール)を含まないものを使用するなど細かな注意が必要になる

など治療が困難であり、専門医師の診察が必要となります。

PGによるアレルギー性接触皮膚炎における最大の問題は治療であって,PGを含む外用剤を使用しないのは当然のことであるが,症例1に認められるようにPGを含む香粧品の使用を中止しないと治癒しない場合もあり,医師がPGの使用範囲を充分認識 して患者を指導しなければならないのであ る。PGによるアレルギー性接触皮膚炎患者がPGを含むサラダドレッシングを摂取し,皮膚炎が再燃したという報告もある。PGは食品中にも含まれているので,それらについての注意も必要となる。

出典リンク:東 禹彦(1984).
プロピレングリコールによるアレルギー性接触皮膚炎と刺激性皮膚炎 皮膚, 26, 859-865

このため、最近ではPG(プロピレングリコール)はBG(ブチレングリコール)に取って代わられつつあります。

実際にPG(プロピレングリコール)による接触皮膚炎の例が以下のように報告されています。

45 歳女性。(中略)初診 1 ヶ月前に顔面、胸背部にざ瘡様皮疹出現。(中略)初診 10 日前には頸部にかゆみを伴う紅斑が出現(中略)初診 4 日前には頸部体幹に膿疱と浸潤の強い紅斑が出現。(中略)さらに皮疹は拡大し、発熱、全身倦怠感、食思不振を生じたため精査加療の目的で当科紹介受診。(中略)使用していた外用剤等による接触皮膚炎を疑い、(中略)3 か月後にパッチテスト施行。(中略)成分パッチテストにてリン酸クリンダマイシンとプロピレングリコールに陽性。

出典リンク:東 晃, 十河 香奈, 石田 済, 中谷 友美(富山赤十字病院 皮膚科)
(2014).
リン酸クリンダマイシンとプロピレングリコールによる
接触皮膚炎症候群の一例
日赤医学, 66, 230


まとめ


シャンプーに使われる保湿成分の安全性についての解説は以上になります。

BG(ブチレングリコール)は基本的に安全な成分で幅広く利用されていますので、安心してシャンプーなさってください。


ただ、BG(ブチレングリコール)に限らず、安全とされる成分でも人によってはトラブルを起こしてしまうということを認識し、何か異変を感じたら皮膚科医の診察を受けるようにしましょう。


本記事が皆さんのシャンプー選びの参考になれば幸いです。


参考文献


・杉浦 真理子 他(名古屋大学医学部環境皮膚科学講座)(2003)「1,3-ブチレングリコールによるアレルギー性接触皮膚炎」アレルギー(52)(2-3), 336

・平尾 哲二(2016). 保湿のための化粧品成分 Bella Pelle, 2016, 1, 98-101

・東 禹彦(1984). プロピレングリコールによるアレルギー性接触皮膚炎と刺激性皮膚炎 皮膚, 26, 859-865

・東 晃 他(富山赤十字病院 皮膚科)(2014). リン酸クリンダマイシンとプロピレングリコールによる接触皮膚炎症候群の一例 日赤医学, 66, 230

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